高気密住宅の疑問を解消!セルロースファイバーと気密シート、その違いと最適な施工方法

高気密とは一体何を示してるのでしょう? 以前より、気密断熱の質問をしております。根本からの質問になってしまいます。 この1年程、高性能住宅を作りたいと色々と断熱講習や高性能住宅の講習を受けてきました。 これまでの講習ではこれからの住宅はやはり「高気密・高断熱」であるだろうと思っています。 代表的な工法で「気密シート」を住宅の内側に施工し、人間が生活する部屋をビニールシートで包んで家をビニール袋で包むイメージの工法です。 この工法では高気密化が取りやすく、ノウハウ無い自分にも低コストで出来ると考えて導入しました。 ですが、「高気密」とは何を示してるのかが勉強していくうちにわからなくなってきました。 それは建設中の住宅の断熱を施主様の意向で下記のURLの断熱材の施工を行う事にしたためです。 セルロースファイバー「スーパージェットファイバー」 http://www.jet-npl.com/ ここでは透湿シートで住宅を覆い、住宅の中の湿度を放出して外に逃すという考えです。 「高気密」とは、 ①住宅内部の湿気を逃さない ②隙間が無い住宅 ③断熱欠損がない と解釈してましたが、この断熱工法は①が出来ないです。 ですかこのセルロースファイバーでの施工は「高気密」にならないのか、それとも通気をするが、隙間風と断熱欠損がない「気密」という考えなのか、わからなくなっています。 壁内で対流が起きて熱欠損を防止する「気流止め」も分からなくなり、このセルロースファイバーで壁内すべて断熱材で充填されていれば、対流も起きないと思います。 気密シート張りですと、土台と桁に乾燥木材でシート押さえが必要ですが、このセルロースファイバーですと気流止めとして土台・桁側の胴縁施工は必要でしょうか? もちろん、間仕切り壁の桐生止めは温度差で対流が起きるのはわかっております。ここはしっかり把握してます。 ドイツや北欧等の高気密・高断熱住宅ではシート貼りがしてるのか、それとも他の施工なのかも知りたいです。 施工業者に聞けと言われそうですが、他のご意見として聞きたく質問させていただきました。

高気密とは何か?その本質と誤解

「高気密」とは、簡単に言うと住宅内部と外部の空気の交換を最小限に抑えることです。 質問者様がおっしゃる「①住宅内部の湿気を逃さない ②隙間が無い住宅 ③断熱欠損がない」は、高気密の重要な効果ではありますが、その定義そのものではありません。 湿気は適切な換気によって管理する必要があり、高気密はあくまで隙間風や空気の漏れによる熱損失を防ぐことを目的としています。

高気密化によって得られるメリットは、以下の通りです。

  • 断熱性能の向上:隙間風による熱の逃げを防ぎ、冷暖房効率を大幅に向上させます。
  • 省エネルギー:冷暖房にかかるエネルギーコストを削減し、環境にも優しい住宅を実現します。
  • 快適性の向上:室温の安定、結露の抑制、騒音の低減など、快適な室内環境を保ちます。
  • 健康増進:室内の空気を清潔に保ち、アレルギーや呼吸器系の疾患のリスクを軽減します。

セルロースファイバーと気密シート、それぞれの特性と適切な施工

質問者様はセルロースファイバーを使用する断熱工法を採用されていますが、これは気密シートを用いた工法とは異なるアプローチです。

気密シートは、主にポリプロピレンなどの防水透湿シートを用いて、住宅全体を包み込むように施工することで、気密性を高めます。 隙間を完全に塞ぐことで、空気の漏れを最小限に抑える効果があります。

一方、セルロースファイバーは、吹き込み工法で壁体内を隙間なく充填することで断熱性を高めます。 セルロースファイバー自体は気密性を直接高めるものではありませんが、適切な施工により隙間を極力減らし、気密性の向上に貢献します。 透湿性があるため、湿気を外に逃がす機能も持ち合わせています。

セルロースファイバーでの高気密化

セルロースファイバーで高気密を実現するには、以下の点に注意が必要です。

  • 隙間をなくす施工:施工精度が非常に重要です。 隙間なく充填することで、空気の漏れを防ぎます。 経験豊富な施工業者を選ぶことが不可欠です。
  • 気密測定の実施:施工後には必ず気密測定を行い、気密性能を確認しましょう。 測定結果に基づいて、必要に応じて修正を行います。
  • 適切な気密層の確保:セルロースファイバーを充填する前に、気密層を形成する必要があります。 これは、気密テープや気密パッキンなどを用いて、壁の隙間を塞ぐ作業です。
  • 接合部の処理:特に土台や桁などの接合部は、隙間が生じやすい箇所です。 これらの箇所は、特に丁寧に施工する必要があります。 質問者様がおっしゃる通り、胴縁施工は気流止めとして有効です。

気流止めについて

壁体内での空気の対流(気流)は、熱損失の原因となります。 セルロースファイバーで壁全体を充填すれば、気流は抑制されますが、完全に防ぐことはできません。 特に、貫通部(配管など)や接合部では、気流が発生する可能性があります。 そのため、気流止め材を用いて、これらの箇所を適切に処理することが重要です。 胴縁施工も気流止めとして有効な手段です。

ドイツや北欧の高気密・高断熱住宅

ドイツや北欧諸国では、高気密・高断熱住宅が一般的です。 これらの地域では、気密シートを用いた工法が広く採用されていますが、セルロースファイバーなどの断熱材も使用されています。 重要なのは、気密性と断熱性を両立させることであり、使用する材料や工法は、それぞれの気候や住宅構造に合わせて最適なものを選択する必要があります。

まとめ

高気密住宅は、省エネルギー性や快適性、健康面において多くのメリットをもたらします。 セルロースファイバーを用いた断熱工法でも、適切な施工と気密測定を行うことで、高い気密性能を実現できます。 施工業者と綿密に相談し、最適な施工方法を選択することが重要です。 疑問点があれば、遠慮なく施工業者に質問し、納得のいくまで説明を受けるようにしましょう。 専門家の意見を聞きながら、快適で省エネな住まいを実現してください。

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