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賃貸退去時の高額請求、その実態
3年間居住した賃貸ハイツからの退去時に、クリーニング代2万1千円に加え、タバコのヤニによるクロス張替え費用9万円とクーラー清掃費用12万円、合計23万1千円の請求を受けられたとのこと。これは非常に高額であり、疑問を感じられるのも当然です。 特に、入居時に「タバコを吸うのでクロス張替えなどのお金がかかるか」と質問し、「かからない」との回答を得ているにも関わらず、高額な請求が来たことは、大きな問題です。
高額請求の理由と法的根拠
賃貸借契約書や重要事項説明書をよく確認する必要があります。 多くの場合、原状回復義務に関する条項が記載されており、借主は「通常の使用の範囲を超える損耗」については負担する義務を負います。 しかし、「通常の使用の範囲」の解釈は曖昧な部分があり、裁判例も様々です。
タバコのヤニによる損害は「通常の使用の範囲を超える」か?
タバコのヤニによるクロスやクーラーの汚れは、一般的に「通常の使用の範囲を超える損耗」と判断されるケースが多いです。 ただし、喫煙場所を指定し、換気などを適切に行っていた場合、状況が異なってきます。 今回のケースでは、入居時にタバコを吸う旨を伝え、費用がかからないとの回答を得ている点を考慮する必要があります。
仲介業者の発言の責任
仲介業者の「かからない」という発言は、契約内容を誤解させる可能性があります。 この発言が、契約書の内容と食い違っていたり、事実と異なっていたりする場合、仲介業者にも責任がある可能性があります。
具体的な対処法
まずは、落ち着いて以下のステップで対応しましょう。
1. 賃貸借契約書と重要事項説明書の確認
契約書に、原状回復義務に関する条項、具体的にどのような損耗が借主負担となるか、などが記載されているかを確認します。 特に、タバコに関する記述がないか、注意深く読みましょう。 写真や図面があれば、それらも一緒に確認しましょう。
2. 仲介業者への問い合わせ
契約書の内容と、仲介業者の入居時の発言との矛盾点を指摘し、請求額の妥当性について問い合わせましょう。 書面で問い合わせることをお勧めします。 メールや手紙で、具体的な日付、時間、場所、発言内容などを明確に記載しましょう。 電話でのやり取りは記録に残りにくいため、書面でのやり取りが証拠として重要になります。
3. 写真や動画の証拠
退去時の部屋の状態を写真や動画で記録しておきましょう。 特に、ヤニの汚れの程度がわかるように撮影することが重要です。 入居時の状態の写真があれば、比較材料として役立ちます。
4. 専門家への相談
状況が複雑な場合、弁護士や不動産管理士などの専門家に相談することをお勧めします。 専門家は、契約書の内容を分析し、適切な対応策をアドバイスしてくれます。 法律相談窓口なども利用できます。
5. 請求額の交渉
専門家のアドバイスを踏まえ、仲介業者と請求額について交渉しましょう。 全額支払いを拒否するのではなく、妥当な金額を提示することで、交渉がスムーズに進む可能性があります。 例えば、クリーニング代のみを支払い、クロスやクーラーの修理費用については減額交渉を行うなど、具体的な提案をしましょう。
事例紹介:類似事例からの学び
過去の裁判例では、タバコのヤニによる汚れについて、借主の責任を軽減する判決が出ているケースもあります。 例えば、換気が適切に行われていた場合や、喫煙場所が指定されていた場合などです。 これらの事例を参考に、ご自身の状況と照らし合わせて、交渉に臨みましょう。
専門家の視点:弁護士からのアドバイス
弁護士の視点から見ると、入居時の仲介業者の発言は重要な証拠となります。 この発言を裏付ける証拠(例えば、メールのやり取りなど)があれば、請求額の減額または免除の可能性が高まります。 また、契約書に具体的な原状回復費用に関する規定がない場合、裁判になった場合でも、借主側の勝訴の可能性は高まります。
まとめ:冷静な対応と証拠集めが重要
高額な請求に動揺せず、冷静に対応することが大切です。 契約書や重要事項説明書をよく確認し、仲介業者に書面で問い合わせ、写真や動画などの証拠をしっかり確保しましょう。 必要であれば、専門家の力を借りることも検討してください。 ご自身の権利を守るためにも、適切な対応を心がけてください。