許認可申請における数量的指標と客観的指標:インテリア開業を例に解説

行政書士の質問です。申請により求められた許認可等について、数量的指標その他の客観的指標により当該申請がこれらに適合しないことが明らかである場合、上記の数量的指標、客観的指標とはいったいどんなことでしょうか?例をあげてご教示よろしくおねがいします。

許認可申請における「数量的指標」と「客観的指標」とは?

許認可申請において、「数量的指標」と「客観的指標」は、申請内容が法令等の要件を満たしているかどうかを客観的に判断するための重要な要素です。 特に、曖昧な表現や主観的な判断を避け、審査機関が明確に判断できる根拠を示すことが求められます。 これらは、申請が拒否される理由を明確にするためにも不可欠です。 本記事では、インテリア関連事業の開業申請を例に、具体的な指標を解説します。

数量的指標:数値で示せる指標

数量的指標とは、数値を用いて明確に示せる指標です。 例えば、店舗面積、従業員数、在庫量、売上高など、具体的な数値で表現できるものが該当します。 これらの数値が、許認可の要件で定められた基準値を満たしているかどうかが審査されます。

  • 店舗面積: 飲食店や小売店などの開業申請では、店舗面積が一定の広さを超えていることが求められる場合があります。例えば、「店舗面積10㎡以上」といった要件です。これは明確な数量的指標です。
  • 従業員数: 従業員を雇用する事業の場合、従業員数に関する規定がある場合があります。「従業員3名以上」といった要件は数量的指標です。
  • 駐車場台数: 自動車整備工場やカーディーラーなどでは、駐車場の台数に関する規定がある場合があります。これも数量的指標です。
  • 在庫量: 倉庫を借りて事業を行う場合、一定量の在庫を保有することが求められる場合があります。在庫量も数量的指標となります。
  • 売上高: 過去の実績に基づいて申請を行う場合、売上高が一定額以上であることが要件となる場合があります。

客観的指標:数値以外で示せる指標

客観的指標とは、数値以外の客観的な事実や証拠によって示せる指標です。 これは、数量的指標だけでは判断できない要素を補完する役割を果たします。

  • 資格・免許の保有: 特定の事業を行うためには、必要な資格や免許の保有が求められます。例えば、インテリアコーディネーターの資格や建築士免許などです。資格・免許証のコピーなどが客観的指標となります。
  • 設備の有無: 事業を行うために必要な設備の有無も重要な客観的指標です。例えば、インテリアショップの開業であれば、展示スペースや倉庫の有無、什器の購入状況などが該当します。写真や見積書などが証拠となります。
  • 契約書の提出: 賃貸契約書、仕入先との契約書、従業員との雇用契約書など、契約書は客観的な証拠となります。これらは、事業の計画性や実行可能性を示す客観的指標となります。
  • 保険加入状況: 事業保険への加入状況も客観的指標となります。保険証券のコピーなどが証拠となります。
  • 周辺環境: 騒音や排気ガスなど、周辺環境への影響を評価する必要があります。騒音測定結果や環境アセスメントの結果などが客観的指標となります。インテリアショップの場合、近隣への影響が少ない立地であることを示す資料が必要となる場合があります。

インテリア開業申請における具体的な例

例えば、インテリアデザイン事務所を開業する場合を考えてみましょう。

数量的指標の例

* 事務所の面積:最低10㎡以上必要という規定があれば、申請者は15㎡の事務所を確保したことを証明する必要があります。賃貸契約書や図面が証拠となります。
* 保有資格:インテリアコーディネーター資格を保有していることを証明する必要があります。資格証のコピーを提出します。
* 従業員数:従業員を雇用する場合、その人数を明確に示す必要があります。雇用契約書が証拠となります。

客観的指標の例

* 事務所の設備:CADソフトなどの設計に必要なソフトウェアや、図面作成に必要な機器を所有していることを証明する必要があります。購入証明書や写真が証拠となります。
* 顧客獲得計画:具体的な顧客獲得計画を示す必要があります。ウェブサイトやSNSの運用計画、広告戦略など、具体的な計画書を提出します。
* 責任保険への加入:業務上の事故に備えて、責任保険に加入していることを証明する必要があります。保険証券のコピーを提出します。
* 近隣への配慮:騒音や迷惑行為がないことを示す必要があります。近隣住民への配慮を示す資料や、騒音対策を講じていることを示す資料などを提出します。

専門家への相談

許認可申請は複雑な手続きを伴うため、行政書士などの専門家に相談することが重要です。専門家は、申請に必要な書類や手続きを適切にアドバイスし、申請がスムーズに進むようサポートしてくれます。 特に、数量的指標や客観的指標の選定において、専門家の知見は不可欠です。

まとめ

許認可申請における数量的指標と客観的指標は、申請内容の適合性を客観的に判断するための重要な要素です。 申請前に、必要な指標を明確に把握し、適切な証拠を準備することが重要です。 専門家のアドバイスを受けることで、申請手続きをスムーズに進めることができます。 インテリア関連事業の開業を検討されている方は、これらの点を踏まえ、準備を進めていきましょう。

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