認知症介護の現実とインテリアの工夫:穏やかな生活空間を作るためのヒント

ご家庭で認知症を介護された方、経験談をお聞かせ下さい。 アルツハイマーの老父、一人では何もできず、おむつに大小便を垂れ流し。おむつ替えをしようとすると、「手が冷たい」「寒い」「触るな!」と頑強に抵抗します。部屋の暖房を強くしたりこちらの手を熱湯に入れて温めたり工夫をしてます。どうしてこんなに怒るのか。面倒をかけて悪いな、くらいちょっとは思ってくれれば良いのに。腹立たしいやら情けないやら・・・ アルツハイマーの老人は何処でもこんなものなんでしょうか?皆様の経験談をお聞かせ下さい。

認知症介護における抵抗と怒りの原因

認知症の進行に伴い、ご家族が介護に苦労されている様子が伝わってきます。おむつ交換時の抵抗や怒りは、決して珍しいことではありません。アルツハイマー型認知症では、記憶力や判断力の低下に加え、感情の制御が難しくなることが多くあります。

ご高齢のお父様は、おむつ交換という行為を不快に感じている、あるいは状況を理解できていない可能性が高いです。 「手が冷たい」「寒い」「触るな!」という発言は、身体的な不快感や、プライバシーの侵害と感じていることを示しているのかもしれません。 また、認知症によって現実と妄想の区別がつかなくなっている可能性も考えられます。

さらに、過去のトラウマや不安が、抵抗や怒りの感情を強めている可能性も否定できません。 過去の経験や記憶が混ざり合い、現在の状況を正しく理解できないために、防衛反応として怒りを示す場合があります。

なぜ「申し訳ない」という気持ちにならないのか?

ご自身も感じておられるように、介護される側が「申し訳ない」という気持ちを示さないことに、戸惑いや苛立ちを感じることは当然です。しかし、認知症によって自己認識が変化していることを理解することが重要です。 「申し訳ない」という感情は、自分の行動を客観的に評価する能力に基づいています。認知症の方は、その能力が低下しているため、ご自身の行動や状況を正しく理解し、罪悪感や申し訳なさを感じることが難しくなっているのです。

穏やかな介護を実現するためのインテリアと環境整備

介護の負担を軽減し、ご本人と介護者双方のストレスを減らすために、インテリアや生活環境の工夫が非常に有効です。

1. 温もりと安心感を演出する空間づくり

* 室温と湿度管理: 認知症の方は寒暖差に敏感です。常に快適な室温(20~22℃程度)を保つようにし、加湿器などで湿度を調整しましょう。床暖房は足元から暖かく、冷え込みやすい冬場には特に効果的です。
* 照明: 明るすぎず暗すぎない、柔らかな間接照明を取り入れることで、落ち着きのある雰囲気を作り出せます。眩しさは混乱を招く可能性があります。
* 色調: ベージュなどの暖色系は、安心感を与え、リラックス効果があります。刺激の少ない、落ち着いた色調のインテリアを選びましょう。
* 素材: 天然素材の家具やファブリックは、温もりを感じさせ、リラックス効果を高めます。木製の家具や綿や麻のカーテンなどがおすすめです。
* 家具の配置: 転倒防止のために、家具の配置はシンプルに。通路は広く確保し、動きやすい空間を確保しましょう。

2. おむつ交換をスムーズに行う工夫

* 快適なおむつ交換スペース: おむつ交換台は、高さ安定性に配慮し、ご本人にとって使いやすい位置に設置しましょう。
* プライバシーの確保: カーテンやパーテーションで、プライベート空間を確保することで、抵抗感を軽減できます。
* 温かいタオルや手袋: おむつ交換時に冷たいと感じさせないよう、温かいタオル手袋を使用しましょう。
* アロマテラピー: ラベンダーなどのリラックス効果のあるアロマオイルを、少量使用することで、落ち着きを与えられます。ただし、香りが苦手な場合もあるので、注意が必要です。

3. 認知症に配慮したインテリアのポイント

* 視覚的な刺激を少なく: ごちゃごちゃした空間は、認知症の方にとって混乱を招きます。シンプルで整理された空間を心がけましょう。
* 見やすい時計やカレンダー: 大きな文字盤の時計やカレンダーを設置することで、時間や日付の把握を助けます。
* 分かりやすいサイン: トイレや浴室への入り口には、大きな絵や文字で分かりやすいサインを設置しましょう。
* 手すりや補助具: 転倒防止のため、手すりや補助具を適切な場所に設置しましょう。

専門家のアドバイス:介護福祉士の視点

介護福祉士の経験から、認知症介護においては、ご本人のペースを尊重することが非常に重要です。無理強いせず、ゆっくりと時間をかけて、信頼関係を築くことが大切です。 また、介護者は、定期的な休息を取り、自身の心身の健康を維持することも不可欠です。 一人で抱え込まず、地域包括支援センターケアマネージャーなどの専門機関に相談することも、積極的に行いましょう。

まとめ

認知症介護は、大変な道のりですが、適切な環境整備と工夫によって、少しでも負担を軽減し、穏やかな生活を送ることができるようになります。インテリアの工夫は、そのための重要な要素の一つです。 ご自身の状況に合わせて、少しずつ環境を整えていくことで、ご本人とご家族の生活の質を高めていきましょう。

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