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賃貸契約における懸念点と具体的な対処法
賃貸契約は、重要な契約です。不安な点を放置せず、しっかりと解決することが大切です。今回のケースでは、床の剥がれ、鍵交換、エアコン、敷金、更新料など、複数の問題点が指摘されています。一つずつ、具体的な解決策を検討していきましょう。
1. 床の剥がれ
7cm四方のフローリングの剥がれは、安全上の問題にも繋がりかねません。内見時に指摘済みにも関わらず「直せない」との回答は、不十分です。
* **具体的な対応策:**
* **写真・動画の撮影:** 剥がれている箇所の状況を写真や動画で記録しましょう。証拠として重要になります。
* **書面での再交渉:** 「安全上の問題」と「今後の剥がれの拡大の可能性」を明確に伝え、修理または補修を改めて強く要求する文書を作成し、業者に送付しましょう。内容証明郵便を利用すると、証拠としてより有効です。
* **専門家の意見:** 必要であれば、不動産鑑定士などに現状を評価してもらい、その意見を交渉材料として利用しましょう。
* **契約不成立も視野に:** 修理に応じない場合は、契約を白紙に戻すことも検討しましょう。
2. 鍵交換
鍵交換は、入居者の安全・安心を確保するために非常に重要です。前入居者の鍵を持っている可能性があるため、交換を拒否されるのは不当です。
* **具体的な対応策:**
* **安全性の強調:** 防犯上の懸念を明確に伝え、鍵交換の必要性を訴えましょう。「管理業務に支障」という理由が、入居者の安全よりも優先されるべきではありません。
* **費用負担の提示:** 業者に鍵交換費用を負担する意思を示すことで、交渉をスムーズに進めることができます。
* **契約条項の確認:** 契約書に鍵交換に関する条項がないか、確認しましょう。
3. エアコン
10年以上使用しているエアコンは、故障や安全面のリスクがあります。残置物とはいえ、入居者が安心して生活できる環境を整えるのは家主の責任です。
* **具体的な対応策:**
* **代替案の提示:** エアコンの交換を希望する旨を伝え、交換できない場合は、少なくとも取り外しと処分費用を負担してもらうよう交渉しましょう。
* **代替エアコンの使用と費用負担:** 業者から提示された「退去時に元に戻す」という条件を受け入れるとしても、代替エアコンの購入費用は家主が負担するのが妥当です。その旨を交渉しましょう。
* **専門家の意見:** エアコンの専門家に点検を依頼し、安全性の問題点を指摘してもらうのも有効です。
4. 敷金
ハウスクリーニング代は、多くの場合、家主負担です。「東京における住宅の賃貸借に係る紛争の防止に関する条例第2条」にもある通りです。
* **具体的な対応策:**
* **条例を提示:** 契約書に記載されているハウスクリーニング代負担の条項について、条例に反する旨を明確に伝え、撤回を要求しましょう。
* **指定業者への不安:** 指定業者への不安を伝え、クリーニング費用が適正価格であることを確認するよう要求しましょう。複数の業者に見積もりを取ってもらうことを提案しましょう。
* **都庁への相談:** 都庁への相談を既に予定されているとのことですので、相談結果を業者に伝え、交渉に臨みましょう。
5. 更新料
当初の話と異なる更新料(1ヶ月→1.5ヶ月)は、契約書に明記されていても、交渉の余地があります。
* **具体的な対応策:**
* **当初の合意を主張:** 当初の合意内容を明確に伝え、更新料の変更について交渉しましょう。
* **書面での確認:** 当初の合意内容が書面に残っている場合は、それを提示しましょう。
6. その他(名前の漢字間違いなど)
些細なミスでも、契約書の内容に不備があることは信頼性を損ないます。
* **具体的な対応策:**
* **修正を要求:** 間違いを指摘し、修正を要求しましょう。
7. 業者との交渉
業者との交渉は、冷静かつ丁寧に進めることが重要です。
* **具体的な対応策:**
* **書面でのやり取り:** 重要な事項は、書面でやり取りしましょう。メールや内容証明郵便を利用することで、証拠を残すことができます。
* **記録の保持:** 交渉の内容は、記録として残しておきましょう。
* **第三者の介入:** 交渉が難航する場合は、弁護士や不動産会社などに相談しましょう。
まとめ
賃貸契約は、長期にわたる重要な契約です。少しでも不安な点があれば、放置せず、積極的に解決策を模索することが大切です。今回のケースのように、複数の問題点が重なっている場合は、専門家への相談も検討しましょう。冷静に、そして粘り強く交渉することで、納得のいく契約を結ぶことができるはずです。