賃貸マンションの雨漏りによるカビ被害と大家の責任:法的観点からの解決策

賃貸物件の雨漏りによるカビ 当方現在賃貸マンションに住んでおります。 昨年10月にお隣さんから『雨漏りはしてないか?』と突然言われました。 そのような事はなかったので、うちは大丈夫ですと返答。 その後、11月末にマンションの防水工事が始まりました。 そして工事が始まり間もなく、上のお宅から『押入れがカビだらけ。お宅は大丈夫?』と。 確認すると天袋、押入れの壁がカビだらけでした。 天袋に入っていた物は全滅です。 日に日にヒドクなり、最近は部屋もカビ臭くなってきました。 妻の体調も悪化しており(喘息やアレルギーがあります)、子供(5歳)も喘息気味になってしまい、 (それに関してカビが原因と断定はできませんが) 早急に今後の方針を決めたいと思っています。 11月末に管理会社に連絡し見にきてもらいました。 大家と連絡をとってみますと言われました。 修繕してほしいと頼んだ所、管理会社で探したが業者が見つからないと返答。 ご自分で探してもらえますかと、言われたのでカビ駆除業者を探し見積もりを出してもらいました。(27万円程度でした) 当方だけでなく他のお宅も同時にすれば安くするとのことで、他のお宅にも伝えようとした所、 管理会社から上のお宅やお隣さんは見舞い金(3万円)で手を打ったと聞きました。(本人達には聞いてません) 管理会社いわく、大家が修繕するかは微妙とのこと。 耐えられないお宅は引っ越しましたよ?まで言われました。 見積もりに来てくれたカビ駆除業者からは、「大家さんは保険に入っていないのか。保険で直せるのでは?」と言われました。 管理会社に伝えたところ「経年劣化の雨漏りでは保険適用されないと思う」とのことですが、そうなのでしょうか?(一応確認しますとは言っていましたが、返事はありません) ここで問題なのは、大家さんが、 ①カビの被害品は弁償する義務はあるのか。金額的限度はあるのか? 買った当時の値段で計算すると10万円ちょっと。(大半が未使用品) ②カビを駆除する義務はあるのか。部屋を修繕する義務はあるのか。 ③カビ駆除をしない場合、引越し費用は出す義務はないのか。 です。どなたか知識のある方に、教えて頂けたらと思います。

賃貸における雨漏り被害と大家の責任

賃貸住宅で雨漏りが発生し、カビ被害が生じた場合、大家には修繕義務があります。民法606条では、賃貸人が「目的物の使用・収益に足りる状態に維持する義務」を負うと規定されています。雨漏りは、明らかに居住の適性を損なう瑕疵であり、大家はこれを修繕する責任を負います。

大家の義務:修繕と損害賠償

① カビの被害品の弁償義務:大家は、雨漏りによって生じたカビ被害による損害、つまりカビでダメになった物品の弁償義務を負います。ただし、弁償額は「時価」が基準となります。購入当時の価格ではなく、現在同程度の商品を購入するのに必要な金額が妥当です。未使用品であっても、経年劣化を考慮した金額になる可能性があります。今回のケースでは、10万円ちょっとの請求は、専門家に見積もりを依頼し、根拠を示すことが重要です。

② カビ駆除と部屋の修繕義務:大家は、カビの駆除と雨漏りの原因となる箇所の修繕義務を負います。27万円の見積もりは高額に感じますが、被害の状況によっては妥当な金額かもしれません。複数の業者に見積もりを取って比較し、管理会社に提示することで交渉の材料となります。

③ 引越し費用の負担義務:居住に耐えられない状況であれば、大家は引越し費用を負担する義務があります。ただし、これは、大家が修繕義務を怠り、居住不可能な状態が継続している場合に限られます。今回のケースでは、大家が修繕に全く応じない場合、引越し費用請求も検討できます。

管理会社への対応と法的措置

管理会社は、大家を代理して対応していますが、その対応に問題があると感じます。

* 業者が見つからないという説明は不十分です。管理会社は、適切な業者を探し、修繕を進める義務があります。
* 上階・隣戸への対応に不公平感があります。あなただけが修繕費用を負担しなければならない理由はありません。
* 「経年劣化の雨漏りでは保険適用されない」という説明も、必ずしも正しいとは限りません。保険の内容を確認する必要があります。

管理会社に書面で、修繕と損害賠償を要求しましょう。内容証明郵便で送付することで、証拠として残ります。それでも対応がない場合は、弁護士に相談し、法的措置を検討することをお勧めします。

具体的な行動計画

1. 証拠の収集:カビの被害状況を写真や動画で記録しましょう。被害を受けた物品についても写真撮影を行い、購入時のレシートや領収書があれば保管してください。
2. 複数の業者に見積もり依頼:カビ駆除と修繕の見積もりを複数業者から取り、比較検討しましょう。金額の妥当性を確認し、管理会社に提示します。
3. 内容証明郵便の送付:管理会社と大家に対して、修繕と損害賠償を要求する内容証明郵便を送付します。具体的な金額と根拠を明確に記載しましょう。
4. 弁護士への相談:管理会社や大家が対応しない場合、弁護士に相談し、法的措置を検討します。弁護士費用は、勝訴した場合、相手方に請求できる可能性があります。
5. 居住環境の改善:カビの発生を防ぐため、換気をこまめに行い、除湿機を使用するなど、できる限りの対策を講じましょう。

専門家の視点:弁護士からのアドバイス

弁護士に相談することで、以下のメリットがあります。

* 法的根拠に基づいた主張が可能:弁護士は、民法や借地借家法などの法律に基づいて、あなたの権利を主張します。
* 交渉力向上:弁護士を介することで、管理会社や大家との交渉がスムーズに進みやすくなります。
* 訴訟リスクの軽減:弁護士は、訴訟が必要かどうかを判断し、リスクを最小限に抑えるようサポートします。

まとめ

賃貸住宅における雨漏りによるカビ被害は、大家の責任において解決すべき問題です。管理会社や大家の対応に納得できない場合は、積極的に行動を起こし、あなたの権利を主張することが重要です。証拠をしっかり集め、専門家の力を借りながら、問題解決を目指しましょう。

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