貸テナント退去時のトラブルと敷金返還:構造変更と現状回復の法的解釈

貸テナントの退居時のトラブルです。修復箇所確認の立会いが無くご自分でクロスと床を張り替え退居し敷金を返せというのですが、2部屋に抜いた壁など構造自体現状回復していません。全額敷金を返すべきでしょうか?もともと14年位前に建物の建設中に2部屋分の入居申込があったため、退居時に現状回復を条件にお好みのレイアウトに設計変更してご入居頂きました。そのため本来の設計では、2部屋間を仕切る壁を取りはらい、各部屋に付けるトイレやミニキッチン、外廊下からの入り口も1ヶ所しか付けませんでした。退居時には修復部分の確認立会いの要請がないまま、いつのまにかご自分で壁紙と床のクッションフロアだけを張り替えていつのまにか出ていってしまい、現状回復したから敷金を全額返してください、と言われているのですが、実際にはまだ2部屋間にあるはずの壁や廊下から入るドアなど、構造自体は回復してません。それを設計通り元に戻す工事をすると見積もりによると85万ほどかかり、預かっている敷金は75万ほどですが、相手が内装工事を終え現状回復をしたと言って退居してしまったら、この工事費を相殺する事は出来ないのでしょうか。相手は税理士兼司法書士なので、きちんと法律に基づいた対処方法を知りたいので、何卒よろしくお願い致します。

賃貸借契約と現状回復義務

このケースは、賃貸借契約における現状回復義務と、その範囲をめぐるトラブルです。 重要なのは、現状回復義務は「元の状態」に戻すことではなく、「契約時の状態」に戻すことです。 14年前に設計変更を承諾し、その状態での入居が認められているため、現状回復とは、その設計変更された状態を維持したまま、通常の使用による損耗を除いた状態に戻すことを意味します。

契約書の内容確認

まず、賃貸借契約書の内容を詳細に確認しましょう。契約書に現状回復に関する具体的な記述があれば、それが最優先されます。 特に、設計変更に関する記述、現状回復の範囲、立会いの有無、損耗の範囲などが明記されているか確認してください。 契約書に具体的な記述がない場合でも、契約締結時の状況や、設計変更に関する合意内容を証明できる資料があれば、有利に働きます。

現状回復の範囲:壁紙と床の張り替えだけでは不十分

相手方が壁紙と床のクッションフロアを張り替えただけでは、現状回復とは認められません。契約時に合意された設計変更部分、つまり壁の撤去やドアの設置、トイレ・ミニキッチンの設置などは、現状回復の範囲に含まれます。 これらの構造的な変更を元に戻すことが、現状回復義務の履行となります。

敷金精算と工事費用の相殺

相手方が敷金の全額返還を請求しているにもかかわらず、構造的な現状回復がなされていないため、敷金から工事費用を相殺することは可能です。しかし、一方的に相殺することは法律上問題となる可能性があります。

内容証明郵便による請求

まず、相手方に対して、内容証明郵便で現状回復が不十分であること、残工事費用を算出した見積もりを添付し、敷金から工事費用を相殺する旨を明確に通知しましょう。 内容証明郵便は、証拠として非常に有効です。

専門家への相談

相手方が税理士兼司法書士であることから、法的知識が豊富であることが予想されます。そのため、弁護士や不動産専門家などに相談し、法的措置を検討することが重要です。 専門家のアドバイスに基づいて、適切な対応を進めることで、トラブルを最小限に抑えることができます。

証拠の確保

現状を写真や動画で記録しておきましょう。契約書、設計図、見積もり、写真、動画など、全ての証拠を保管しておくことが重要です。裁判になった場合、これらの証拠は非常に重要な役割を果たします。

具体的なアドバイス

* 契約書を再確認する:契約書に現状回復に関する記述がないか、設計変更に関する合意内容が記載されているかを確認しましょう。
* 写真・動画撮影:現状の状態を写真や動画で記録し、証拠として保存しましょう。
* 専門家への相談:弁護士や不動産専門家に相談し、法的アドバイスを受けましょう。
* 内容証明郵便:相手方に対して、現状回復が不十分であること、敷金からの相殺を内容証明郵便で通知しましょう。
* 交渉:相手方と交渉し、合意点を見出す努力をしましょう。
* 裁判:交渉がまとまらない場合は、裁判を検討しましょう。

専門家の視点:弁護士からのアドバイス

弁護士の視点から見ると、このケースは、契約書の内容と、現状回復義務の範囲が争点となります。相手方が税理士兼司法書士であることは、交渉を難しくする可能性がありますが、適切な証拠と法的根拠に基づいて対応すれば、有利に事を運ぶことができます。 内容証明郵便による丁寧な説明と、専門家による法的サポートは必須です。 裁判になった場合、契約書の内容、設計変更の経緯、現状回復の範囲、見積もりの妥当性などが争点となります。 そのため、全ての証拠をしっかりと準備しておくことが重要です。

まとめ

今回のケースは、現状回復義務の範囲と敷金精算をめぐる複雑な問題です。 相手方が専門家であることを踏まえ、専門家への相談を早急に進め、法的根拠に基づいた対応をすることが重要です。 契約書の内容を精査し、証拠をしっかりと確保することで、有利な解決を目指しましょう。 焦らず、冷静に、そして専門家の力を借りながら、問題解決に取り組むことが大切です。

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