認知症男性入所者の徘徊と暴力行為への対応:グループホームにおける課題と解決策

元グループホームにて3年働いていた者です。私の職場の認知症男性入所者に対しての質問です。箇条書きで失礼します。▼日中、夜中も徘徊がひどく、他の方の部屋に入ったりそこで放尿してしまったり、そこの部屋の人が入って来た事に怒ると逆ギレし暴力行為する。▼急に怒り出し、職員を座らせ『そこから動いたら殴りますからね』と脅し、その間に他の女の入所者を殴ったりします。(勿論、殴られるの覚悟で止めます)その殴られた入所者は鬱になり、部屋に閉じ籠るようになりました。その後寝たきりになり亡くなりました。▼帰宅願望が強く外に出てしまうので着いて行くと近くにあるコンビニに毎回行きたがり、帰らなくなります。コンビニに行くのを止めようとすると怒ります。コンビニから出ようと言っても怒り、暴力をふるってきます。時にはコンビニにいる子供に対して暴力をふるおうとした事が何回かあります。▼一日睡眠時間は2時間程度で昼夜構わず外に出ようとし、昼間は一緒に外に出ますが夜は一人の為、優しく言葉で止めようとすると近くにある物を手に取り殴ってきます。傘で顔、腹、足などボコボコに殴られた事もあります。今までいろんな手をつくしてきましたがずっと直りません。この人が退所にならない理由をお願いします。※管理者達はこれを知っています。※殴られた入所者の家族に対しては嘘の報告をしています。(男性入所者が印象が悪くならないように)補足他職員は『眠剤や安定剤など何でもいいから出してもらいたい。本人の為にも』と言っていますが管理者が薬が嫌いで『皆の頑張り次第でしょ』と聞く耳を持ちません。自分は入所者の事を怒らせたらほったらかしで現場職員に押し付けます。社長も退所者が出たらお金が減ると退所、部屋が一部屋でも空くことを嫌ってます。往診で月に2回来られる先生も薬出そうか?とおっしゃってくださいますが管理者がダメと止めます。

深刻な状況と背景

ご質問の内容は、認知症高齢者の介護現場における非常に深刻な問題を示しており、ご自身の置かれた状況の大変さ、そして倫理的な葛藤が強く伝わってきます。徘徊、暴力行為、そしてそれによって引き起こされた入所者の死亡という事実は、施設運営の重大な問題点と、管理体制の不備を強く示唆しています。 入所者の尊厳と安全を確保する、という介護の基本原則が著しく損なわれている状況です。 さらに、管理者による隠蔽体質や、経済的な理由による対応の遅れも、問題を複雑化させています。

徘徊と暴力行為への具体的な対応策

認知症による徘徊と暴力行為への対応は、個々の入所者の状態や特性を理解した上で、多角的なアプローチが必要です。 以下、具体的な対応策を提案します。

1. 専門家への相談と連携強化

* 精神科医や認知症専門医への相談: 現在の状況を詳細に伝え、適切な薬物療法や非薬物療法の検討が必要です。 薬物療法は、症状の軽減に有効な場合が多く、眠剤や抗精神病薬などが検討されます。しかし、副作用も考慮し、医師と綿密に連携することが重要です。
* ケアマネージャーとの連携: ケアプランの見直しを行い、より適切な介護サービスの提供体制を構築する必要があります。 専門的な介護サービスの利用や、デイサービスの活用なども検討しましょう。
* 認知症専門のケアスタッフの配置: 認知症高齢者への対応に精通したスタッフの配置は、安全確保と適切なケアに不可欠です。 専門的な研修を受けたスタッフによる対応は、暴力行為の予防や、緊急時の対応能力を向上させます。

2. 環境調整と行動変容へのアプローチ

* 徘徊防止対策: 部屋のレイアウト変更、見守りシステムの導入、徘徊防止用のセンサーなどを検討しましょう。 また、夜間の巡回頻度を増やすことも有効です。
* 刺激の軽減: 騒音や視覚的な刺激を減らし、落ち着ける環境を作ることで、興奮状態を抑制できます。 照明を柔らかくしたり、静かな音楽を流したりするなどの工夫が有効です。
* 認知行動療法: 専門家による認知行動療法は、暴力行為の原因となる認知の歪みを修正し、より適切な行動を促す効果が期待できます。
* 環境エンリッチメント: 入所者の興味や関心に合わせた活動を提供することで、満足感や安心感を高め、徘徊や暴力行為を抑制する効果が期待できます。 例えば、音楽療法、園芸療法、ペットセラピーなどが挙げられます。

3. 職員の教育とサポート

* 適切な対応方法の研修: 職員に対して、認知症高齢者への対応方法、暴力行為への対処法、脱走防止策などの研修を実施する必要があります。 これにより、職員のスキル向上と、自信を持って業務に取り組める環境づくりに繋がります。
* 職員の負担軽減: 過剰な業務負担は、職員のストレス増加や、適切な対応ができなくなる原因となります。 人員配置の見直しや、業務分担の明確化、休憩時間の確保など、職員の負担軽減策を講じる必要があります。
* チーム医療体制の構築: 医師、看護師、ケアマネージャー、介護職員などが連携し、チームとして入所者のケアに取り組む体制を構築することが重要です。 定期的なカンファレンスを行い、情報共有と課題解決に努めましょう。

管理体制の改善と倫理的な問題

現在の管理体制は、入所者の安全と尊厳を著しく損なっています。 管理者による薬物療法への拒否、経済的な理由による対応の遅れ、そして事実の隠蔽は、許されるべきではありません。 これらの問題点を改善するためには、以下の対策が必要です。

* 管理者の意識改革: 入所者の安全と尊厳を最優先に考え、適切な対応を行うよう管理者に働きかける必要があります。 必要であれば、上層部への報告や、外部機関への相談も検討しましょう。
* 透明性の確保: 入所者やその家族への情報開示を徹底し、施設運営の透明性を高める必要があります。 嘘の報告は、信頼関係を破壊し、問題解決を困難にします。
* 倫理規定の遵守: 介護施設における倫理規定を遵守し、入所者の権利を尊重する必要があります。 倫理的な問題が発生した場合は、適切な対応と再発防止策を講じる必要があります。

コンビニへの徘徊対策

コンビニへの徘徊は、危険性が高く、緊急性の高い問題です。

* コンビニへの連絡: コンビニ店員に状況を説明し、入所者が訪れた際には連絡をくれるよう協力を依頼しましょう。
* ルート変更: コンビニへの経路を遮断する、もしくはルートを変更するなどの環境調整が必要です。
* GPS発信機: GPS発信機を使用することで、入所者の位置を把握し、迅速な対応が可能になります。

まとめ:多職種連携と継続的な取り組みが不可欠

このケースは、認知症介護における様々な問題が複雑に絡み合った、非常に困難な状況です。 解決のためには、医療・介護関係者、施設管理者、そしてご家族を含めた多職種連携による継続的な取り組みが不可欠です。 ご自身の安全にも十分配慮しながら、適切な対応を検討し、関係各所と連携して、より良い解決策を見つける努力を継続してください。 そして、もし現状が改善されない場合は、外部機関への相談も視野に入れることをお勧めします。 ご自身の安全と精神的な健康も大切にしてください。

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