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鉄筋コンクリート造マンションの建築工程
鉄筋コンクリート造マンションの建設は、複雑な工程を経て行われます。質問者様の疑問を解消するため、一般的な手順と壁の種類について詳しく解説します。単純な「柱→壁→床」という流れではなく、より複雑な工程が複数回繰り返されます。
基礎工事
まず、建物の基礎となる部分を作ります。地盤改良を行い、しっかりとした基礎を築くことが重要です。この段階では、まだ壁や柱はありません。
鉄筋コンクリート造の躯体工事
次に、建物の骨組みとなる鉄筋コンクリートの躯体を作ります。これは、型枠を設置し、そこに鉄筋を組み込み、コンクリートを流し込む作業を繰り返すことで行われます。この段階で、外壁や内壁となるコンクリートの壁、そして柱が一体的に作られていきます。 重要なのは、この段階で既に部屋の区画がコンクリート壁によって決定されることが多いということです。 柱を後から立てて部屋を仕切るという方法は、鉄骨造の建物で多く見られますが、鉄筋コンクリート造では比較的少ないです。
内装工事
躯体工事が完了したら、内装工事に入ります。この段階で、フローリング、クロス、設備機器などの設置が行われます。
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壁の種類と施工方法
質問者様がおっしゃるように、マンションの壁には様々な種類があります。
- コンクリート壁: 躯体工事で同時に作られる、最も頑丈な壁です。防音性、耐火性にも優れています。「厚壁」と呼ばれるのは、このコンクリート壁が両面に存在する場合を指します。
- ボード壁: コンクリート壁に石膏ボードなどの軽量な建材を貼り付けた壁です。コンクリート壁に比べてコストを抑えることができ、比較的簡単に施工できますが、防音性はコンクリート壁に劣ります。通常、柱と柱の間、もしくはコンクリート壁と柱の間に設置されます。
質問者様の画像にある黄色い線の部分は、多くの場合、石膏ボードなどのボード壁です。コンクリート壁の上に直接ボードを貼り付けているため、叩くと軽い音がします。フローリング下の床は、コンクリートスラブの上に、断熱材や防音材などを含む下地材が施工され、その上にフローリングが張られます。コンクリートが直接露出しているわけではありません。
階ごとの施工
マンションは階層構造のため、階ごとにこの工程を繰り返します。まず、下の階の床となるコンクリートスラブを打ち、その上に壁や柱を一体的に構築していきます。 そのため、質問者様の「まず柱を立てて…」という単純な手順は、鉄筋コンクリート造マンションにおいては当てはまりません。
「厚壁」の意味
「厚壁」は、壁の厚さそのものを指すのではなく、両面がコンクリート壁で構成されている壁を指します。ボード壁ではないため、防音性や断熱性に優れています。
防音性の高い部屋を作るには?
防音性を重視するなら、コンクリート壁で仕切られた部屋を選ぶことが重要です。賃貸マンションの場合、間取り図や物件説明をよく確認し、壁の種類を確認しましょう。
専門家の視点
建築士の視点から見ると、鉄筋コンクリート造マンションの壁の種類と配置は、設計段階で建物の構造やコスト、そして居住者の快適性を考慮して決定されます。防音性や耐火性を高めるためには、コンクリート壁の割合を増やすことが有効ですが、コストも増加します。そのため、バランスが重要になります。
まとめ
鉄筋コンクリート造マンションの建築は、基礎工事から内装工事まで、多くの工程を経て完成します。壁の種類もコンクリート壁とボード壁があり、防音性やコスト、施工性などを考慮して選択されます。「厚壁」は両面コンクリート壁のことであり、防音性に優れます。賃貸マンションを選ぶ際には、間取り図や物件説明をよく確認し、自分のニーズに合った部屋を選びましょう。