高齢者施設における避難訓練と避難方法:火災や地震への備え

施設介護職員の皆様に質問です。勤務している所は避難訓練していますか?うちの会社の系列のある施設なんですが全くやっていません。(会社全体もやっていません。)人手不足で忙しくて出来ないのは重々承知ですが避難方法は各部屋のベランダに避難はしご(高齢者には無理があるのでは…)、非常階段(カバー開けないと開錠出来ないタイプ) があります。認知症に寝たきりに半身麻痺の方が多数いてます。もし火事や地震が起こったらと思うと恐ろしいです……因みにその施設は60名居住者がいてます。
追加質問です。避難手段は各部屋ベランダにある避難はしごと横幅ギリギリ2人分の幅の非常階段、非常ドア開口幅は1人通れるぐらいしかないです。寝たきりの方の避難方法を教えて下さい。よろしくお願いします。

高齢者施設における避難訓練の重要性と現状

高齢者施設において、避難訓練は入居者の安全を守る上で極めて重要です。しかし、人手不足や業務の多忙さから、十分な訓練を実施できていない施設も多いのが現状です。質問者様の施設も、避難訓練が実施されていないだけでなく、避難経路や設備にも課題があるとのこと。これは深刻な問題です。60名もの入居者がいる施設で、認知症や寝たきり、半身麻痺の方が多数いらっしゃる状況下では、万が一の事態に備えた万全の対策が不可欠です。

避難経路と設備の課題と改善策

  • 避難はしご:高齢者にとって、避難はしごを使用するのは非常に困難です。体力的な負担が大きく、転落の危険性も高いため、現実的な避難手段とは言えません。代替案として、電動昇降機担架の導入を検討する必要があります。また、避難はしごの設置場所や使用方法についても、入居者や職員への周知徹底が必要です。
  • 非常階段:幅が狭く、カバーを開けないと開錠できないタイプの非常階段は、スムーズな避難を阻害します。緊急時には、迅速な避難が求められるため、より広い非常階段の確保自動開閉式の扉への交換を検討すべきです。さらに、階段の手すりや滑り止めなど、高齢者にとって安全な設計になっているか確認する必要があります。
  • 非常ドア:開口幅が1人分しかない非常ドアでは、寝たきりの方を搬送することが困難です。より広い開口幅の非常ドアへの交換や、電動ドアの導入を検討する必要があります。また、非常口の場所や使用方法についても、入居者や職員への周知徹底が必要です。

寝たきりの方の避難方法

寝たきりの方の避難は、最も困難な課題です。そのため、事前に綿密な計画と訓練が必要です。

  • 避難計画の作成:各入居者の状態を把握し、個別に対応できる避難計画を作成します。寝たきりの方には、専用の担架を使用し、複数人で協力して避難させる必要があります。責任者や担当者を明確にし、役割分担を徹底します。
  • 避難訓練の実施:計画に基づき、定期的に避難訓練を実施します。訓練では、寝たきりの方の搬送方法を練習し、スムーズな避難ができるようにします。訓練を通して、職員の連携を強化し、緊急時における対応能力を高めることが重要です。訓練の様子を記録し、改善点を見つけることも大切です。
  • 職員の教育:職員に対して、寝たきりの方の搬送方法や緊急時の対応について、適切な教育を行う必要があります。資格取得の支援外部講師による研修などを活用し、職員のスキル向上を図ります。また、定期的な研修を通して、知識と技術のアップデートを継続する必要があります。
  • 防災用品の備蓄:担架、車椅子、酸素ボンベなど、寝たきりの方の避難に必要な防災用品を十分に備蓄します。定期的に点検を行い、備蓄品の有効期限や状態を確認する必要があります。また、非常用電源や照明なども確保しておきましょう。
  • 近隣との連携:近隣の消防署や医療機関と連携し、緊急時の対応体制を構築します。避難場所の確保や搬送手段の確保など、事前に協議しておくことが重要です。地域包括支援センターなどとも連携することで、より効果的な支援体制を構築できます。

専門家の視点:建築士・防災士からのアドバイス

高齢者施設の建築に携わる建築士や防災士の視点を取り入れることも重要です。彼らは、避難経路や設備の設計、防災対策について専門的な知識を持っています。彼らのアドバイスを受けることで、より安全で効率的な避難計画を策定できます。特に、バリアフリー設計やユニバーサルデザインの観点から、施設の改修を検討する必要があるかもしれません。

具体的な改善ステップ

1. **現状把握:** 施設の構造、避難経路、設備、入居者の状況を詳細に把握します。
2. **避難計画策定:** 寝たきりの方を含む、すべての入居者に対応できる避難計画を作成します。
3. **避難訓練実施:** 計画に基づいた避難訓練を定期的に実施し、改善点を洗い出します。
4. **設備改善:** 避難はしご、非常階段、非常ドアなどの設備を改善します。電動昇降機や担架の導入、非常階段の拡幅、自動開閉式の扉への交換などを検討します。
5. **職員教育:** 職員に対して、避難訓練や緊急時の対応について、適切な教育を実施します。
6. **防災用品備蓄:** 担架、車椅子、酸素ボンベなど、必要な防災用品を備蓄します。
7. **関係機関との連携:** 消防署、医療機関、地域包括支援センターなどとの連携を強化します。
8. **定期的な見直し:** 避難計画や設備、職員教育などを定期的に見直し、改善を継続します。

まとめ

高齢者施設における避難訓練は、入居者の命を守る上で極めて重要です。人手不足や業務の多忙さは理解できますが、安全確保を最優先事項として、避難経路や設備の改善、避難計画の策定、職員教育、関係機関との連携を徹底し、万が一の事態に備える必要があります。オレンジ色の非常灯や誘導標識などを活用し、視認性を高めることも有効です。

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