2階部分が開いた間取りの構造とデザイン性:専門家の視点から解説

2Fの部屋の下が開いている間取りは専門家から見ていかがでしょうか 新築を計画中で間取プランしてもらっています。1Fを一部くぼませてテラスを作り,そこをリビングとダイニングで囲っています(これは私の希望通りです)。2F外壁は1Fと合わせるのが普通と思いますが,2Fをテラスの上にかぶせた間取りを提案されました。2Fの間取りに自由度が増すのと,庇を兼ねるため,直射日光を防いだり雨でも洗濯を干せるメリットがありますとのことです。テラスは西向きなので,その面ではメリットがあるなと思います。 カーポートのためにこのように上の階を張り出す間取りは見かけますが,角を張り出させるのはあまりみかけない間取なので構造的に大丈夫なのか心配です。柱は通っていますが,壁がないので。 このような間取の処理はどう思われますか? ちなみに張り出す量は,1800×2700です。 http://kie.nu/1WQy

1階部分をくぼませたテラスと2階張り出しの構造的安全性

ご質問ありがとうございます。1階リビング・ダイニングを囲むようにテラスを設け、その上に2階部分を張り出す間取りは、確かに一般的なものとは異なりますが、構造的に不可能なものではありません。ただし、安全性を確保するためには、適切な設計と施工が不可欠です。

構造上のポイント

* 基礎と柱の設計: 2階部分の張り出しは、1階部分よりも大きな荷重を基礎と柱に与えます。そのため、通常の住宅よりも頑丈な基礎と、適切な配置・太さの柱が必要になります。設計段階で、構造計算を行い、安全性を確認することが重要です。特に、角部に張り出す設計は、集中荷重がかかりやすいため、細心の注意が必要です。1800×2700mmの張り出しは、それほど大きくありませんが、それでも構造計算は必須です。
* 梁の設計: 張り出し部分の床を支える梁は、十分な強度を持つ必要があります。また、梁の配置や断面寸法は、構造計算に基づいて決定されるべきです。
* 耐震性: 地震に対する安全性も考慮しなければなりません。設計段階で耐震計算を行い、必要に応じて耐震補強を行う必要があります。
* 専門家の意見: 建築士や構造設計士といった専門家と綿密に相談し、構造計算の結果や安全性を確認することが非常に重要です。不安な点があれば、何度でも質問し、納得いくまで説明を受けるべきです。

デザイン上のポイント

構造的な安全性に加えて、デザイン性も考慮する必要があります。

* 外観のバランス: 2階部分の張り出しは、建物の外観に大きな影響を与えます。全体のバランスが崩れないように、デザインを検討する必要があります。例えば、張り出し部分の素材や色を、建物全体のデザインと調和させることが重要です。
* 採光と通風: 張り出し部分の窓や開口部の位置や大きさによって、採光や通風が大きく変わります。快適な室内環境を確保するために、適切な設計が必要です。西向きのテラスなので、夏の西日対策も重要です。庇の効果だけでなく、窓の大きさや位置、日除け設備(オーニングなど)の設置も検討しましょう。
* プライバシー: 張り出し部分の窓の位置によっては、プライバシーが侵害される可能性があります。周辺環境を考慮し、プライバシーを確保できる設計にする必要があります。

具体的なアドバイス

1. 複数の設計事務所に相談する: 複数の設計事務所に設計プランを依頼し、それぞれの意見を比較検討することで、より良いプランを選択することができます。
2. 構造計算書を確認する: 設計事務所から提出される構造計算書を必ず確認し、内容を理解するようにしましょう。専門用語が分からなければ、設計事務所に丁寧に説明を求めましょう。
3. 施工業者との連携: 信頼できる施工業者を選び、設計図面どおりに施工されるように確認しましょう。
4. 定期的な点検: 完成後も、定期的に建物の点検を行い、不具合がないかを確認することが重要です。

事例紹介

実際には、このような2階張り出しは、現代建築では珍しいものではありません。特に、限られた土地面積を有効活用したい場合や、個性的なデザインを求める場合などに採用されることがあります。 ただし、成功事例と失敗事例の両方が存在します。成功事例では、構造計算が綿密に行われ、デザインと機能性の両面で優れた結果が得られています。一方、失敗事例では、構造計算が不十分であったり、デザインと機能性のバランスが考慮されていなかったりすることがあります。

専門家の意見

建築構造の専門家によると、「2階部分の張り出しは、適切な設計と施工が行われれば、安全に実現可能です。しかし、一般的な住宅とは異なる構造となるため、専門家の指導の下、綿密な計画と施工を行うことが不可欠です。」とのことです。

まとめ

2階部分が開いた間取りは、デザイン性と機能性を両立できる魅力的なプランですが、構造的な安全性に配慮した設計と施工が不可欠です。専門家と十分に相談し、構造計算書を確認するなど、慎重に進めていくことが重要です。 不安な点は解消してから、工事に進むようにしましょう。

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