賃貸物件退去時の請求書トラブル:勝手に押された認印と法的責任

賃貸物件の引渡しの際(引越しで出て行くとき)、立会いのもと部屋の状態から、部屋の現状復帰のための請求金額を計算し印鑑を押しました。後日、会社に届いた請求書には、金額が訂正され、覚えのない自分の名前の認印が押されていました。ただの計算間違えの訂正だったのですが、勝手に、人の名前の認印を押すということが許せないです。こういう場合、訴えられたりするのでしょうか?

賃貸物件退去時の請求書と認印問題:何が問題なのか?

賃貸物件の退去時、現状回復費用に関する請求書に、勝手に認印が押されたというご相談ですね。これは非常に深刻な問題です。なぜなら、契約書や請求書への印鑑は、法的拘束力を持つ重要な証拠となるからです。勝手に押された印鑑であっても、それがあなたのものと認められてしまう可能性があるため、放置してはいけません。

今回のケースでは、金額の訂正という点で、悪意がない可能性も考えられます。しかし、「勝手に認印を押された」という事実は、重大な契約違反に当たる可能性があります。不動産会社側の行為が、民法上の不法行為や、契約違反に該当するかどうかを検討する必要があります。

勝手に認印を押された場合の法的リスク

勝手に認印を押されたことで、どのような法的リスクがあるのでしょうか?

1. 債務の発生

訂正後の請求書にあなたの認印が押されていれば、その金額を支払う義務を負う可能性があります。たとえあなたが訂正に同意していないとしても、裁判で「あなたの認印である」と認められてしまうと、支払いを求められることになります。

2. 偽造罪

不動産会社があなたの認印を偽造したと立証できれば、偽造罪として刑事告訴することも可能です。ただし、偽造を立証するには、証拠が必要になります。

3. 不法行為に基づく損害賠償請求

不動産会社が故意に、または過失によってあなたの認印を勝手に押したとすれば、不法行為に基づく損害賠償請求を行うことができます。この場合、精神的苦痛に対する慰謝料などを請求できる可能性があります。

具体的な対処法

では、このような状況に遭遇した場合、どのように対処すれば良いのでしょうか?

1. 証拠の確保

まず、証拠をしっかりと確保することが重要です。以下の証拠を集めましょう。

  • 元の請求書:金額が訂正される前の請求書のコピー
  • 訂正後の請求書:勝手に認印が押された請求書
  • 立会いの記録:もしあれば、立会いの際の記録(写真や動画など)
  • 認印の登録印影:あなたの認印の登録印影と、請求書に押された認印を比較するために
  • メールやLINEなどのやり取り:不動産会社とのやり取りの記録

2. 不動産会社への連絡

証拠を揃えた上で、不動産会社に連絡を取り、状況を説明しましょう。勝手に認印を押されたことへの抗議を行い、訂正後の請求書の無効を主張します。

3. 弁護士への相談

不動産会社との交渉がうまくいかない場合、または、法的措置を検討する場合は、弁護士に相談することをお勧めします。弁護士は、あなたの権利を保護し、適切な対応策をアドバイスしてくれます。

専門家の視点:弁護士からのアドバイス

弁護士に相談することで、以下の様なメリットがあります。

* 法的根拠に基づいた対応が可能:弁護士は法律の専門家なので、法的根拠に基づいて、適切な対応策を提案してくれます。
* 交渉のサポート:不動産会社との交渉をサポートし、有利な条件で解決を目指します。
* 訴訟への対応:必要に応じて、裁判などの法的措置をサポートします。

弁護士への相談は、早期に行うことが重要です。

予防策:賃貸契約時の注意点

このようなトラブルを未然に防ぐためには、賃貸契約時に以下の点に注意しましょう。

  • 契約書の内容をしっかり確認する:契約書の内容を丁寧に確認し、不明な点は必ず質問しましょう。
  • 現状回復義務について確認する:現状回復義務の範囲や費用負担について、事前に確認しておきましょう。
  • 立会いの際に写真や動画を撮影する:退去時の立会いの際には、部屋の状態を写真や動画で記録しておきましょう。
  • 請求書の内容を丁寧に確認する:請求書が届いたら、金額や内容を丁寧に確認し、不審な点があればすぐに不動産会社に連絡しましょう。

まとめ

賃貸物件の退去時における請求書トラブルは、思わぬ事態を招く可能性があります。今回のケースのように、勝手に認印を押された場合は、迅速かつ適切な対応が必要です。証拠を確保し、不動産会社に連絡を取り、必要に応じて弁護士に相談しましょう。そして、契約時には細心の注意を払い、トラブルを未然に防ぐことが大切です。

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