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鉄筋コンクリートマンションの内壁:コンクリートとパネル・ボードの違い
鉄筋コンクリートマンションの隣室を隔てる壁は、コンクリートそのものの場合と、コンクリートの上にパネルやボードを貼って仕上げている場合があります。質問者様がお気づきのように、壁を叩いた時の音の違いで判別できます。コンクリート直貼りの場合は硬く、鈍い音がしますが、パネルやボードが使用されている場合は、比較的軽く、コンコンという音がします。
コンクリート直貼りの場合
コンクリートに直接壁紙を貼る場合は、壁の厚みはコンクリートの厚みにほぼ等しくなります。一般的に、鉄筋コンクリート造のマンションでは、隣室間の壁の厚さは15cm~20cm程度が一般的です。この場合、遮音性能は比較的高いと言えます。ただし、コンクリートの質や施工方法によっても遮音性能は変化します。
パネル・ボードを使用した場合
パネルやボードを使用する場合は、コンクリート壁の上に、石膏ボードや、軽量気泡コンクリートなどのパネルを施工し、その上に壁紙を貼ります。この場合、コンクリート壁よりも壁の厚みは薄くなります。具体的には、パネルやボードの厚み分(数cm)薄くなります。
- 石膏ボード:軽量で加工性に優れ、コストパフォーマンスが良いことから、最も一般的な内装材です。厚みは9mmが一般的です。
- 軽量気泡コンクリート(ALC):軽量で断熱性・遮音性に優れています。厚みは数cmから数十cmと様々です。高遮音性を求める場合に使用されることが多いです。
- グラスウールなどの断熱材:パネルとパネルの間に断熱材を挟み込むことで、断熱性と遮音性を向上させることができます。
パネルやボードを使用することで、壁の厚みは薄くなりますが、必ずしも遮音性能が低いとは限りません。使用する素材や施工方法によって、遮音性能は大きく変わってきます。
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20cm以上のコンクリート壁にパネルを貼るケースと遮音性能
20cm以上の厚みのあるコンクリート壁に、さらにパネルを貼るケースは、特に高遮音性が求められる場合に存在します。例えば、防音室や音楽スタジオなどです。この場合、コンクリート壁自体が優れた遮音性を持ちますが、さらにパネルを追加することで、より高い遮音性能を実現できます。
しかし、単身者用の一般的なマンションにおいて、20cm以上のコンクリート壁にパネルを貼ることは、コスト面や施工の複雑さから、あまり一般的ではありません。
遮音性能の向上のための工夫
隣室からの騒音に悩まされる場合は、壁の厚みだけでなく、以下の点にも注意しましょう。
- 窓の防音性能:窓は音の侵入経路となりやすいので、防音性能の高い窓を選ぶことが重要です。
- ドアの防音性能:ドアも音の侵入経路となります。防音性能の高いドアを選ぶか、防音シールなどを活用しましょう。
- 床の防音性能:上階からの騒音対策として、床の防音性能も重要です。防音マットなどを敷くことで、騒音を軽減できます。
- 家具の配置:家具の配置によって、音の反射や吸収が変化します。騒音源から離れた場所に家具を配置することで、騒音を軽減できます。
専門家の視点:遮音設計のポイント
建築音響の専門家によると、遮音性能は壁の厚さだけでなく、材料の密度、空気層の有無、施工精度など、様々な要素に影響を受けます。単純に壁が厚ければ良いというわけではなく、適切な材料選定と施工が重要になります。
例えば、コンクリート壁に石膏ボードを貼る場合、ボードとコンクリートの間に空気層を設けることで、遮音性能を向上させることができます。また、ボードの接合部を適切に処理することで、音の伝達を抑制できます。
まとめ:物件選びの際に確認すべき点
物件を選ぶ際には、壁を叩いて音を確認するだけでなく、以下の点も確認しましょう。
- 間取り図:隣室との壁の厚さが記載されている場合があります。
- 建築図面:壁の構造や材料が記載されている場合があります。不動産会社に確認してみましょう。
- 過去の入居者からの情報:不動産会社や管理会社に、騒音に関する情報を問い合わせてみましょう。
遮音性能は、快適な生活を送る上で非常に重要な要素です。物件選びの際には、これらの点をしっかりと確認し、納得のいく物件を選びましょう。