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賃貸マンション退去時の修繕費用について
賃貸マンションを退去する際に、修繕費用を請求されるかどうかは、損耗の程度や原因によって異なります。ご質問にある壁の傷(ペットによるもの)とカビ(結露によるもの)については、それぞれ検討する必要があります。9年という居住期間と敷金の額も考慮し、具体的な対応策を解説します。
ペットによる壁の傷について
ペットが壁を傷つけた場合、通常は借主が修繕費用を負担することになります。賃貸契約書に「ペット飼育可」と記載されていても、ペットによる損傷は借主の責任となるケースが一般的です。ただし、損傷の程度が重要です。
- 軽微な傷:小さな剥がれや擦り傷程度であれば、現状回復義務の範囲内とみなされず、敷金から差し引かれる可能性は低いでしょう。ただし、賃貸契約書に具体的な規定がある場合は、それに従う必要があります。
- 大きな傷:クロスが大きく剥がれていたり、下地まで損傷している場合は、修繕費用を請求される可能性が高いです。この場合、修繕費用は、クロス張替え費用、下地処理費用などが含まれます。費用は、部屋の広さや損傷の程度によって大きく変動します。数万円から数十万円かかるケースもあります。
ご質問の「三ヶ所」という記述だけでは判断できませんが、写真や動画で状況を記録し、管理会社に事前に相談することをお勧めします。早期に相談することで、交渉の余地も生まれます。例えば、ご自身で補修を試みることで費用を軽減できる可能性もあります。ホームセンターなどで売られている補修材を用いて、目立たないように修復を試みるのも一つの方法です。ただし、不器用な場合はかえって悪化させる可能性もあるので注意が必要です。
結露によるカビについて
結露によるカビは、居住者の管理状況にも依存するため、修繕費用負担の判断が複雑になります。
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- 適切な換気と除湿:定期的な換気や除湿を行っていたにもかかわらず、発生したカビであれば、借主の責任は軽くなる可能性があります。写真や動画で、換気扇の設置状況や窓の開閉状況などを記録しておくと有利です。
- 不適切な管理:換気や除湿を怠っていたことが原因でカビが発生した場合、借主が修繕費用を負担する可能性が高いです。この場合、カビの除去費用だけでなく、クロス張替え費用なども請求される可能性があります。
結露は、窓の断熱性能や建物の構造にも影響されます。新築から9年経過していることを考慮すると、建物の老朽化による結露も考えられます。管理会社に相談し、建物の状態についても確認しておきましょう。専門業者に見てもらうことで、結露の原因究明と適切な対応策を提案してもらうことも可能です。
敷金精算と交渉
敷金17万4千円は、修繕費用を差し引いた後に返還されます。修繕費用が敷金を超えることは通常ありません。しかし、大きな損傷がある場合は、差額を請求される可能性もゼロではありません。
- 明細書の確認:退去時の精算では、必ず修繕費用の明細書を確認しましょう。不明な点があれば、管理会社に質問し、納得いくまで説明を求めましょう。
- 交渉:修繕費用が高額だと感じた場合は、管理会社と交渉してみましょう。状況を説明し、費用を軽減できる可能性を探ります。写真や動画などの証拠を提示することで、交渉を有利に進めることができます。
- 専門家への相談:どうしても納得できない場合は、弁護士や不動産会社などに相談することを検討しましょう。
具体的なアドバイス
1. **写真・動画の撮影:** 壁の傷やカビの状態を写真や動画で記録しましょう。複数枚撮影し、損傷の程度がわかるように撮影することが重要です。
2. **管理会社への早期連絡:** 退去予定日の1ヶ月前までに、管理会社に状況を伝え、修繕に関する相談を行いましょう。
3. **専門家への相談(任意):** 損傷が大きく、費用が高額になりそうな場合は、不動産会社や弁護士に相談することを検討しましょう。
4. **可能な範囲での自主補修:** 軽微な傷であれば、ホームセンターで売られている補修材を使って、ご自身で補修を試みるのも良いでしょう。ただし、不器用な場合は逆に悪化させる可能性があるので注意が必要です。
5. **賃貸契約書の確認:** 契約書に、ペット飼育に関する規定や修繕に関する規定がないか確認しましょう。
6. **交渉の記録:** 管理会社とのやり取りは、メールや書面で行い、記録を残しておきましょう。
専門家の視点
不動産管理会社に長年携わってきた経験から言えることは、早期の連絡と丁寧な対応が重要です。管理会社も、借主との良好な関係を維持したいと考えています。問題点を隠さず、誠実に対応することで、交渉がスムーズに進み、納得のいく解決に繋がる可能性が高まります。