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入居時の状態とリフォーム費用の請求
ご質問ありがとうございます。賃貸物件の退去時に3万円のリフォーム費用を請求されたとのこと、そして入居時から物件の状態が悪かったとのこと、大変な状況ですね。まず、重要なのは契約書の内容と入居時の状態を証明する証拠です。
契約書に「通常の使用範囲内の損耗は貸主負担」と記載されているとのことですが、この「通常の使用範囲内」の定義が曖昧なため、トラブルになりやすい点です。 今回のケースでは、入居時から床に刷毛の毛が多数付着していたり、排水溝が真っ黒だったりと、明らかに通常の使用範囲を超えた状態だったと推測できます。
国土交通省のガイドライン(「賃貸住宅の原状回復をめぐるガイドライン」)では、借主は「通常の使用による損耗」を除き、原状回復義務を負うとされています。しかし、「通常の使用による損耗」の範囲は、個々の状況によって判断が異なります。今回のケースでは、入居時の状態が著しく悪かったため、リフォーム費用を全額負担する必要はない可能性が高いです。
入居時の状態を証明する証拠
重要なのは、入居時の状態を証明できる証拠です。写真や動画があれば、非常に有効な証拠となります。もし撮影していなくても、入居時に不動産会社に現状を報告した記録があれば、それを証拠として提示できます。メールやメモ、証言など、あらゆる証拠を集めましょう。
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専門家への相談
現状では、ご自身で判断し交渉するのは難しいかもしれません。弁護士や不動産会社に相談し、専門家の意見を聞くことを強くお勧めします。専門家は、契約書の内容、ガイドライン、そしてあなたが集めた証拠を総合的に判断し、最適な解決策を提案してくれます。
交渉方法と具体的なアドバイス
不動産会社に対しては、以下の点を明確に伝えましょう。
- 入居時の状態の悪さ:具体的に、床の刷毛の毛、排水溝の汚れ、網戸の汚れなどを写真や動画、記録とともに説明します。
- 契約書に記載された「通常の使用範囲内」の解釈:入居時の状態を考慮すると、今回の損耗は「通常の使用範囲内」とはみなせないことを主張します。
- 国土交通省のガイドライン:ガイドラインに基づき、リフォーム費用を全額負担する必要がないことを主張します。
- 具体的な金額の提示:リフォーム費用を全額負担するつもりがないことを明確に伝え、妥協できる金額を提示します。例えば、清掃費用のみ負担するなど、具体的な金額を提示することで交渉がスムーズに進みます。
- 専門家への相談:必要に応じて弁護士や不動産会社に相談していることを伝え、法的措置も辞さない姿勢を示すことで、相手側の対応が変わる可能性があります。
具体的な交渉例
「○○不動産様、先日は退去に関するご連絡ありがとうございました。しかし、入居時の物件の状態について、いくつかの懸念事項があります。契約書には『通常の使用範囲内の損耗は貸主負担』とありますが、入居時より床に刷毛の毛が多数付着しており、排水溝も著しく汚れていました。(写真・動画提示)。国土交通省のガイドラインを参考に、これらの状態は『通常の使用範囲内』とはみなせないと考えております。そのため、3万円のリフォーム費用は負担できないと考えています。清掃費用として○○円を負担する意思はありますが、それ以上の費用は請求できません。もしご納得いただけない場合は、弁護士に相談する予定です。」
原状回復に関する注意点
原状回復とは、建物を「入居時の状態」に戻すことではありません。「通常の使用による損耗を除き、現状を維持すること」です。 つまり、経年劣化による損耗は貸主が負担するべきです。
専門家の視点
弁護士や不動産会社などの専門家は、契約書の内容、ガイドライン、そして証拠を総合的に判断し、適切な解決策を提案してくれます。特に、証拠となる写真や動画は非常に重要です。
まとめ
今回のケースでは、入居時の物件の状態が著しく悪かったため、リフォーム費用を全額負担する必要はない可能性が高いです。しかし、交渉は難しい場合もありますので、専門家への相談をおすすめします。契約書、入居時の状態を証明する証拠、そして国土交通省のガイドラインを武器に、冷静かつ毅然とした態度で交渉を進めてください。