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問題点:不適切な浮床構造と防音工事
ご質問の状況から、防音工事における浮床構造に深刻な問題があると推測されます。業者による説明「沈むし、きしむのはショック吸収」は、専門家の視点から見て全く正しくありません。むしろ、共振による音の増幅や遮音性能の低下を招いている可能性が高いです。
問題点は以下の通りです。
- 不適切な材料と施工方法:ロックウールを単純に重ね、合板を張るだけの方法は、適切な浮床構造とは言えません。適切な浮床構造には、バネ性のある材料(防振ゴムなど)と適切な空気層の確保が不可欠です。ロックウールだけでは、十分な防振効果が得られず、共振しやすい状態になっています。
- 床下補強の不足:既存の床下を補強せずに浮床構造を構築したことも問題です。下地が不安定なため、振動がより伝わりやすくなっています。
- 壁との接続:浮床構造の上に直接壁を建てたことで、床の振動が壁に伝わり、音漏れや共振を助長しています。浮床構造と壁の間には、防振材を挟むなどの工夫が必要でした。
- 換気口からの音漏れ:遮音測定で換気口からの音漏れが確認されていることから、換気口周りの気密性も不足している可能性があります。防音用の換気口への交換が必要です。
- 業者の対応:業者の対応は明らかに問題です。「全て保証します」とホームページに記載しながら、実際には保証を履行しないのは、契約違反に当たる可能性があります。
解決策:専門家への相談と再工事
現状では、業者への手直しは困難な状況と考えられます。そのため、以下の対策を検討することをお勧めします。
1. 専門家への相談
まず、建築音響の専門家に相談することを強くお勧めします。専門家は、現状の状況を正確に評価し、適切な解決策を提案してくれます。専門家を探す際には、大学の研究室や建築音響コンサルタント会社などに問い合わせてみてください。
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2. 再工事
専門家の診断に基づき、再工事を検討する必要があります。再工事では、以下の点を考慮する必要があります。
- 適切な浮床構造の構築:防振ゴムや防振材を用いた、適切な浮床構造を構築する必要があります。専門家の指導の下、適切な材料と施工方法を選択することが重要です。
- 床下補強:必要に応じて、床下補強を行う必要があります。既存の床の強度不足が原因であれば、補強することで振動の伝達を抑制できます。
- 壁との分離:壁と床の間に防振材を挿入することで、振動の伝達を抑制します。適切な防振材の選定と施工が重要です。
- 換気口の対策:防音用の換気口に交換することで、音漏れを防ぎます。
3. 証拠の確保
業者の対応に問題がある場合は、証拠をしっかり確保することが重要です。契約書、ホームページのスクリーンショット、メールのやり取り、遮音測定の結果などを保存しておきましょう。これらの証拠は、今後の交渉や訴訟に役立ちます。
4. 消費者センターへの相談
業者の対応に納得できない場合は、消費者センターに相談することもできます。消費者センターは、消費者の権利を守るための相談窓口として機能しており、適切なアドバイスや支援を受けることができます。
事例:適切な浮床構造の例
適切な浮床構造の一例として、以下のような方法があります。
- 防振ゴム:床と下地の間には、防振ゴムを敷設します。防振ゴムは、振動を吸収する効果があります。
- 遮音マット:防振ゴムの上に、遮音マットを敷設します。遮音マットは、音を遮断する効果があります。
- 二重床構造:床材を二重にすることで、振動の伝達を抑制します。
- 独立した枠組み:床材を独立した枠組みにすることで、振動の伝達を抑制します。
これらの材料や工法は、状況に応じて適切に選択する必要があります。専門家のアドバイスを参考に、最適な方法を選択しましょう。
まとめ:適切な防音工事で快適な空間を
今回のケースは、不適切な浮床構造と施工方法が原因で、防音効果が得られず、むしろ共振による騒音問題が発生していると考えられます。専門家への相談と再工事を検討し、適切な防音工事を行うことで、快適な生活空間を取り戻しましょう。業者とのトラブルについては、証拠をしっかり確保し、必要に応じて消費者センターなどに相談することをお勧めします。