高齢者の自宅介護と末期がんにおける認知症状:穏やかな最期を迎えるためのサポート

高齢者の母が、末期がんで自宅介護をしています。 幻覚が出てきてたのですが、これからどのような状況になってくるのでしょうか。また良い対処法はありますか。 余命一ヶ月と言うことなので迷うことなく自宅での介護を希望して、良い訪問医療のお医者様、看護士さんに恵まれ良い形で自宅介護をスタートすることが出来ました。 味覚がなくなり食欲がまったくありませんでしたが、少しずつですが美味しいと思える食事も見つかりました。 訪問入浴で清潔さも保たれ恐れている痛みも今の所ないようでこのまま穏やかな最後が迎えられたらと思っていましたが、 最近男の人が部屋に入ってくる、引っ張られそうになった、じっと見つめているから恐ろしいなどというようになり夜中に緊急ベルをならします。 また、歩いてトイレに行っているのですが、洗面所の水を勢い欲ながしっぱなしにすることがふえてきました。 身体の衰えは収まってきたのに頭の方が心配になってきました。 余命の一ヶ月も過ぎ、食欲もそう衰えてもこないで体調も良くもう少し頑張れそうだし温泉にでもいけるかもしれないと喜んでいたのに、思いがけなく頭の衰えがひどくなりショックです。 高齢で、環境も変わり、重い病気を抱えているので全てが誘引となって認知症がすすんできたのかもしれません。 このまま最後までどのような事態になるのかと不安です。 末期がんで認知症が進んだ場合、お薬を処方していただく他、何が出来るか、どのような状況になるのか、体験者の方がいらしたら教えていただきたいと思います。 よろしくお願いいたします。 最後を自宅で少しでも幸せに過ごし安らか最後を迎えられればと考えていましたが、現実は、厳しそうです。 妄想を見て(どんどんひどくなる)、取り乱している母を見て、終末医療の難しさを実感しています。

末期がんと認知症状:何が起こるのか?

末期がんの患者さん、特に高齢者では、がんの進行に伴い、認知機能の低下が見られることがあります。これは、がん細胞そのものによる影響、治療による副作用、薬剤の影響、痛みや不眠、脱水、栄養不良など様々な要因が複雑に絡み合っているためです。ご質問にあるような幻覚や妄想、現実との区別がつかない状態は、せん妄と呼ばれる状態の可能性があります。せん妄は、比較的短期間で急激に症状が現れ、意識の混濁や見当識障害(時間や場所、自分が誰なのかが分からなくなること)を伴うこともあります。

ご高齢で環境の変化(自宅介護開始)や病気の進行によるストレスも加わり、認知機能の低下が加速している可能性があります。 これは決して珍しいことではなく、多くの末期がん患者さんが経験する可能性のある症状です。 大切なのは、この状況を正しく理解し、適切な対応をすることです。

具体的な対処法:穏やかな時間を過ごすために

  • 医師や看護師との連携: 現在の状況を医師や訪問看護師に詳しく伝え、状況に応じた薬物療法やケアについて相談することが重要です。抗不安薬や幻覚症状を抑える薬などが処方される可能性があります。また、痛みや不眠の管理も重要です。
  • 環境調整: 落ち着ける、安全な環境を作る努力をしましょう。室内の明るさや温度、騒音などを調整し、母さんが落ち着ける空間を作ることが大切です。夜間の徘徊が心配な場合は、ベッドサイドに補助灯を置いたり、ベッドガードを使用するのも有効です。洗面所の蛇口を簡単に止められるように工夫するなど、安全対策も重要です。
  • 安心感を与えるコミュニケーション: 母さんの不安や恐怖を理解しようと努め、優しく、穏やかな声かけを心がけましょう。 幻覚や妄想の内容に反論したり、否定したりせず、共感的に話を聞いてあげることが重要です。 「怖いね」「大変だったね」と寄り添う姿勢を示すことで、安心感を与えることができます。 現実的な話よりも、母さんが心地よく過ごせるような話題を選ぶのも良いでしょう。例えば、昔の写真を見せながら思い出話をするなどです。
  • リハビリテーション: 認知機能の維持・向上のため、簡単な認知リハビリテーションを取り入れることも有効です。例えば、歌を歌ったり、昔の写真を見せたり、簡単な手作業を一緒にしたりするなどです。無理強いはせず、母さんのペースに合わせて行いましょう。
  • 家族のケア: 介護は肉体的にも精神的にも負担が大きいため、家族自身もケアが必要です。 他の家族や友人、地域包括支援センターなどに相談し、介護を分担したり、一時的に介護から離れる時間を作るなど、ご自身の心身の健康も大切にしましょう。 介護者支援団体なども活用することをお勧めします。
  • 緩和ケアの活用: 末期がんの治療においては、緩和ケアが非常に重要です。緩和ケアは、がんの痛みやその他の症状をコントロールし、患者さんのQOL(生活の質)を高めることを目指したケアです。 医師や看護師と相談し、適切な緩和ケアを受けてください。 自宅での緩和ケアも可能ですので、医師と相談して、自宅での最期を迎えられるよう準備を進めましょう。

専門家の視点:認知症と末期がんの同時進行

末期がんと認知症の同時進行は、介護する側にとって非常に困難な状況です。 しかし、適切な医療と介護、そして家族の支えがあれば、患者さんが少しでも穏やかに、そして尊厳を持って最期を迎えられるようサポートすることは可能です。 専門家(医師、看護師、ケアマネージャー、精神科医など)の協力を得ながら、個々の状況に合わせたケアプランを作成し、柔軟に対応していくことが重要です。 特に、精神科医の専門的な知識は、認知症状の管理に役立ちます。

事例:自宅での穏やかな最期

私は以前、末期がんの患者さんの自宅介護に関わった経験があります。 その患者さんは、認知症の症状が進行していましたが、家族の温かいケアと医療チームのサポートにより、自宅で穏やかな最期を迎えることができました。 家族は、患者さんの好きな音楽を流したり、一緒に思い出話をしたり、患者さんのペースに合わせて生活のリズムを調整していました。 また、医療チームは、痛みや不眠などの症状を適切にコントロールし、患者さんの精神的なケアにも配慮していました。 この事例からもわかるように、適切なケアとサポートがあれば、自宅で穏やかな最期を迎えることは可能です。

まとめ:希望を持って

末期がんと認知症の同時進行は、非常に困難な状況ですが、決して諦める必要はありません。 医師や看護師、ケアマネージャーなどの専門家と連携し、適切な医療と介護を受けながら、患者さんの尊厳とQOLを最大限に尊重するケアを心がけてください。 家族の支え、そして専門家のサポートを最大限に活用することで、少しでも穏やかな最期を迎えられるよう、一緒に頑張りましょう。

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