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賃貸契約における畳・襖の現状回復費用に関する正しい理解
まず、賃貸契約書に記載されている「入居の長短を問わず、畳の表替え、襖、障子、クロスの張替費用その他の破損の補修費用、清掃費用は貸借人の負担とし、敷金にて清算するものとする。」という特約条項について解説します。
この条項は、通常の使用による損耗を超える劣化・破損については、借主が費用を負担することを定めています。 重要なのは、「通常の使用による損耗」の範囲です。 経年劣化による畳や襖の痛みは、借主の負担とは限りません。 国土交通省のガイドラインでは、「借主の故意または過失によるもの」でない限り、借主の負担とはみなされないケースが多いとされています。
あなたのケースでは、15畳の畳と13枚の襖がある3Kの部屋に住んでおり、畳替え費用約6万円、襖替え費用約3.6万円、クリーニング費用約2.5万円と想定されています。合計約12.1万円の費用が発生する可能性があります。敷金が7万円であることを考えると、敷金だけでは賄いきれない可能性が高いです。
当初、「この条文はあやしいので…」とサインされたとのことですが、契約書に署名捺印した時点で、この特約条項に合意したとみなされます。 しかし、この特約条項が、国土交通省のガイドラインに沿っていない可能性があります。
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特約条項の有効性と国土交通省ガイドライン
国土交通省のガイドラインでは、現状回復費用は、「借主の故意または過失によるもの」に限られるとされています。 経年劣化による損耗は、通常、貸主の負担となります。 ただし、契約書に特約として明記されている場合は、その特約条項が有効となる可能性があります。しかし、極端に借主側に不利な特約条項は、無効とされる可能性も高いです。
あなたのケースでは、敷金7万円に対して、現状回復費用が12万円を超える可能性があるため、特約条項の有効性に疑問が残ります。 不動産会社は、契約時にこの点について十分な説明を行ったでしょうか? 説明が不十分だった場合は、特約条項の有効性に異議を唱える余地があります。
今後の対処方法
現状、口頭で以下の合意に達しているとのことです。
* ①畳は現状のまま
* ②襖は白系統の色で交換(業者自由)
* ③クリーニングは指定業者に依頼
この合意は、書面で確認することが重要です。 口頭での合意は、証拠として残りにくいため、トラブルの原因になりかねません。 不動産会社に、現状回復に関する内容を明確に記載した書面を作成するよう依頼しましょう。 その際、以下の点を必ず確認しましょう。
* 具体的な費用:畳、襖、クリーニングそれぞれの費用を明記させましょう。
* 費用の上限:敷金7万円を超える費用は負担しない旨を明記させましょう。
* 作業内容の範囲:どのような作業を行うのかを具体的に記載させましょう。
* 業者選定:襖の交換業者を自由に選択できることを確認しましょう。
専門家への相談も検討
もし、不動産会社との交渉が難航する場合は、弁護士や司法書士などの専門家への相談を検討しましょう。 専門家のアドバイスを受けることで、より適切な対応を取ることができます。 特に、敷金返還請求に関するトラブルは、専門家の知識が必要となるケースが多いです。
具体的な交渉例
不動産会社との交渉においては、以下の点を主張してみましょう。
* 国土交通省のガイドラインに基づき、通常の使用による損耗は貸主の負担であることを主張する。
* 敷金7万円を超える費用は負担できないことを明確に伝える。
* 書面での合意を強く求める。
* 必要に応じて、専門家への相談を検討していることを伝える。
交渉は、穏やかな態度で、証拠となる資料を提示しながら行うことが重要です。 感情的に対応すると、交渉が難航する可能性があります。
まとめ
賃貸契約における現状回復費用は、複雑な問題です。 契約書をよく読み、不明な点は必ず不動産会社に確認することが重要です。 また、トラブルが発生した場合は、早急に専門家への相談を検討しましょう。 今回のケースでは、書面による合意を得ることが、今後のトラブルを避けるために非常に重要です。 冷静に、そして毅然とした態度で交渉を進めてください。
 
							

 
				 
				 
				 
				 
				