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73歳父親の認知症:アルツハイマー型と血管性認知症の見分け方
ご父親の症状、大変お辛い状況ですね。5年前からの奇妙な言動、記憶力低下、攻撃性の増大、そして隠れ脳梗塞の既往歴などから、アルツハイマー型認知症と血管性認知症の両方が疑われます。 重要なのは、アルツハイマー型と血管性認知症は必ずしも排他的ではないということです。混合型認知症の可能性も十分に考えられます。
アルツハイマー型認知症の特徴
アルツハイマー型認知症は、脳内にアミロイドβなどの異常タンパク質が蓄積することで神経細胞が破壊され、記憶や認知機能が徐々に低下していく病気です。初期症状は物忘れから始まり、徐々に進行し、日常生活に支障をきたすようになります。性格の変化もみられますが、血管性認知症ほど急激な変化は少ない傾向があります。
血管性認知症の特徴
血管性認知症は、脳血管の障害(脳梗塞や脳出血など)によって脳の機能が低下することで起こる認知症です。症状は脳の障害部位によって様々ですが、記憶障害に加え、判断力や実行機能の低下、性格の変化(攻撃性や抑うつなど)が顕著に現れることが多いです。また、症状の進行は段階的ではなく、脳梗塞などの発作によって急激に悪化することもあります。ご父親の額に常に血管が浮き上がっていること、隠れ脳梗塞の既往歴があることは、血管性認知症の可能性を示唆しています。
診断と治療:専門医への受診が不可欠
ご父親の正確な診断のためには、専門医による診察が不可欠です。CTやMRIなどの画像検査に加え、認知機能検査などを行い、アルツハイマー型認知症、血管性認知症、あるいは混合型認知症かを判断します。
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専門医への受診を促す方法
ご家族との関係が難しい状況とのことですが、ご父親の健康と安全を守るためにも、専門医への受診は絶対に必要です。以下のような方法を試みてはいかがでしょうか。
- 姉と協力する:姉さんと協力して、母親への説得を試みる。
- 地域包括支援センターの活用:地域包括支援センターのケアマネージャーに相談し、医師への受診を促すサポートを依頼する。ケアマネージャーは、ご家族の状況を理解した上で、適切なアドバイスや支援を提供してくれます。
- 医療機関への直接連絡:ご父親のかかりつけ医に、ご自身の懸念を直接伝える。プライバシー保護の観点から、ご父親の同意を得るのが理想ですが、状況によっては、ご父親の健康状態を考慮して、医師に直接相談することも有効です。
- 成年後見制度の検討:状況によっては、成年後見制度を利用して、ご父親の医療や介護に関する意思決定を支援してもらうことも考えられます。
治療法
診断結果に基づいて、適切な治療が行われます。アルツハイマー型認知症には、認知機能の低下を遅らせる薬剤(アリセプトなど)が用いられます。血管性認知症には、脳血管障害の治療(血圧管理、抗血小板剤など)が中心となります。
日常生活のサポート:安全確保とストレス軽減
ご父親の症状が進行するにつれて、日常生活のサポートが必要になります。安全確保とストレス軽減を重視し、以下の点を心がけてください。
安全確保
- 危険な場所へのアクセス制限:キッチンナイフなどの危険物をしまう、ガスコンロの使用を制限するなど。
- 徘徊対策:徘徊防止のためのGPS機器などを検討する。
- 転倒防止:滑り止めマットを使用する、手すりを設置するなど。
- 運転免許証の返納:安全運転が困難な場合は、運転免許証の返納を促す。
ストレス軽減
- 穏やかな言葉かけ:感情的に接せず、優しく、ゆっくりと話す。
- 簡単な指示:一度に多くの指示を出さず、簡潔に伝える。
- 繰り返しの確認:同じことを何度も繰り返して説明する必要がある場合もある。
- 趣味や好きなこと:ご父親の興味関心を引き出し、刺激を与える。
- 介護者の負担軽減:デイサービスや訪問介護などのサービスを利用する。
専門家への相談
介護の負担が大きくなってきたと感じたら、迷わず専門家(医師、ケアマネージャー、相談員など)に相談しましょう。
まとめ:早期診断と適切な対応で生活の質を向上
ご父親の症状は、アルツハイマー型認知症、血管性認知症、あるいは混合型認知症の可能性があります。早期診断と適切な治療、そして日常生活のサポートが、ご父親の生活の質を向上させるために非常に重要です。難しい状況ではありますが、専門家の協力を得ながら、一歩ずつ対応を進めていきましょう。