賃貸マンションの契約者死亡後の手続きと引越し:相続放棄と契約変更

先月の末に父が亡くなりました。現在賃貸マンションに母と一緒に住んでおり、この部屋の契約者は亡くなった父です。父が存命中は私と折半と言う形で家賃を払っておりましたが、父が亡くなった今、丸々の支払いでは厳しいので5月頃には引越しを考えております。そこで質問ですが、昨日不動産の規約を見たところ、契約者死亡時に不動産会社の方に通知の義務がある旨記載されておりました。現在家賃滞納等は無い状態ですが、このまま不動産会社に通知なしに引越しをしてもいいものでしょうか?それともしっかり通知して契約者を私にしてから引越すべきでしょうか?この部屋は20年弱住んでおり、出ていく際に多少揉めるかな?とも思っているので、その辺りはしっかり変更しておくべきでしょうか…ちなみに相続に関しては放棄する方向で進めており、父の所有物で資産的な物は全くありません。その辺りの兼ね合いも含めてご存知の方がいらっしゃいましたら、お知恵を貸していただければと思います。よろしくお願い致します。

賃貸契約者死亡後の手続き:不動産会社への通知義務と相続放棄

ご父君の訃報、心よりお悔やみ申し上げます。長年住み慣れたマンションからの引越しは、様々な手続きが必要で、精神的にも負担が大きいかと思います。ご質問にある契約者死亡時の不動産会社への通知義務と、相続放棄、そして引越しに関する手続きについて、順を追って解説いたします。

1. 不動産会社への通知義務

賃貸契約書に「契約者死亡時に不動産会社に通知する義務がある」と記載されている場合、これは必ず守るべき事項です。通知義務を怠ると、後々トラブルに発展する可能性があります。例えば、家賃滞納の責任を負うことになったり、退去時の精算で問題が発生したりするケースも考えられます。

具体的な通知方法としては、書面(内容証明郵便が望ましい)で死亡の事実と、今後の対応について連絡するのが適切です。電話連絡だけでは、証拠が残らないため、トラブル回避のためにも書面での連絡を強くお勧めします。

2. 相続放棄と賃貸契約

相続放棄を検討されているとのことですが、相続放棄は、相続開始を知った時から3ヶ月以内に家庭裁判所に申述する必要があります。相続放棄をすれば、ご父君の債権・債務を含むすべての財産を相続する義務から解放されます。しかし、賃貸契約は、相続財産に含まれるため、相続放棄後も、契約上の責任は、相続開始時点まで遡及して発生します。

つまり、相続放棄をしたとしても、ご父君が亡くなるまでの家賃の支払い責任は、相続人(この場合はご家族)が負うことになります。しかし、相続放棄後、契約を継続する必要はありません。不動産会社に状況を説明し、契約解除または契約名義変更の手続きを進めることが可能です。

3. 契約名義変更または契約解除

契約名義変更は、ご質問者様(もしくはご母堂)を新しい契約者にする手続きです。契約更新の際に手続きを行うこともできますが、相続放棄を検討されている場合は、相続放棄の手続き完了後に、不動産会社と協議の上、手続きを進めるのが良いでしょう。

契約解除は、賃貸借契約を終了させる手続きです。引越しを予定されているとのことですので、契約解除を選択するのが現実的です。この場合、契約書に定められた解約条件に従って、違約金が発生する可能性があります。契約書をよく確認し、不動産会社と相談して、最適な方法を選択しましょう。

4. 退去時のトラブル回避

20年近く住まわれているとのことですので、退去時のトラブルが心配ですね。以下のような点に注意することで、トラブルを最小限に抑えることができます。

  • 原状回復義務の確認:賃貸借契約書や重要事項説明書に、原状回復に関する規定が記載されています。どのような修繕が必要なのか、事前に不動産会社と確認しましょう。写真や動画で現状を記録しておくことも有効です。
  • 修繕費用の見積もり:修繕が必要な場合は、複数の業者から見積もりを取り、不動産会社と協議しましょう。高額な費用を請求された場合は、交渉の余地もあります。
  • 退去届の提出:期日までに退去届を提出しましょう。期日を過ぎると、違約金が発生する可能性があります。
  • 鍵の返却:鍵は、指定された方法で返却しましょう。紛失した場合、費用が発生する場合があります。
  • 敷金精算:退去後、敷金精算が行われます。精算額に納得できない場合は、交渉するか、必要であれば専門家(弁護士など)に相談しましょう。

5. 専門家への相談

相続や賃貸契約に関する手続きは複雑で、不安な点も多いと思います。弁護士や司法書士などの専門家に相談することで、適切なアドバイスを受けることができます。特に、相続放棄の手続きや、退去時のトラブルに関する相談は、専門家の力を借りることをお勧めします。

具体的な行動ステップ

1. **不動産会社への通知:** 内容証明郵便で、ご父君の死亡と今後の対応について通知します。
2. **相続放棄の手続き:** 相続開始を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所に申述します。
3. **不動産会社との協議:** 相続放棄後、契約名義変更または契約解除について不動産会社と協議します。
4. **引越し準備:** 引越し業者を選定し、引越し日程を決定します。
5. **退去手続き:** 契約書に記載されている退去手続きに従って、退去届を提出します。
6. **原状回復:** 必要に応じて修繕を行い、不動産会社と精算します。

まとめ

賃貸契約者死亡後の手続きは、相続放棄の有無や、契約内容によって対応が異なります。不安な点があれば、専門家に相談することをお勧めします。早めに行動することで、トラブルを回避し、スムーズな引越しを実現できるでしょう。

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