リフォーム済み賃貸物件の魅力と潜在的なリスク

近年、賃貸物件において「リフォーム済み」物件は人気が高まっています。築年数の古い物件でも、リフォームによって清潔感や機能性が向上し、快適な居住空間が提供されるからです。しかし、見た目だけを重視した安易なリフォームでは、後々問題が発生する可能性も。 魅力的な表面の下に潜むデメリットを理解し、賢い選択をするために、この記事ではリフォーム済み物件のメリットとデメリットを詳しく解説します。

リフォーム済み物件のメリット

まず、リフォーム済み物件のメリットを整理しましょう。

• 清潔感と快適性の向上：古くなった設備や内装を交換することで、清潔で快適な住空間が実現します。特にキッチンや浴室といった水回り設備は、新品に交換されていることが多いので、衛生面も安心です。新しい設備は機能性も向上しているため、使い勝手も良くなります。
• デザイン性の向上：リフォームによって、お部屋のデザイン性が向上することもあります。最新のトレンドを取り入れたデザインや、個性的で魅力的な空間が提供されるケースも少なくありません。好みやライフスタイルに合ったデザインの物件を見つけやすくなります。
• 機能性の向上：収納スペースの増設や、洗濯機置き場の設置など、機能性が向上しているケースも多いです。生活動線がスムーズになったり、収納力がアップしたりすることで、より快適な生活を送ることができます。
• 初期費用を抑えられる可能性：自分でリフォームするよりも、初期費用を抑えられる可能性があります。特に、大規模なリフォームが必要な場合、費用対効果が高いと言えるでしょう。

リフォーム済み物件のデメリットとその対策

一方で、リフォーム済み物件には、注意すべきデメリットも存在します。

1. 見えない部分の劣化

• 表面的なリフォーム：リフォームは目に見える部分に集中し、建物の基礎部分や配管などの見えない部分の劣化は放置されている可能性があります。特に築年数の古い物件では、躯体の老朽化やシロアリ被害などが隠れている可能性も考えられます。雨漏りや断熱性の悪さなども、リフォームでは改善されていないケースがあります。
• 安価な資材の使用：コスト削減のために、安価な資材が使われている可能性があります。そのため、耐久性や耐震性に問題がある場合もあります。リフォーム後すぐに不具合が発生するケースも稀ではありません。

対策：物件の内覧時に、建物の基礎部分や配管、壁の内部などを丁寧に確認しましょう。専門家に見てもらうのも有効です。また、契約前にリフォームに使用された資材について、大家さんや不動産会社に確認することをお勧めします。

2. 収納スペースの減少

質問者様も指摘されているように、収納スペースが狭くなっているケースがあります。洗濯機置き場を確保するために、収納を犠牲にしている物件も少なくありません。

対策：収納スペースの広さや使い勝手を、内覧時にしっかりと確認しましょう。収納家具の配置シミュレーションを行い、自分の荷物が収納できるかどうかを判断することが重要です。

3. リノベーションの質

リフォームの質によって、快適性や耐久性に大きな差が出ます。安価なリフォームは、すぐに不具合が発生したり、デザインが古臭く感じられたりする可能性があります。

対策：リフォームの内容を詳細に確認し、使用されている資材や施工方法について、大家さんや不動産会社に質問しましょう。写真や資料で確認することも有効です。可能であれば、過去の入居者からの口コミを確認するのも良いでしょう。

4. リフォーム時期と築年数

リフォーム時期と築年数のバランスも重要です。築年数が古すぎるのに、リフォームが最近行われた物件は、他の部分の劣化が進んでいて、リフォームが表面的な修繕に留まっている可能性があります。

対策：築年数とリフォーム時期のバランスを考慮し、物件全体の状況を総合的に判断しましょう。築年数が古い物件は、専門家に見てもらうことを強くお勧めします。

専門家の視点：建築士からのアドバイス

建築士の視点から見ると、リフォーム済み物件を選ぶ際には、以下の点に注意が必要です。

* 設備機器のメーカーと保証期間の確認：キッチンや浴室などの設備機器のメーカーと保証期間を確認し、信頼できるメーカーの製品が使われているかを確認しましょう。
* 断熱性能の確認：特に古い物件では断熱性能が低い場合があります。窓の種類や断熱材の種類などを確認し、冬場の寒さ対策や夏場の暑さ対策が十分かどうかを判断しましょう。
* 耐震性能の確認：耐震性能が十分かどうかを確認しましょう。特に古い物件では、耐震補強工事が行われているかどうかを確認することが重要です。

後悔しないためのチェックリスト

リフォーム済み物件を選ぶ際に、後悔しないために以下のチェックリストを活用しましょう。

• 物件全体の築年数とリフォーム時期を確認する
• リフォームの内容を詳細に確認する（写真や資料で確認する）
• 使用されている資材を確認する
• 収納スペースの広さと使い勝手を確認する
• 水回り設備の状況を確認する（水漏れや異音がないかなど）
• 窓や壁の断熱性能を確認する
• 日当たりや通風を確認する
• 周辺環境を確認する
• 専門家に見てもらう（必要に応じて）

まとめ

リフォーム済み物件は魅力的な反面、リスクも存在します。表面的な美しさだけでなく、建物の状態やリフォームの質をしっかりと確認することが大切です。この記事で紹介したポイントを参考に、後悔しない物件選びをしてください。