認知症の叔父と市営住宅の賃貸契約：保証人の責任と解決策

認知症の叔父の自己決定権、何とかなりませんか。数年前、一人暮らしの叔父が市営住宅に入居するさい、頼みこまれて保証人になりました。叔父とは親しくなく、亡き父とも折り合いが悪かったので断りたかったのですが、借金の連帯保証ではないし、住むところが借りられなければうちに転がり込んできそうだったので、仕方なくです。その後叔父は、認知症と持病が進んで一人暮らしができなくなり、包括支援センターのお世話で老人ホームと病院を行ったりきたりしています。保証人になってから、叔父とは会っておらず、住宅供給公社から、叔父の滞納した家賃の支払いを求められたことがきっかけで、叔父の現状が知れました。叔父の年金は、公の後見センターが管理しているのですが、ホームと病院の払いでギリギリのため、市営住宅の家賃までは払えないそうです。保証人の責任として数ヶ月分を払いましたが、私もアルバイトで生計をたてているので、これ以上の援助は無理です。支援センター・ケースワーカー・住宅公社の担当者は、１年あまりも居住していない部屋から退去することを叔父に勧めてくれていますが、本人はガンとして応じません。おそらくもう自立した生活は無理で、万にひとつも借りている部屋に戻ることはありえないのに、部屋を明け渡すことを拒否するのです。今の法律では、認知症であっても自己決定権というか、本人の意志が尊重されるのだそうで、叔父が納得して印をつかない限り、賃貸契約は解除できない。で、家賃の請求が、これからも私に来るというのです。「保証人の権限で契約を解除できないか」と公社に訊きましたが、難しいようです。保証人として、「本人に代わり契約解除をする権限」はないのに、「家賃を払う義務」はある、なんてどう考えても理不尽です。なお、叔父には息子が一人いるのですが絶縁状態で、私には連絡先もわかりません。私はこのまま、叔父が死ぬまで、家賃を肩代わりし続けなくてはならないのでしょうか。現状を打破する方法を何かご存知の方、よろしくお願いします。補足書き方が悪くて見落とされているようですが、すでに「市民後見センター」というところが叔父の成年後見人をしてくれています。ですが、やってくれるのはお金のことだけで、この住宅の問題については何もできないと支援センターの方に言われました。引き続き、そこを踏まえての回答をお願いします。

Contents

1 現状の整理と問題点
2 解決策を探るためのステップ
3 専門家の視点：成年後見制度と保証人の責任
4 具体的なアドバイス：記録と証拠の重要性
5 まとめ

現状の整理と問題点

ご状況を整理すると、ご自身が叔父の市営住宅の保証人となり、叔父が認知症により家賃を滞納。成年後見人が財産管理をしているものの、住宅問題への対応は行っていない、という状況です。ご自身は経済的に負担を続けるのが困難であり、契約解除を希望されています。しかし、叔父の自己決定権が尊重されるため、叔父本人の同意なしに契約解除は難しいという点が大きな問題となっています。

この問題は、自己決定権の尊重と保証人の経済的負担という相反する要素が複雑に絡み合っている点が難しいところです。

解決策を探るためのステップ

現状を打破するために、以下のステップで解決策を探っていきましょう。

ステップ１：成年後見人に改めて相談

既に成年後見人がついているとのことですが、住宅問題への対応ができないとされている点が気になります。成年後見人の役割は、被後見人の利益を保護することです。家賃滞納が続けば、将来的に叔父に不利な状況（信用情報への影響など）が生じる可能性があります。

* 具体的な相談内容：「叔父の居住状況と家賃滞納問題について、具体的な解決策を検討してほしい」と、具体的な問題点を明確に伝えましょう。
* 相談方法：面談、電話、書面など、成年後見人と連絡を取りやすい方法を選びましょう。
* 記録を残す：相談内容、日時、担当者名などを記録しておきましょう。

ステップ２：住宅供給公社との交渉

住宅供給公社にも、現状を改めて説明し、協力を求める必要があります。

* 交渉のポイント：
* 叔父の認知症の状態と、自立生活が不可能であることを明確に伝えましょう。医師の診断書などを提示できれば効果的です。
* 叔父が部屋を明け渡す意思がないことを説明し、現状維持が不可能であることを訴えましょう。
* 保証人としての経済的負担の限界を伝え、公社としての対応を検討するよう求めましょう。
* 他の解決策（例えば、公社が所有する他の施設への転居など）を提案してみるのも有効です。
* 交渉方法：書面で状況を説明し、面談を依頼するのが効果的です。

ステップ３：包括支援センターとの連携

包括支援センターは、高齢者の生活全般を支援する機関です。住宅問題についても、専門的なアドバイスや支援を受けられる可能性があります。

* 相談内容：現状を説明し、住宅問題解決のための支援を依頼しましょう。
* 連携の重要性：成年後見人、住宅供給公社と連携して、包括支援センターが調整役となることで、問題解決がスムーズに進みやすくなります。

ステップ４：弁護士への相談

上記ステップで解決しない場合は、弁護士に相談することを検討しましょう。弁護士は、法律的な観点から適切なアドバイスやサポートを提供してくれます。

* 弁護士選び：高齢者問題や不動産問題に詳しい弁護士を選ぶことが重要です。
* 相談費用：初回相談は無料の弁護士事務所も多いので、複数相談して比較検討しましょう。

ステップ５：最悪の場合のシナリオと準備

解決が難しい場合、最終的には裁判沙汰になる可能性も否定できません。その場合に備え、証拠となる資料（家賃滞納通知、医師の診断書、成年後見人との連絡記録など）をきちんと整理しておきましょう。

専門家の視点：成年後見制度と保証人の責任

弁護士などの専門家は、成年後見制度の活用方法や、保証人の責任範囲について、的確なアドバイスを与えてくれます。特に、認知症の高齢者の財産管理や生活支援に関する法律や判例に精通した専門家を選ぶことが重要です。

成年後見制度は、判断能力が不十分な人の権利を保護するための制度です。しかし、後見人が全ての意思決定を行うわけではなく、被後見人の意思を尊重しつつ、利益を最大化するように行動することが求められます。今回のケースでは、後見人が住宅問題に積極的でない点が問題であり、弁護士を通じて後見人に働きかける必要性があります。

保証人の責任については、契約内容によって異なります。今回のケースでは、家賃滞納に対する責任を負うことは避けられない可能性が高いですが、弁護士に相談することで、責任範囲を明確にし、今後の対応を検討することができます。

具体的なアドバイス：記録と証拠の重要性

全てのやり取りを記録に残すことが非常に重要です。電話でのやり取りはメモを取り、面談や書面でのやり取りはコピーを保管しましょう。これらの記録は、今後の交渉や裁判において重要な証拠となります。

また、叔父の認知症の状態を証明する医師の診断書も重要な証拠となります。医師に診断書の作成を依頼しましょう。

まとめ

今回の問題は、法律的な知識と、関係各所との丁寧な交渉が必要な複雑な問題です。焦らず、ステップを踏んで一つずつ解決策を探っていくことが大切です。専門家の力を借りながら、ご自身の経済的負担を軽減し、叔父の生活を安定させるための最善策を見つけていきましょう。