認知症の祖母とのコミュニケーション:繰り返される言葉と喪失感への寄り添い方

認知症の対応について。84になる祖母がいるのですが、認知症のため、話していて同じことを繰り返しています。山手線みたいに話しに終わりがなく、延々と廻っています。この場合、こ ちらは聞き手役に徹してただ頷いていれば良いのでしょうか?特に最近、祖父がなくなってからは、デイサービスから帰ってくるたびに「今日はあの人いる?」と尋ねてきます。もう死んでいないんだよ。と言うと落胆した様子で納得はしてくれるのですが…認知症の祖母に対してどのように接していけばいいのか分かりません。繰り返される言動を正面から受け止め、対応するのは正直疲れます…

認知症における言葉の繰り返しと喪失感:専門家の視点

認知症の高齢者、特にご自身の大切な人を亡くされた後の喪失感を抱えている場合、同じ話を繰り返したり、亡くなった方を尋ねたりすることはよくある症状です。これは記憶の障害や感情の混乱が原因で起こり、単なる「忘れっぽさ」とは異なります。ただ頷くだけでは、ご本人の不安や寂しさは解消されません。むしろ、コミュニケーション不足によるストレスを増幅させる可能性があります。

認知症ケアの専門家によると、大切なのは「共感」と「安心感」を与えることです。単に事実を伝えるのではなく、ご本人の気持ちに寄り添うことが重要です。

具体的な対応策:疲れないためのコミュニケーション術

祖母とのコミュニケーションを円滑にするために、具体的な方法をいくつかご紹介します。

1. 繰り返される言葉への対応:共感と話題転換

同じ話を繰り返す場合、ただ頷くだけでなく、「そうだったのね。○○さんも寂しい思いをしているのね。」といった共感の言葉を添えましょう。そして、無理に話題を変えるのではなく、自然な流れで別の話題に誘導することが大切です。例えば、

* 「今日はデイサービスでどんなことをしたの?」
* 「美味しいお菓子があったみたいだけど、どんな味だった?」
* 「この写真、素敵ね。誰と撮ったの?」

など、具体的な質問を投げかけることで、ご本人の記憶を刺激し、新たな話題へと繋げることができます。

2. 亡くなった祖父への言及:現実と感情のバランス

「今日はあの人いる?」という質問には、「○○さんはもういないけど、いつも○○さんのことを思っているよ」と優しく伝えましょう。そして、祖父との思い出話に自然と話題を移すことで、悲しみを共有し、安心感を与えられます。写真を見せたり、一緒に過ごした時のエピソードを語り合うのも良い方法です。

重要なのは、「死んだ」という事実を繰り返し伝えるのではなく、ご本人の感情を受け止め、寄り添うことです。否定的な言葉は、ご本人をさらに混乱させる可能性があります。

3. 自分のケアも忘れずに:休息と支援の活用

認知症介護は、精神的にも肉体的にも負担が大きいため、ご自身のケアも大切です。

  • 定期的な休息:一人で抱え込まず、家族や友人、近隣住民に相談し、定期的に休息を取りましょう。
  • 介護サービスの利用:デイサービスや訪問介護などの介護サービスを積極的に利用し、負担を軽減しましょう。 respite care(一時預かり)なども有効です。
  • サポートグループへの参加:同じ悩みを持つ人々と交流することで、孤独感を解消し、情報交換や心の支えを得ることができます。
  • 専門家への相談:精神科医や介護支援専門員(ケアマネージャー)に相談し、適切なアドバイスや支援を受けましょう。

4. 環境調整によるサポート:視覚的な工夫

祖母の生活空間を見直し、混乱を軽減する工夫も有効です。

  • 整理整頓:物が散らかっていないか確認し、整理整頓を行いましょう。認知症の方は、視覚的な情報に大きく左右されます。
  • 分かりやすい表示:カレンダーや時計を大きく、見やすい場所に置きましょう。また、写真や絵などを活用して、空間を分かりやすく整理することも有効です。
  • 安全対策:転倒防止のための対策や、危険な場所へのアクセス制限など、安全面にも配慮しましょう。

5. インテリアの活用:安心できる空間づくり

インテリアも、認知症の方の安心感を高める上で重要な役割を果たします。

  • 落ち着いた色調:刺激の少ない、落ち着いた色調のインテリアを選びましょう。紫や青などの寒色系はリラックス効果があります。
  • 自然光を取り入れる:自然光は、心身のリラックスに効果があります。カーテンやブラインドなどを活用して、適切な明るさを確保しましょう。
  • 懐かしい思い出の品:祖父との思い出の品をさりげなく飾ることで、安心感を与え、穏やかな気持ちにさせてあげましょう。
  • 機能的な家具:高齢者でも使いやすい、機能的な家具を選びましょう。例えば、座面の高い椅子や、手すりのついた家具などです。

まとめ:寄り添う姿勢が大切

認知症の祖母とのコミュニケーションは、大変なことも多いですが、「寄り添う姿勢」が何よりも大切です。ご本人の気持ちを受け止め、共感し、安心感を与えることで、より良い関係を築き、穏やかな時間を過ごせるようにサポートしていきましょう。専門家のアドバイスを積極的に活用し、ご自身も心身ともに健康を保ちながら、介護を続けていくことが重要です。

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