RCマンションの現状回復義務とカビ・損傷問題:オーナーと入居者の責任分担

RCマンションオーナーです。現状回復義務について教えてください。入居者が退去しましたが、部屋中カビだらけです。主にクロスの張り替えが主になりますが、入居者は通常使用で生じたカビであり、自分に過失はないと主張しています。家具の背面に生じたカビは仕方ないのでしょうか?通常使用で天井に生じたカビも建物の気密性の問題であり、入居者に過失があるわけではないということになるのでしょうか?網入りガラスも2枚ヒビ割れていますが、これも入居者の過失ではないことになるのでしょうか?ある程度は譲歩もしなくてはいけないと思っていますが、ファミリータイプであり範囲も広範囲のため費用が想像以上にかかりますので、全額オーナー負担は納得感がありません。よろしくお願いします。

現状回復義務と入居者の責任

RCマンションの現状回復義務は、民法616条に基づき、賃貸借契約終了時に、物件を元の状態に戻す義務を定めています。しかし、「元の状態」とは、契約当初の状態を完全に再現することを意味するわけではありません。通常使用による損耗は、オーナーの負担となります。一方、入居者の故意・過失による損傷は、入居者が負担する必要があります。 今回のケースでは、カビの発生、網入りガラスの破損について、入居者とオーナー双方の責任の所在を明確にする必要があります。

カビ問題:通常使用の範囲と責任分担

  • 家具背面のカビ:家具背面のカビは、通気性の悪さや湿気によって発生しやすいです。家具の配置や換気状況によっては、入居者の責任を問えないケースもあります。しかし、明らかに放置によるものと判断できる場合は、入居者の責任となる可能性があります。写真や証拠を提示し、専門家の意見を参考にすることが重要です。
  • 天井のカビ:天井のカビは、建物の気密性や結露の問題が原因である可能性が高いです。しかし、入居者が適切な換気を怠っていたり、浴室乾燥機を長時間使用したりするなど、入居者の行為が原因で悪化させた場合は、入居者の責任が問われる可能性があります。建物の構造的な問題と入居者の行動の両面から判断する必要があります。
  • クロス全体のカビ:広範囲にわたるカビは、建物の状態や入居者の生活習慣の両方が影響している可能性があります。専門業者に原因調査を依頼し、報告書を作成してもらうことで、責任分担を明確にすることができます。報告書には、カビの種類、発生原因、修復費用などが記載されます。

専門家による調査と報告書の重要性

カビの発生原因を特定し、責任分担を明確にするためには、専門業者による調査が不可欠です。専門業者は、カビの種類、発生原因、修復方法などを調査し、詳細な報告書を作成します。この報告書は、オーナーと入居者間の交渉において、客観的な証拠となります。費用はかかりますが、後々のトラブルを避けるために、必ず専門業者に依頼しましょう。

網入りガラスの破損:原因究明と責任

網入りガラスの破損についても、原因究明が重要です。入居者の故意・過失によるものなのか、経年劣化によるものなのかを判断する必要があります。もし、入居者が原因を明らかにできない場合、経年劣化によるものとみなされる可能性があります。しかし、入居者が破損した事実を認めている場合は、入居者の責任となります。

写真や証拠の重要性

現状を正確に把握し、責任の所在を明確にするためには、写真や動画などの証拠をしっかりと残しておくことが重要です。退去時だけでなく、入居時にも物件の状態を記録しておくと、後々のトラブルを回避できます。

費用負担の交渉:譲歩と妥協点

費用負担の交渉においては、オーナーと入居者双方が譲歩する必要があります。全額オーナー負担は難しい場合が多いですが、入居者にも一定の責任を負ってもらう必要があります。専門家の報告書を基に、責任割合を決定し、費用を分担するのが現実的な解決策です。

交渉のポイント

  • 冷静な話し合い:感情的な対立を避け、冷静に話し合うことが重要です。
  • 客観的な証拠:専門家の報告書や写真などの証拠を提示する。
  • 妥協点を探す:双方が納得できる妥協点を見つける。
  • 書面による合意:合意内容を文書で残す。

具体的なアドバイス

1. **専門業者への依頼:** カビの原因調査と修復方法について、専門の業者に依頼しましょう。報告書は交渉の強力な武器となります。
2. **証拠の確保:** 退去時の状況を写真や動画で記録し、証拠として残しておきましょう。
3. **冷静な交渉:** 入居者と冷静に話し合い、責任分担について合意を目指しましょう。
4. **書面化:** 合意内容をきちんと書面に残すことで、後々のトラブルを防ぎます。
5. **弁護士相談:** 交渉が難航する場合は、弁護士に相談することを検討しましょう。

まとめ

現状回復義務に関する問題は、オーナーと入居者双方にとって複雑な問題です。専門家の意見を聞き、証拠をしっかり確保し、冷静に交渉を進めることが重要です。 今回のケースのように、広範囲な損傷がある場合は、専門家による調査と報告書が不可欠です。 双方の責任を明確にし、納得できる解決策を見つけるために、時間をかけて丁寧に進めていきましょう。

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