寒い冬、お部屋を暖かく保つためには、窓からの冷気対策が重要です。そこで今回は、和室の定番である障子と、洋室で広く使われているカーテン、それぞれの断熱効果を比較し、冬場に最適な窓辺の対策について詳しく解説します。 窓の種類(アルミサッシ、木製サッシなど)によっても効果は変わるため、それぞれの特性を踏まえながら、具体的な対策方法もご紹介します。
Contents
障子とカーテン、断熱性能の比較
結論から言うと、断熱性能においては、一般的にカーテンの方が障子よりも優れています。 これは、素材と構造の違いによるものです。
障子の断熱性
障子は、和紙を枠にはめた伝統的な窓です。和紙は通気性が高く、光を柔らかく拡散させる美しい素材ですが、断熱性に関しては低いと言えます。 空気の層がある程度断熱効果に寄与しますが、和紙自体が薄く、熱を伝えやすい性質を持っているため、外気の寒さを遮断する力は弱いです。特に、古い障子や破れのある障子は、断熱効果がさらに低下します。
- メリット:採光性が高い、和の雰囲気を演出できる、比較的安価
- デメリット:断熱性が低い、防音性が低い、耐久性が低い
カーテンの断熱性
カーテンは、様々な素材と厚みがあり、断熱性能も多様です。厚手の生地、特に遮光カーテンや断熱カーテンは、空気の層を多く含むことで優れた断熱効果を発揮します。 さらに、裏地にアルミ蒸着加工が施されたものや、特殊な素材を使用したカーテンは、より高い断熱性能を誇ります。 カーテンレールと窓枠の間の隙間を埋めることで、さらに断熱効果を高めることができます。
- メリット:断熱性が高い(素材による)、防音性が高い(素材による)、デザインのバリエーションが豊富
- デメリット:価格が高い場合がある、掃除がやや手間
冬場の暖房効率を高めるための具体的な対策
より効果的に部屋を暖かく保つためには、カーテンと障子それぞれの特性を理解し、適切な対策を組み合わせることが重要です。
障子を使用する場合の対策
障子の断熱性を高めるには、以下の方法が有効です。
- 内窓の設置:既存の障子の内側に、断熱効果の高い内窓を取り付けることで、空気層を作り、断熱性を大幅に向上させることができます。 費用はかかりますが、最も効果的な方法です。
- 断熱シートの貼り付け:窓ガラスの内側に断熱シートを貼ることで、空気層を作り、冷気の侵入を防ぎます。 比較的安価で手軽にできる対策です。
- 厚手のカーテンとの併用:障子の前に厚手のカーテンを掛けることで、二重の防寒対策となり、断熱効果を高めることができます。 特に、遮光カーテンや断熱カーテンがおすすめです。
- 隙間風対策:障子の隙間から冷気が侵入するのを防ぐために、隙間テープなどを活用しましょう。 ホームセンターなどで手軽に購入できます。
カーテンを使用する場合の対策
カーテンの効果を最大限に発揮させるためには、以下の点に注意しましょう。
- 断熱性の高いカーテンを選ぶ:厚手の生地、遮光性・断熱性が高い素材のカーテンを選びましょう。 素材には、ポリエステル、アクリル、綿などが使われています。 特に、裏地がアルミ蒸着加工されているものは断熱効果が高いです。
- カーテンの長さ:床に届く長さのカーテンを選ぶことで、床からの冷気の侵入を防ぎます。 また、窓枠よりも少し大きめのサイズを選ぶと、隙間風を防ぐことができます。
- カーテンレールと窓枠の隙間を埋める:カーテンレールと窓枠の間に隙間があると、そこから冷気が侵入します。 隙間テープや断熱材などを用いて隙間を埋めることで、断熱効果を高めることができます。
- ドレープカーテンとレースカーテンの併用:ドレープカーテンとレースカーテンを併用することで、断熱効果を高めつつ、採光も確保できます。
専門家の視点:建築士からのアドバイス
建築士の視点から見ると、断熱性能を高めるためには、窓そのものの性能も重要です。 アルミサッシは熱伝導率が高いため、木製サッシや樹脂サッシに交換することで、断熱性能を大幅に向上させることができます。 また、複層ガラス(ペアガラス)を使用することで、空気層による断熱効果を高めることができます。 これらのリフォームは費用がかかりますが、長期的な視点で見ると、暖房費の節約につながり、経済的にもメリットがあります。
まとめ:状況に応じた最適な選択を
障子とカーテン、どちらが暖かいかは、素材や状態、そして併用する対策によって大きく異なります。 断熱性能だけを重視するならカーテン、特に断熱カーテンが優れています。 しかし、和室の雰囲気を大切にしたい、予算を抑えたいなどの場合は、障子に断熱対策を施すことも有効です。 それぞれのメリット・デメリットを理解し、ご自身の状況に合わせた最適な選択を行いましょう。