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内見できない賃貸物件への申込:リスクと対策
内見できない状態で賃貸マンションに申し込むことは、確かにリスクを伴います。しかし、必ずしも「怪しい」わけではありません。 入居可能日が1ヶ月後など、空室予定の物件で内見不可となるケースは、いくつか理由が考えられます。 本記事では、その理由、リスク、そしてキャンセル可能性について、不動産のプロの視点から解説します。
内見不可物件の理由
内見不可となる主な理由は以下の通りです。
- リフォーム中:物件のリノベーションや修繕工事中で、内見ができない状態です。この場合、工事完了後の状態を保証する契約内容になっていることが一般的です。完成予想図や、同じタイプの既にリフォーム済みの部屋を見学させてもらえるケースが多いです。
- 入居者退去直後:前の入居者が退去したばかりで、清掃や修繕などが完了していない状態です。この場合も、完了後の状態を保証する契約内容になっていることが多く、同様のタイプの部屋を見学できる可能性があります。
- 遠隔地物件:管理会社が遠方にあり、内見に時間がかかる場合など、物理的な制約から内見が難しいケースがあります。写真や動画による詳細な説明、オンライン内見などが提供される可能性があります。
- 複数応募対策:人気物件の場合、内見前に申し込みを受け付けることで、確実に契約を確保しようとする戦略の場合もあります。この場合は、キャンセル規定が厳しく設定されている可能性が高いです。
やましい事情の可能性は?
もちろん、全てのケースが正当な理由によるわけではありません。 重大な瑕疵(かし)を隠蔽するために内見をさせないケースも、残念ながら存在します。 しかし、そのようなケースは少数派です。 内見不可物件を怪しいと決めつけるのではなく、以下の点を注意深く確認することが重要です。
内見不可物件申込時の注意点
- 契約書の内容を徹底的に確認する:特に、キャンセル規定、瑕疵担保責任(物件の欠陥に対する責任)、修繕義務などについて、細部まで確認し、不明な点は必ず質問しましょう。専門家に相談することも有効です。
- 同じタイプの部屋や共有部分の内見を必ず行う:物件の築年数、設備、内装の質などを確認しましょう。 同じタイプの部屋がない場合は、類似物件やモデルルームを見学させてもらうことを検討しましょう。
- 写真や動画資料を十分に確認する:物件の状況を把握するために、可能な限り多くの写真や動画資料を確認しましょう。 特に、気になる箇所は拡大して確認し、不明な点は管理会社に問い合わせましょう。
- 契約前に専門家への相談:弁護士や不動産会社に相談し、契約内容に問題がないかを確認してもらうことをお勧めします。特に、キャンセル規定が厳しすぎる場合や、不明瞭な点がある場合は、専門家の意見を聞きましょう。
- クーリングオフ制度の確認:契約締結後、一定期間内であれば契約を解除できるクーリングオフ制度が適用される場合があります。しかし、賃貸借契約にはクーリングオフは適用されないケースが一般的です。契約前に必ず確認しましょう。
内見後のキャンセル可能性
契約前に内見できない状態で申し込みを行い、契約を締結した場合、内見後にキャンセルできるかどうかは、契約書の内容に依存します。
契約締結前
契約書に署名・捺印する前に、重大な瑕疵を発見した場合、契約をキャンセルできる可能性が高いです。ただし、契約書に「内見後のキャンセル不可」と明記されている場合は、キャンセルできない可能性があります。
契約締結後
契約締結後に重大な瑕疵を発見した場合でも、契約を解除できる可能性はありますが、それは契約書の内容、瑕疵の程度、そして相手方の対応によって大きく左右されます。 契約書に瑕疵担保責任に関する条項が明記されている場合、その条項に基づいて契約解除や修繕を求めることができます。
重大な瑕疵とは?
重大な瑕疵とは、例えば、雨漏り、シロアリ被害、構造上の欠陥など、居住に支障をきたすような深刻な問題です。 小さな傷や汚れなどは、通常は重大な瑕疵とはみなされません。
専門家のアドバイス
不動産会社に勤務する経験豊富な専門家は次のように述べています。「内見できない物件への申し込みはリスクが高いですが、必ずしも避けるべきではありません。重要なのは、契約書の内容をしっかりと理解し、リスクを最小限に抑えるための対策を講じることです。専門家への相談を積極的に活用し、不安な点があれば解消してから契約するようにしましょう。」
まとめ
内見できない状態で賃貸マンションに申し込むことは、リスクを伴いますが、必ずしも避けるべきではありません。 契約前にしっかりと情報を集め、契約書の内容を理解し、専門家のアドバイスを受けることで、リスクを軽減することができます。 「怪しい」と決めつけるのではなく、冷静に判断し、適切な対応を取るようにしましょう。