革製品にカビが生える原因

革製品は、天然素材である革を使用しているため、カビが生えやすい環境下ではカビが発生する可能性があります。未使用であっても、適切な保存状態が保たれていなければ、カビの発生を防ぐことはできません。カビの発生原因としては、以下の点が挙げられます。

• 湿度：カビの繁殖には湿度が大きく影響します。湿度が高い環境では、革に水分が吸収されやすく、カビが生えやすくなります。特に梅雨時期や、換気が不十分なクローゼット内は要注意です。
• 温度：温度もカビの繁殖に影響します。高温多湿の環境はカビにとって理想的な繁殖場所となります。直射日光の当たる場所や、暖房器具の近くは避けるべきです。
• 空気中のカビ胞子：空気中には常にカビの胞子が漂っています。これらの胞子が革製品に付着し、湿度や温度が適切であれば、発芽してカビが生えてきます。完全な無菌状態を保つことは不可能です。
• 革の種類と加工：革の種類や加工方法によってもカビの発生しやすさが異なります。例えば、通気性の悪い加工が施された革製品は、カビが生えやすい傾向があります。また、植物性タンニンなめしの革は、動物性タンニンなめしの革に比べてカビが生えやすいと言われています。

未使用の革ブーツやバッグにカビが生える可能性

質問者様の保存状態（布袋と不織布の袋に入れて、部屋やクローゼットに保管、クローゼットは定期的に換気）では、カビの発生リスクは低減できますが、完全に防ぐことはできません。

なぜなら、空気中には常にカビ胞子が存在し、完全な密閉状態ではない限り、胞子が侵入する可能性があるからです。また、クローゼットの換気頻度や、部屋の湿度によっては、カビが発生する可能性も否定できません。特に、梅雨時期や、湿度の高い地域では注意が必要です。

カビ対策：具体的な予防策

革製品のカビを防ぐためには、以下の対策を講じることが重要です。

1. 適切な保管場所の確保

• 通気性の良い場所に保管する：密閉された空間はカビの繁殖に最適な環境です。通気性の良い場所に保管し、湿気を溜めないようにしましょう。クローゼットを使用する場合は、定期的な換気が必須です。
• 直射日光を避ける：直射日光は革製品の劣化を促進し、カビの発生リスクを高めます。直射日光の当たらない場所に保管しましょう。
• 温度・湿度管理：温度と湿度を適切に管理することが重要です。湿度が高い場合は、除湿剤を使用するのも有効です。エアコンや除湿機を活用しましょう。

2. 防カビ剤・防虫剤の使用

• 防カビ剤：革製品専用の防カビ剤を使用することで、カビの発生を抑制することができます。市販の防カビ剤を使用する際は、革製品に使用できることを確認しましょう。
• 防虫剤：カビだけでなく、虫も革製品を傷めます。防虫剤を併用することで、より効果的な保護が期待できます。天然成分の防虫剤を選ぶと、革への影響も少なくなります。

3. 定期的な点検と清掃

• 定期的な点検：定期的に革製品の状態をチェックし、カビの発生がないかを確認しましょう。早期発見が、被害拡大を防ぐために重要です。
• 清掃方法：カビを発見した場合は、すぐに清掃しましょう。柔らかい布で優しく拭き取り、必要に応じて革製品専用のクリーナーを使用します。ひどい場合は専門業者に依頼しましょう。

4. シリカゲルなどの乾燥剤の使用

• 乾燥剤：シリカゲルなどの乾燥剤を一緒に保管することで、湿気を吸収し、カビの発生を抑制することができます。定期的に乾燥剤を交換しましょう。

専門家の視点：革製品の保存方法

革製品の修復やメンテナンスを専門とする職人によると、「革製品は通気性が重要です。密閉状態は避けてください。また、定期的なブラッシングでホコリを取り除くことで、カビの発生リスクを下げられます。」とのことです。

まとめ

未使用の革ブーツやバッグであっても、適切な保存状態を保たなければカビが発生する可能性があります。通気性のある場所に保管し、湿度や温度に注意しながら、定期的な点検と清掃を行うことで、カビの発生を防ぎ、長く革製品を愛用することができます。 上記の予防策を実践し、大切な革製品を守りましょう。