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賃貸契約と滞納問題:退去の際の注意点
長年住んでいる賃貸アパートからの退去を希望されているとのこと、大変お困りのことと思います。6年間居住され、滞納の履歴もある状況での退去は、通常よりも複雑な手続きが必要となる場合があります。特に、大家さんが退去を拒否している状況では、法的措置を検討する必要が出てきます。内容証明郵便は、その第一歩として有効な手段です。
内容証明郵便を送る前に確認すべきこと
内容証明郵便を送る前に、以下の点を改めて確認し、整理しておきましょう。
- 賃貸借契約書の内容:契約書に、解約に関する条項、違約金に関する規定、解約予告期間などが記載されているはずです。これらを丁寧に確認し、契約違反に該当する部分がないか確認しましょう。特に、解約予告期間を遵守しているか、重要です。
- 滞納金の明細:滞納している金額、その内訳、支払い状況などを明確に把握しておきましょう。領収書や振込明細などを整理し、証拠として保管しておくと後々役立ちます。
- これまでのやり取り:大家さんとのやり取り(メール、手紙、電話など)を記録しておきましょう。日付、内容を具体的に記録することで、証拠として活用できます。できれば、証拠となる記録は、日付と内容を明確に記載した書面として残しておきましょう。
- 現在の居住状況:現在、ご主人はそのアパートに住んでいらっしゃいますか?もし住んでいないのであれば、その旨を明確に記述する必要があります。空室のまま家賃を支払い続けることは、経済的に大きな負担となります。
内容証明郵便の作成:具体的な手順と例文
内容証明郵便は、郵便局で作成できます。自分で作成することも可能ですが、専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。間違った内容で送ってしまうと、かえって不利になる可能性があります。
内容証明郵便の構成要素
内容証明郵便には、以下の要素を含める必要があります。
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- 日付:作成日
- 差出人:ご主人の氏名、住所、電話番号
- 受取人:大家さんの氏名、住所
- 件名:賃貸借契約に関する解約通知
- 本文:
- 契約締結日と契約期間
- 滞納金の状況と支払い計画(既に支払済みの分も含む)
- 退去希望日と解約予告期間の遵守
- 現状回復義務に関する事項(原状回復義務の範囲、費用負担について)
- 退去に関する具体的な手続き(鍵の返還方法、精算方法など)
- 話し合いの希望と、応じない場合の対応(裁判等)
内容証明郵便の例文
以下は例文です。具体的な内容は、ご自身の状況に合わせて修正してください。
〇〇年〇〇月〇〇日
〇〇市〇〇町〇〇番地 〇〇 〇〇
〇〇市〇〇町〇〇番地 〇〇 〇〇 様
件名:賃貸借契約に関する解約通知
〇〇年〇〇月〇〇日に締結いたしました賃貸借契約(物件名:〇〇、住所:〇〇)につきまして、下記の通り解約の意思表示をいたします。
1.契約期間:〇〇年〇〇月〇〇日~〇〇年〇〇月〇〇日
2.滞納金の状況:過去に〇〇円の滞納がありましたが、現在までに〇〇円を支払済みです。残額〇〇円につきましては、〇〇年〇〇月〇〇日までに全額支払います。
3.退去希望日:〇〇年〇〇月〇〇日
4.解約予告期間:契約書に基づき、〇〇日前に解約通知をいたします。
5.現状回復義務:契約書に定められた範囲内において、現状回復義務を履行いたします。
6.鍵の返還:退去日当日に、物件所在地にて鍵を返還いたします。
7.精算:退去日までに、残金精算を行います。
上記の通り、解約の意思表示をいたします。ご対応をお願いいたします。話し合いによる解決を希望しておりますが、ご対応いただけない場合は、しかるべき法的措置を検討せざるを得ませんので、ご承知おきください。
以上
〇〇 〇〇
専門家への相談
内容証明郵便の作成は、弁護士や司法書士に依頼することも可能です。専門家であれば、より適切な内容で作成でき、トラブルを回避できる可能性が高まります。費用はかかりますが、将来的なリスクを考えると、専門家に相談することをお勧めします。
インテリアと退去:原状回復について
退去の際には、原状回復義務が重要になります。これは、借主が物件を借りた状態に戻す義務のことです。ただし、通常の経年劣化によるものは、借主の負担とはなりません。
原状回復の範囲
原状回復の範囲は、借主と貸主の間で事前に合意されていることが理想的です。契約書に明記されている場合、それに従います。明記されていない場合は、裁判例などを参考に判断されます。
具体的な例
- 壁紙の張り替え:経年劣化による汚れや色あせは、貸主の負担となることが多いです。ただし、大きな破損や汚損は借主の負担となる可能性があります。
- フローリングの傷:小さな傷は経年劣化とみなされることが多いですが、大きな傷やへこみは借主の負担となる可能性があります。
- 設備の故障:故意または過失による故障は借主の負担となります。経年劣化による故障は、貸主の負担となることが多いです。
グレーな部分への対応
原状回復に関して、グレーな部分も多いです。事前に写真や動画で証拠を残しておくことが重要です。また、退去前に大家さんと現状確認を行い、合意書を作成しておくと、トラブルを回避できます。
まとめ
賃貸アパートからの退去は、特に滞納がある場合は、複雑な手続きが必要となります。内容証明郵便は、法的措置を検討する前に、まずは大家さんとの話し合いの場を設けるための有効な手段です。しかし、内容証明郵便の作成は、専門知識が必要なため、弁護士や司法書士への相談も検討しましょう。また、退去時の原状回復についても、事前にしっかりと確認し、証拠を残しておくことが重要です。