賃貸物件の悪評動画投稿による損害賠償請求：グレーゾーンと対策

所有しております不動産に賃貸で入居しておられる方が、私が管理を任せている管理会社及び私の実名を出してネットで批判動画を次々と投稿しております。実名とは言いましたが、例えば私の名前がアベカズミだとするとマベカズミ管理会社がアース管理会社だとしたらmarth管理会社と表記してます。管理会社側のキャンペーンで「部屋の中を見ずに契約してくれた学生には仲介手数料無料にします。県外からの学生おまちしております。」というのをおこなっておりますが、それが学生を騙す行為だとして批判していて、動画には「●●県での部屋をお探しの方はこ注意！marth管理会社はこんなキャンペーンで学生を狙っています。入居してから問題があっても「中を確認せずに入居したお前が悪い」と言って対応してくれませんよ？気をつけてください！」という内容のものです。直接的には管理会社がこの入居者に対して訴える形となりますが、ここで質問なんです。損害賠償請求をこの動画によって企業イメージをおとしめられ営業を妨害されたことにより発生した損害を証明しないといけませんが、この証明の仕方は管理会社側も悩んでおり、なにか手は無いものかとおもってここで質問いたしました。どうかよろしくお願いいたします。補足この動画を送ってくるのは入居者です。その入居者本人のメールアドレスが記載されてますのでIPアドレスで本人を特定する必要はないですから、そのまま訴えることは可能ですよね？

Contents

1 賃貸物件におけるインターネット上の悪評と損害賠償請求
2 損害賠償請求の成否を左右する要素
3 具体的な対策とアドバイス
4 まとめ

賃貸物件におけるインターネット上の悪評と損害賠償請求

インターネット上に投稿された悪評による損害賠償請求は、勝訴が容易ではないグレーゾーンです。特に、今回のケースのように、氏名や会社名がわずかに改変されている場合、名誉毀損や業務妨害を立証するハードルは高くなります。しかし、全く不可能というわけではありません。損害賠償請求を検討する際には、以下の点を慎重に検討する必要があります。

損害賠償請求の成否を左右する要素

1. 名誉毀損・業務妨害の成立要件

名誉毀損罪や業務妨害罪が成立するためには、以下の要件を満たす必要があります。

不特定多数への公開：動画がYouTubeなどの不特定多数が閲覧可能なプラットフォームに公開されていること。
事実の虚偽性：動画の内容が事実と異なる、もしくは著しく真実を歪めていること。キャンペーンの内容自体は事実であっても、その効果や対応について不当に批判している場合は虚偽とみなせる可能性があります。
悪意：投稿者が悪意を持って動画を投稿したことが立証できること。単なる不満の表明ではなく、意図的に会社の評判を落とす目的があったことを示す必要があります。
損害の発生：動画投稿によって、管理会社に具体的な損害が発生していること。これは最も難しい部分です。

今回のケースでは、氏名や会社名が一部改変されているため、不特定多数への公開と悪意の立証は比較的容易かもしれません。しかし、事実の虚偽性と損害の発生の立証が最大の課題となります。

2. 損害の立証方法

損害賠償請求において最も重要なのは、動画投稿によって発生した具体的な損害を立証することです。これは、単なる「イメージダウン」や「営業妨害」といった抽象的な主張では不十分です。具体的な証拠として、以下の資料を収集・提出する必要があります。

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具体的な売上減少：動画投稿前後における賃貸契約件数や売上高の比較データ。統計的に有意な減少を示す必要があります。
問い合わせ減少：動画投稿前後における問い合わせ件数の比較データ。同様に、統計的に有意な減少を示す必要があります。
顧客からの苦情：動画投稿後に顧客から寄せられた苦情の内容と件数。
広告費の増加：イメージ回復のための広告宣伝費の増加額。
弁護士費用：今回の訴訟にかかる弁護士費用。

これらのデータは、動画投稿と損害発生との因果関係を明確に示す必要があります。単に動画が公開されたからといって、売上減少や問い合わせ減少が直接的に動画投稿によるものだと断定することはできません。他の要因（季節変動、競合他社の出現など）も考慮する必要があります。

3. 専門家の活用

損害賠償請求を検討する際には、弁護士や専門家への相談が不可欠です。弁護士は、証拠収集の方法や法的戦略についてアドバイスし、訴訟手続きをサポートします。また、マーケティングの専門家は、動画投稿によるブランドイメージへの影響を分析し、損害額の算定に役立つデータを提供できる可能性があります。

具体的な対策とアドバイス

証拠の収集と保存：動画のURL、投稿日時、閲覧数などを記録し、証拠として保存しましょう。また、売上データ、問い合わせデータなども定期的に記録し、保存しておくことが重要です。
法的措置の検討：弁護士に相談し、名誉毀損罪や業務妨害罪の成立要件を満たしているか、損害賠償請求の可能性を検討しましょう。訴訟に至る前に、内容証明郵便で動画の削除を要求するのも有効な手段です。
インターネット対策：SEO対策やリスティング広告などを活用し、ネガティブな情報を押し下げ、ポジティブな情報を上位表示させる対策を検討しましょう。専門業者に依頼することも有効です。
顧客対応の改善：今回の件を教訓に、顧客対応の改善を行い、同様のトラブルを予防しましょう。透明性のある情報公開や迅速な対応を心がけることが重要です。
キャンペーンの見直し：問題となったキャンペーンの内容を見直し、誤解を招かないように改善しましょう。学生をターゲットとしたキャンペーンは、特に注意が必要です。

まとめ

インターネット上の悪評による損害賠償請求は、勝訴が容易ではありませんが、適切な証拠と戦略があれば、成功の可能性はあります。専門家のアドバイスを受けながら、慎重に検討を進めることが重要です。今回のケースでは、損害の具体的な立証が最大の課題となるため、詳細なデータ収集と分析が不可欠です。また、将来的なトラブル防止のため、顧客対応の改善やキャンペーンの見直しも合わせて行うことをお勧めします。