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賃貸契約における不動産会社の責任と契約破棄
賃貸物件の入居前に、不動産会社が適切な確認を怠ったことで不具合が発覚し、契約破棄を検討されているとのこと、大変お困りのことと思います。結論から言うと、不動産会社の確認不足を理由に契約破棄を請求し、全額返金が認められる可能性は十分にあります。ただし、返金額や手続きには、いくつかの要素が関わってきます。
不動産会社の確認義務と責任
賃貸不動産取引において、不動産会社には入居前に物件の状態を確認する義務があります。これは宅地建物取引業法に基づくもので、物件の瑕疵(欠陥)を告知する責任も含まれます。今回のケースでは、掃除不足、風呂のドア故障、洗面台の水漏れといった不具合が、入居前に発見されなかったことが問題です。不動産会社は「住めなくはない」と主張していますが、これらの不具合は居住の快適性を著しく損なうものであり、入居前に適切な確認が行われていれば回避できた可能性が高いと言えるでしょう。
契約破棄と返金請求の手続き
契約破棄と返金請求を行うには、以下の手順を踏むことが重要です。
- 書面による契約解除通知:不動産会社に対して、不具合の内容、契約解除の意思、返金請求の金額を明確に記した内容証明郵便で通知します。この時、具体的な証拠(写真、動画など)を添付することが重要です。国民生活センターや弁護士に相談し、適切な内容を作成しましょう。
- 証拠の収集:不具合を発見した際の状況を写真や動画で記録しておきましょう。修理依頼の記録なども証拠となります。
- 専門家への相談:弁護士や宅地建物取引士などの専門家に相談し、法的観点からのアドバイスを受けることが重要です。彼らは契約書の内容や法律に基づいて、最適な解決策を提案してくれます。
- 交渉:不動産会社と直接交渉し、返金条件について話し合います。交渉がまとまらない場合は、裁判も視野に入れる必要があります。
返金される可能性のある費用
返金請求できる可能性のある費用には、以下のものがあります。
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- 礼金:契約解除に伴い、返還が認められる可能性が高いです。
- 敷金:物件の修繕費用を差し引いた残額が返還されます。今回の不具合は不動産会社の責任が大きいため、修繕費用が差し引かれる可能性は低いでしょう。
- 家賃:入居日から契約解除日までの家賃は、居住できなかった期間分については返還請求できます。今回のケースでは、10月1日から10月12日までの家賃が返還対象となる可能性があります。
- 仲介手数料:不動産会社の確認不足が原因で発生した損害であるため、返還請求できる可能性があります。
- 火災保険料:契約期間が短かった場合、日割り計算で返還される可能性があります。
契約書の控えの重要性
契約書の控えがないことは非常に不利です。不動産会社に控えの交付を請求しましょう。もし、交付を拒否された場合は、その事実も証拠として残しておきましょう。
専門家の視点:弁護士からのアドバイス
弁護士に相談した場合、以下のようなアドバイスが得られる可能性があります。
* 契約書の解釈:契約書に特約事項がないか、契約解除に関する条項がないかを確認します。
* 宅地建物取引業法の適用:不動産会社の確認義務違反を指摘し、法的根拠に基づいた主張を行います。
* 損害賠償請求:精神的苦痛などに対する損害賠償請求の可能性も検討します。
* 交渉戦略:不動産会社との交渉における戦略を立案します。
* 裁判手続き:交渉が不調に終わった場合、裁判手続きについてアドバイスします。
具体的な解決策とアドバイス
まず、速やかに弁護士に相談することをお勧めします。弁護士は法的観点から状況を分析し、最適な解決策を提案してくれます。また、国民生活センターへの相談も継続して行いましょう。
次に、不動産会社との交渉記録を詳細に記録しておきましょう。日付、時間、担当者、会話の内容、合意事項などを明確に記録することで、後々の証拠として役立ちます。
そして、契約解除通知は内容証明郵便で送付しましょう。これは、確実に相手に届いたことを証明する上で非常に重要です。
最後に、諦めずに粘り強く交渉することが大切です。不動産会社は、裁判沙汰になることを避けたいと考えている場合が多いです。しかし、交渉が不調に終わった場合は、裁判も視野に入れ、法的措置を取ることを検討しましょう。
まとめ
賃貸物件の不具合による契約破棄と全額返金請求は、状況証拠と適切な手続きによって実現する可能性があります。専門家への相談を早期に行い、証拠をしっかり固めて交渉を進めることが重要です。焦らず、冷静に、そして毅然とした態度で対応しましょう。