認知症の検査入院と日常生活の維持:家族の不安と対策

認知症の検査入院について教えてください。田舎の父が最近ボケがひどくて検査入院することになりました。最初は3~4日くらいなのかな?と考えていたのですが、短くて1ヶ月、長ければ2ヶ月くらいかかるとのことでした。それで、1ヶ月も入院してしまうと、逆にボケが進行してしまって、日常生活ができなくなってしまうのではないかと心配しております。(現時点で、もう一人での生活は難しいかなと感じる状態になっております。)そこで、皆様に教えていただきたいのですが、①検査入院によって、逆に、ボケが進行してしまうというようなことは無いのでしょうか?②検査入院は、具体的には、どのようなことをするのかご存知の方はいらっしゃいますでしょうか?③ボケ(認知症)を回復させる良い方法をご存じないでしょうか?(生活の中での取り組み、周りの人の接し方、治療法等を含めて)以上、ご存知の方がおられましたら、ご回答よろしくお願いいたします。(父の状態)・父は田舎で私の弟と二人暮らしをしております。・今年、正月に帰省した時には、少しボケたなと感じるところはあったのですが、正月明けから急速に言動がおかしくなったようです。・電話で話をする時も、話の内容が支離滅裂で、いろいろな話がごっちゃになって意味不明のことが多いです。・昼間一人でいる時には、不安でいっぱいになるようで、メモに「助けてください」とか「赦してください」等の走り書きをしているそうです。・弟が、何を赦してほしいのかと聞いたところ、市の広報かアンケートを見て、何か被害妄想を起こしているらしいとのことです。・一人で家にいる時には、家の中の一番狭い部屋で、一日中何もせずにじっとしているらしいです。・トイレの場所が分らずお漏らしすることがあります。・弟がご飯を用意してあげて仕事に行くのですが、食べていないこともあるそうです。客観的に見て、これは施設に入る必要があるように感じるのですが、弟によると、自分が一緒にいてあげると落ち着いてきて、普段のお父さんに戻るとのことで、何とか施設に入れないで、せめて一人で日常生活ができるくらいまで回復してくれないか、と願っております。それで、検査入院することになったのですが、(認知症も分るとのことで地元の総合病院の心療内科で受診しました)、入院期間が1ヶ月にもなるということで、これでは逆にボケが進行してしまって施設に入ることが決まってしまうのではないかと心配しております。以上、よろしくお願いいたします。

1.検査入院で認知症が進行するのか?

ご心配されているように、長期間の入院が認知症の進行を早める可能性は否定できません。特に、慣れない環境での生活や、社会との繋がりの減少は、認知機能の低下に影響を与える可能性があります。しかし、検査入院の目的は、認知症の種類や程度を正確に診断し、適切な治療計画を立てることです。適切な治療とケアを受けることで、むしろ進行を遅らせる効果が期待できます。

入院期間が長いのは、様々な検査や評価が必要なためです。焦らず、医師の説明をよく聞き、不安な点は積極的に質問しましょう。 入院中は、家族の面会や連絡を積極的に行い、ご自身の状態を把握することも重要です。

2.認知症の検査入院で実際に行われること

検査入院では、以下の様な検査や評価が行われます。

  • 問診:現在の症状や病歴、生活状況などを詳しく聞かれます。
  • 神経学的検査:記憶力、注意、思考力、言語能力などの認知機能を評価する検査です。ミニメンタルステート検査(MMSE)などが用いられます。
  • 血液検査:他の病気の可能性や、認知症の原因となる疾患がないかを調べます。
  • 脳画像検査:CTスキャンやMRIなどを行い、脳の構造や機能に異常がないか調べます。アルツハイマー病などの特徴的な変化を検出できます。
  • 心理検査:性格や感情、認知機能の詳細な評価を行います。
  • 日常生活動作(ADL)評価:食事、着替え、排泄など、日常生活における能力を評価します。

これらの検査結果に基づいて、認知症の種類(アルツハイマー型、血管性、レビー小体型など)、重症度、原因疾患などが診断されます。そして、薬物療法、認知療法、作業療法、理学療法など、患者さんの状態に合わせた治療計画が立てられます。

3.認知症の回復と進行抑制のための取り組み

残念ながら、認知症を完全に「回復」させる治療法はまだ確立されていません。しかし、進行を遅らせ、生活の質(QOL)を向上させるための様々な取り組みがあります。

3-1. 生活の中での取り組み

  • 規則正しい生活:睡眠、食事、排泄などのリズムを整えることは、認知機能の維持に重要です。早寝早起きを心がけ、毎日同じ時間に食事をするなど、生活習慣を安定させましょう。
  • 適度な運動:散歩や体操など、無理のない範囲で体を動かすことは、脳の活性化に繋がります。専門家の指導の下、リハビリテーションを行うのも効果的です。
  • 知的刺激:読書、パズル、音楽鑑賞など、脳を刺激する活動を取り入れることで、認知機能の低下を防ぐことができます。ご本人の興味や能力に合わせた活動を選びましょう。
  • 社会参加:地域活動やボランティア活動など、社会との繋がりを持つことは、精神的な安定につながり、認知機能の維持にも役立ちます。
  • 安全な環境づくり:転倒防止のための工夫や、迷子防止策など、安全に生活できる環境を整えることが大切です。

3-2. 周りの人の接し方

  • 優しく、丁寧に接する:焦らず、ゆっくりと、言葉を選びながら話しかけることが重要です。感情的に接すると、患者さんは混乱してしまいます。
  • 簡単な言葉を使う:難しい言葉や専門用語は避け、分かりやすい言葉で説明しましょう。
  • 視覚的な情報を活用する:写真や絵など、視覚的な情報を使うことで、理解を助けることができます。
  • 繰り返す:同じことを何度も繰り返して説明する必要があるかもしれません。根気強く対応しましょう。
  • 肯定的な言葉を使う:「大丈夫だよ」「よく頑張ったね」など、肯定的な言葉をかけることで、患者さんの自信を高めることができます。

3-3. 治療法

認知症の治療には、薬物療法と非薬物療法の両方が重要です。

  • 薬物療法:アルツハイマー型認知症には、コリンエステラーゼ阻害剤やNMDA受容体拮抗剤などの薬物が用いられます。症状の進行を遅らせる効果が期待できます。医師の指示に従って服用しましょう。
  • 非薬物療法:認知療法、作業療法、理学療法、音楽療法など、様々な非薬物療法が用いられます。症状の改善や生活の質の向上に効果があります。

4.専門家の意見と具体的なアドバイス

ご兄弟で介護をされているとのことですが、ご自身の心身の状態にも気を付けてください。介護疲れは、ご自身の健康にも悪影響を及ぼします。地域包括支援センターやケアマネージャーなどの専門機関に相談し、適切な支援を受けることをお勧めします。

また、ご自宅での介護が困難な場合は、デイサービスやショートステイなどのサービスを利用することも検討しましょう。一時的に施設を利用することで、ご兄弟の負担を軽減し、ご自身のケアにも時間をかけることができます。

ご質問にある「被害妄想」のような症状は、認知症に伴う精神症状の可能性があります。医師に相談し、適切な対応策を検討しましょう。

5.まとめ

認知症の検査入院は、適切な治療とケアを受けるための重要なステップです。入院期間が長くても、焦らず、医師や専門家と連携を取りながら、ご自身の状況を把握し、適切な対応をしていきましょう。ご家族の協力と、専門家の支援を最大限に活用することで、ご高齢者の生活の質を向上させることが可能です。

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