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フローリング傾斜の原因究明
築6年のお住まいで、2階の一室の一部にフローリングの傾斜が見られるとのこと。ご心配な気持ち、よく分かります。まずは、原因を特定するために、いくつかの可能性を検討してみましょう。
1. 施工不良の可能性
- 構造用合板の施工:問題の部屋のみ構造用合板を二重に施工している点が気になります。二重にすることで、合板自体の反りや、施工時の精度不足による微妙な高さのずれが生じている可能性があります。特に、合板の貼り付け、乾燥状態、接着剤の量などが影響している可能性があります。
- 下地調整の不足:床下地となるコンクリートスラブや根太のレベル調整が不十分だった場合、フローリングに傾斜が生じる可能性があります。特に、部分的に二重にした合板と、そうでない部分との間に高低差が生じている可能性があります。
- 湿気の影響:建材の含水率の変化によって、フローリングが伸縮し、傾斜が生じる可能性も考えられます。特に、クローゼットと部屋の境目の敷居部分の高低差1mmは、湿気の影響による木材の伸縮を示唆している可能性があります。
2. 基礎や構造体の問題の可能性
- 部分的な沈下:基礎や地盤の沈下によって、床に傾斜が生じている可能性も考えられますが、他の部屋に問題がないことから、可能性は低いと考えられます。もし、基礎や地盤に問題があれば、より広範囲にわたって影響が出ることが一般的です。
- 不同沈下:部分的な不同沈下も考えられますが、今回のケースでは、傾斜が特定の場所に限定されているため、可能性は低いと言えます。不同沈下であれば、建物の他の部分にも影響が出ることが予想されます。
3. その他の可能性
- 経年劣化:築6年であれば、まだ経年劣化による影響は少ないと考えられますが、可能性はゼロではありません。特に、木材の乾燥や収縮による影響が考えられます。
- 外部からの力:例えば、近隣工事などによる振動が影響している可能性も考えられますが、可能性は低いと言えます。
専門家への相談と補修
上記の可能性を踏まえ、まずは専門家の意見を聞くことが重要です。
1. 建築士や住宅診断士への相談
傾斜の状況を詳しく説明し、原因調査を依頼しましょう。専門家は、目視検査や必要に応じて精密な測定を行い、原因を特定します。原因が特定できれば、適切な補修方法を提案してもらえます。
2. 工務店への連絡
築6年で、施工不良の可能性がある場合は、工務店に連絡し、状況を説明しましょう。住宅瑕疵担保責任保険の適用範囲内かどうかを確認する必要があります。瑕疵担保責任保険は、住宅の重要な部分の欠陥に対して、一定期間補修を保証する制度です。
3. 補修方法
原因に応じて、補修方法は異なります。
- 施工不良の場合:フローリングの張り替え、下地調整が必要になる可能性があります。場合によっては、部分的な床の解体・再施工が必要となることもあります。
- 経年劣化の場合:フローリングの研磨やワックスがけで改善できる可能性があります。しかし、傾斜が大きい場合は、張り替えが必要となる可能性があります。
1mmの高さの違いは問題か?
クローゼットと部屋の床の高さが1mm違うとのことですが、これは必ずしも問題とは限りません。しかし、他の部分との高低差が気になる場合は、専門家に相談して確認することをお勧めします。
具体的なアドバイス
* 写真や動画を撮影する:傾斜の様子を写真や動画で記録しておきましょう。専門家への相談や、工務店とのやり取りに役立ちます。
* 測定を行う:傾斜の角度や高低差を正確に測定しておきましょう。レベル器などを使うと正確な測定ができます。
* 記録を残す:相談内容、専門家の意見、工務店とのやり取りなどを記録しておきましょう。
* 複数業者に相談する:複数の専門家や工務店に相談することで、より客観的な意見を得ることができます。
まとめ
フローリングの傾斜は、住む人の安心感を損なう問題です。原因を特定し、適切な対処をすることが重要です。専門家への相談をためらわず、早めに対処しましょう。