賃貸契約における申込金と手付金:トラブル回避と権利保護

賃貸契約について。申込金から手付金に変わってしまいました。先日、気に入った賃貸がありました。でもその日に契約するつもりはなかったので、仲介業者の担当者から「とりあえず申込金だけ先にお支払い頂けませんか?」と言われ、申込金はキャンセルした場合でも戻ってくるものだという知識があったので支払ってしまいました。その時に「お預かり証」を頂いたのですが、帰ってからよく見ると小さい文字で「この預かり金は貸主が受領した時に手付金として取り扱います。その場合この手付金はお返し致しません。尚、貸主が受領しない場合はこのままお返し致します。このお預かり証は、領収書の発行をもって無効となります」とあり、疑問に思ったのでネットで調べてみたところ『申込金として払っても大家さんが入居を了承した時点で手付金に変ってしまうもの』らしいです。大家さんは私の入居はすぐに了承し、契約書も送られてきました。その部屋は気に入っていたのですが、他にも似た様な部屋は沢山ありますし、この担当者が重要な事を説明しなかったり隠そうとしたりすることが他にいくつもあったので、不信感がつのり契約をキャンセルしたく思います。今まで賃貸を契約した事は2回程あるので、申込金や手付金という存在は知っていましたし、約束の期限が過ぎると申込金が手付金に変ってしまう場合もある事は知っていましたが、大家さんが「入居していいよ」と言っただけで申込金が手付金に変ってしまうものがあるなんて知りませんでした。説明して頂ければ支払いはしなかったのに、やり方が騙し討ちの様です。質問は以下の2点です。①上記の場合、この申込金(手付金)を取り戻す方法はないのでしょうか?②『このお預かり証は、領収書の発行をもって無効となります』とあるからには、領収証を受け取らなければ申込金として戻ってくる、なんてことはありまんよね?(都合のいい解釈でしょうか…)③私は7万円を支払ったのですが、この『手付金に変る申込金』の金額の上限はあるのでしょうか?詳しい方に教えて頂ければ幸いです。どうぞ宜しくお願い致します。

賃貸契約における申込金と手付金のしくみ

賃貸契約において、申込金と手付金は明確に区別されるべき重要な概念です。申込金は、物件の申込みを行う際に支払うお金で、契約が成立しない場合は返還されるのが一般的です。一方、手付金は、契約成立の意思表示として支払われるもので、契約が成立すれば、敷金の一部として扱われ、契約が不成立になった場合は、原則として返還されません。

今回のケースでは、申込金として支払われた金額が、大家さんの承諾と同時に手付金へと変更されたと解釈できます。これは、お預かり証に記載されている「貸主が受領した時に手付金として取り扱います」という条項が根拠となります。 しかし、仲介業者の担当者による説明不足は問題です。重要な契約条項を隠蔽したり、不正確な説明をする行為は、宅地建物取引業法に抵触する可能性があります。

① 申込金(手付金)を取り戻す方法はあるのか?

残念ながら、大家さんが入居を承諾し、契約書が送付された段階で手付金に切り替わってしまった場合、取り戻すのは非常に困難です。 手付金は、契約成立の意思表示としての性質が強く、法律上、返還請求が認められないケースがほとんどです。 ただし、以下の例外的なケースでは可能性があります。

* 仲介業者の説明義務違反: 仲介業者が重要な契約条項を説明しなかった、もしくは誤った説明をしたことが証明できれば、契約の無効を主張できる可能性があります。この場合、弁護士に相談し、法的措置を検討する必要があります。 契約書に不備があったり、重要な事項が記載されていない場合も、この可能性が高まります。 契約書をよく確認し、不審な点があればすぐに専門家に相談しましょう。
* 詐欺や強迫: 仲介業者から詐欺や強迫行為を受けて契約を結ばされたと証明できれば、契約を無効にすることができます。 これは非常に高いハードルですが、証拠をしっかりと集めることが重要です。
* 重大な瑕疵: 物件に重大な瑕疵(欠陥)があり、契約時にそれが告知されていなかった場合、契約解除が可能となる場合があります。

② 領収書と申込金の返還

「このお預かり証は、領収書の発行をもって無効となります」という記述は、領収書を受け取れば、お預かり証は無効となり、手付金が支払われたことを証明する証拠となることを意味します。領収書を受け取らないことで申込金が戻ってくるという解釈は、法律上認められません。 これは都合の良い解釈ではなく、契約書や領収書などの法的文書は、その通りの解釈がなされます。

③ 手付金の金額の上限はあるのか?

手付金の金額の上限は、法律で明確に定められていません。 しかし、一般的には、賃料の1ヶ月分程度が目安とされています。今回の7万円という金額が妥当かどうかは、物件の賃料や地域相場などを考慮する必要があります。 もし、相場から大きく逸脱した高額な手付金を要求された場合は、不当な契約である可能性があります。

トラブルを防ぐための具体的な対策

* 契約前にしっかりと確認する: 契約書の内容を隅々まで確認し、不明な点があれば担当者に質問しましょう。特に、申込金、手付金に関する条項は、重要事項説明を受ける前に確認することが大切です。
* 複数の不動産会社に相談する: 複数の不動産会社に相談することで、物件の相場や契約条件を比較検討し、より良い条件で契約を進めることができます。
* 専門家に相談する: 契約内容に不安がある場合は、弁護士や不動産会社に相談しましょう。専門家のアドバイスを受けることで、トラブルを未然に防ぐことができます。
* 契約書を大切に保管する: 契約書は、トラブル発生時の重要な証拠となります。大切に保管しましょう。

専門家の視点:弁護士からのアドバイス

弁護士の視点から見ると、今回のケースは、仲介業者の説明義務違反が疑われます。 重要事項を説明せずに、申込金を手付金に切り替える行為は、消費者の権利を侵害する可能性があります。 もし、契約をキャンセルしたいのであれば、弁護士に相談し、法的措置を検討することをお勧めします。 証拠となる資料(お預かり証、メールのやり取り、契約書など)をしっかりと保管しておきましょう。

まとめ

賃貸契約における申込金と手付金は、その性質が大きく異なるため、契約前にしっかりと理解しておくことが重要です。 今回のケースのように、トラブルに巻き込まれないためには、契約前にしっかりと確認し、不明な点は専門家に相談することが大切です。 契約は、人生における大きな決断です。 後悔しないよう、慎重に進めましょう。

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