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RC構造でも音漏れがする理由
RC構造は、鉄筋コンクリート造の略で、一般的に軽量鉄骨構造よりも遮音性に優れているとされています。しかし、完全に音が遮断されるわけではありません。隣室からの声が聞こえる原因として、以下の点が考えられます。
1. 隣室との壁の構造
RC造であっても、隣室との間の壁が薄い場合や、壁の施工に不備がある場合、音漏れが起こりやすくなります。壁の厚さだけでなく、コンクリートの密度や、壁と床・天井の接合部の処理なども影響します。コツコツと固い音がするのはコンクリートそのものの音で、低音域の遮音には効果的ですが、高音域である人の声は比較的透過しやすいのです。
2. 音の伝達経路
音は空気中を伝わる「空気伝搬音」と、壁や床などの固体中を伝わる「固体伝搬音」があります。RC構造では固体伝搬音が問題となるケースが多いです。隣室の音が、壁や床、天井を伝わってあなたの部屋に到達している可能性があります。特に、お風呂場など、音が反響しやすい空間からの音は、固体伝搬音として伝わりやすくなります。
3. 隙間や開口部
壁や床、天井に小さな隙間や開口部があれば、そこから音が漏れてきます。コンセントの穴や、配管の貫通部分など、小さな隙間でも音漏れに影響します。
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安価な防音対策
地震対策の観点から家具を置きたくないとのことですので、家具による防音対策は避け、比較的安価で、見た目にも影響が少ない対策をいくつかご提案します。
1. カーテンや厚手の布
窓やドアに厚手のカーテンや布を掛けることで、ある程度の遮音効果が期待できます。遮音カーテンは専門店で販売されていますが、比較的安価なものでも効果はあります。特に、隣室との壁に面した窓がある場合は、遮音効果の高いカーテンを選ぶことをお勧めします。
2. 防音マット
床に防音マットを敷くことで、床からの音の伝搬を抑制できます。安価なウレタン素材のマットでも効果はありますが、より効果を求めるなら、ゴムやEVA素材などの防音性能の高いマットを選びましょう。ただし、マット自体が滑りやすい場合があるので、滑り止めシートなどを併用することをお勧めします。
3. 壁掛け収納
壁に棚や収納を設置することで、壁の振動を吸収し、音漏れを軽減する効果が期待できます。ただし、賃貸の場合、壁に穴を開けることは許可が必要な場合があるので、事前に管理会社に確認が必要です。穴を開けずに設置できるタイプの収納棚も販売されています。
4. 室内装飾の見直し
カーペットやラグ、タペストリーなどを活用することで、室内の反響音を減らし、音の伝わりを抑制する効果があります。柔らかい素材のものを選ぶと、より効果的です。
5. ホワイトノイズ発生装置
安価なホワイトノイズ発生装置を使うのも一つの方法です。ファンの音や波の音など、リラックスできる音で隣の音をマスキングし、不快感を軽減できます。
専門家の意見
騒音問題に詳しい建築音響の専門家によると、「RC構造であっても、隣室との壁の構造や施工状況、音の伝達経路によって音漏れは発生します。安価な対策としては、上記の対策に加え、室内の吸音性を高める工夫が有効です。例えば、壁に吸音パネルを取り付ける、家具の配置を工夫するなどです。ただし、根本的な解決には、壁の遮音性能を向上させる必要がありますが、これは賃貸では難しいでしょう。」とのことです。
まとめ
RC構造の賃貸でも、隣室からの音漏れに悩まされることはあります。今回ご紹介した安価な対策を試してみて、それでも改善が見られない場合は、管理会社に相談してみることをお勧めします。管理会社によっては、防音対策工事を検討してくれる可能性もあります。