認知症高齢者の介護拒否・暴力行為への対応:グループホームにおける事例と解決策

認知症・暴力行為のある方への対応についてご教示頂ければ、と思います。グループホーム勤務の介護士ですが、入居者の方に、介護拒否・暴力行為をされる方がいらっしゃいます。84才の男性。特に夜間帯のオムツ交換時に殴る・蹴るの暴力が多く見られます。多尿に加え、便失禁も多く、夜間帯オムツなのですが、他のスタッフに聞くと、拒否や暴力は入居された時から激しいとのこと。私自身は今のフロアへ異動になり、3ヵ月程度なのですが、声かけを工夫したり、拒否ある際は時間を置いたり、と、考えうる対応をしても、なかなか対応が困難な状態です。てっきり、向精神薬を入れているものだと思っていたのですが・・今日、あまりの暴力の強さに薬せんを見て。服用薬に、向精神薬が含まれていないことに初めて気づきました。薬に頼ることは決してプラスではないことは理解していますが・・やはり、向精神薬をお願いする段階なのでしょうか?前任者の退職により、その方のお部屋担当になったのですが、フロア異動後、少しずつ活気も出てきていることから、薬を入れることが本当にいいのかどうか。今出てきている活気を摘んでしまうのではないか、という葛藤もあります。しかし、夜間帯・・一人夜勤の時間帯に暴力が多いため、なにか大きな事故があったら、と思いますと、正直ゾッとします。ちなみに、介護拒否・暴力は私や特定のスタッフだけでなく、全員が受けております。また、一時期リスパダールを服用していた時期もありましたが、今は服用をやめています。ご意見、ご教示頂ければと思います。補足暴力は、排泄・更衣・入浴時です。既往はアルツハイマー認知症、老人性うつなど。入居時より、暴力・拒否あり。ただ、服薬変更などで、大分落ち着いてはきているんです。以前は、杖でスタッフを殴ったり、車椅子を投げつけたり、ということもあり二人介助が必須だったこともあります。今後、なぜ?の部分を探りながら、必要なら向精神薬の服薬を進言するつもりです。

認知症高齢者の暴力行為:現状の把握と課題

84歳男性の入居者の方の介護拒否と暴力行為、特に夜間のオムツ交換時の暴力は深刻な問題です。多尿、便失禁、そして入居時から続く激しい抵抗は、介護士の方にとって大きな負担となっています。 3ヶ月間の対応努力にも関わらず改善が見られない状況、そして向精神薬の服用がないことに気づいたことは、現状の深刻さを改めて浮き彫りにしています。 前任者の退職と、それによる担当者の交代、そして近頃の活気を取り戻しつつある様子は、薬物療法の導入を躊躇する理由として理解できます。しかし、夜間の一人勤務における安全確保の観点からも、早急な対策が必要不可欠です。

暴力行為の原因を探る:多角的なアプローチ

薬物療法に頼る前に、まずは暴力行為の根本原因を特定することが重要です。 アルツハイマー型認知症と老人性うつ病の既往歴を踏まえ、以下の点を検討してみましょう。

1. 身体的要因の確認

* 痛みや不快感:排泄関連の痛み、関節痛、便秘など、身体的な不快感が暴力行為の引き金になっている可能性があります。医師による身体診察と、必要であれば痛み止めなどの処方検討が必要です。
* 睡眠障害:夜間の睡眠不足は、認知症患者の行動異常を悪化させる要因となります。睡眠環境の改善(遮光カーテン、耳栓など)、就寝前のリラックスタイムの確保などを試みましょう。
* 感染症:尿路感染症や肺炎などの感染症も、認知症患者の行動変化を引き起こす可能性があります。発熱や倦怠感などの症状がないか注意深く観察し、必要に応じて医師に相談しましょう。

2. 環境要因の改善

* オムツ交換の工夫:オムツ交換の際に抵抗を示すのは、プライバシーの侵害や、不快感を感じている可能性があります。

  • プライバシーに配慮した空間の確保
  • 穏やかな声かけと、丁寧な説明
  • オムツの種類や交換方法の見直し(肌触りの良いオムツ、適切な交換頻度)
  • 介助者の変更:特定のスタッフに抵抗がある場合は、他のスタッフが対応する

* 日中の活動の充実:日中の活動内容が不足していると、夜間の行動異常が増加する傾向があります。

  • 身体活動:散歩、体操など
  • 認知活動:レクリエーション、作業療法など
  • 社会参加:地域活動への参加

* 夜間の見守り体制:夜間の一人勤務は危険を伴います。可能な限り、夜間も複数名体制を確保するか、非常時対応システム(緊急呼び出しボタンなど)を強化しましょう。

3. 心理的要因の考慮

* 不安や恐怖:認知症によって、周囲の状況が理解できず、不安や恐怖を感じている可能性があります。安心感を与えるような声かけや、環境の整備が必要です。
* 過去のトラウマ:過去の経験が、現在の行動に影響している可能性もあります。過去の状況を把握し、それに配慮した対応が必要となる場合があります。
* コミュニケーションの改善:言葉だけでなく、表情や仕草にも注意を払い、穏やかなコミュニケーションを心がけましょう。

専門家への相談と連携:多職種協働による支援

現状の対応が困難な場合は、医師、看護師、ケアマネージャー、精神科医、理学療法士など、様々な専門家と連携することが重要です。

* 主治医への相談:身体的要因の確認、薬物療法の検討、その他必要な医療処置について相談しましょう。
* 精神科医への相談:認知症に伴う行動・心理症状(BPSD)の専門的な評価と、薬物療法の必要性の判断について相談しましょう。
* ケアマネージャーとの連携:介護サービス計画の見直し、介護保険サービスの活用などについて相談しましょう。
* 他のスタッフとの情報共有:日々の状況を記録し、他のスタッフと共有することで、より効果的な対応が可能になります。

向精神薬の導入:慎重な判断と継続的な評価

向精神薬の導入は、他の方法で改善が見られない場合、そして入居者の方やスタッフの安全を確保するためにどうしても必要な場合に検討すべきです。 リスパダールを服用していた時期があるとのことですが、その時の効果や副作用についても、医師とよく話し合う必要があります。 薬物療法を開始する際には、以下の点に注意しましょう。

* 最小限の投与量から開始:副作用の発生を最小限に抑えるため、最小限の投与量から開始し、徐々に増量していく必要があります。
* 定期的な効果・副作用の評価:薬の効果と副作用を定期的に評価し、必要に応じて投与量を調整する必要があります。
* 非薬物療法との併用:薬物療法と併せて、非薬物療法(環境調整、コミュニケーション改善など)を継続的に行うことが重要です。

まとめ:継続的な観察と柔軟な対応

認知症高齢者の介護拒否・暴力行為への対応は、簡単ではありません。 しかし、原因究明への努力、多職種連携による支援、そして継続的な観察と柔軟な対応によって、状況の改善が期待できます。 入居者の方の尊厳を尊重しつつ、安全で安心できる環境を提供するために、諦めずに努力を続けましょう。 活気を取り戻しつつある現状を維持しつつ、安全を確保するためのバランスを模索することが重要です。

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