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賃貸アパートからの退去:修繕費用とオーナーとの交渉
15年間、6000円という家賃で住まわれていたアパートからの退去、そして修繕費用やオーナーとの交渉について、不安を抱えていることと思います。ご心配な点について、一つずつ丁寧に解説していきます。
退去時の修繕費用:敷金精算について
退去時の修繕費用は、通常、「通常の使用による損耗」と「故意または過失による損耗」に分けられます。
* 通常の使用による損耗:経年劣化による汚れや傷などは、借主の負担とはなりません。例えば、壁の小さな汚れ、畳のへこみなどです。15年も経過していることを考えると、多くの部分が「通常の使用による損耗」に該当する可能性が高いです。
* 故意または過失による損耗:故意または過失によって生じた損傷は、借主の負担となります。例えば、大きな穴を開けた壁、故意に傷つけた床などです。ガラス割れについても、大型車の振動が原因であれば、オーナー側の責任を問える可能性が高いですが、状況証拠の確保が重要です。
敷金は、これらの損耗を補償するために預けられるお金です。敷金から修繕費用が差し引かれ、残額が返金されます。重要なのは、退去前に現状回復工事を行うこと、そして、その工事内容を写真や動画で記録しておくことです。これにより、オーナーとの間でトラブルを回避できます。
インターネット回線工事の中止について
インターネット回線工事の中止については、契約内容を確認する必要があります。もし、契約書に工事実施の約束が明記されているにも関わらず、一方的に中止されたのであれば、オーナーに損害賠償を請求できる可能性があります。
隙間風対策とオーナーとの交渉
窓からの隙間風が酷いとのことですが、これは居住の快適性を著しく損なう問題です。オーナーに修繕を依頼することは正当な権利です。
オーナーとの交渉方法
1. 書面で連絡する:口頭での交渉は記録が残らないため、まずは内容証明郵便などで、問題点(隙間風、振動によるガラス破損、インターネット工事の中止)を具体的に伝え、修繕または補償を求めるべきです。
2. 証拠を提示する:隙間風の状況を写真や動画で撮影し、振動による被害についても証拠を揃えましょう。
3. 具体的な要求をする:曖昧な表現ではなく、「窓の断熱材交換」「ガラス交換」「インターネット工事の遅延に対する補償」など、具体的な要求を明確にしましょう。
4. 冷静に交渉する:感情的にならず、冷静に事実を伝え、解決策を探る姿勢を示すことが重要です。
5. 必要に応じて専門家に相談:交渉が難航する場合は、弁護士や不動産会社などに相談することをお勧めします。
想定される自己負担額
自己負担額は、現状回復に必要な費用と、故意または過失による損傷の修繕費用によって大きく変わります。しかし、15年間の居住期間と、6000円という低家賃を考慮すると、通常の使用による損耗が大部分を占める可能性が高いです。そのため、自己負担額はそれほど高額にならないと予想されます。ただし、正確な金額を知るためには、退去前にオーナーと現状確認を行い、見積もりを取る必要があります。
専門家のアドバイス
不動産会社や弁護士に相談することで、より正確な情報を得ることができ、交渉を有利に進めることができます。特に、「通常の使用による損耗」と「故意または過失による損耗」の線引きは専門家の知識が必要となるケースが多いです。
まとめ
賃貸アパートからの退去は、様々な手続きや交渉が必要となるため、事前にしっかりと準備しておくことが大切です。今回のケースでは、オーナーとの良好なコミュニケーションと、証拠の確保が鍵となります。冷静に、そして毅然とした態度で交渉を進め、納得のいく解決を目指しましょう。