訪問看護の利用と、高齢者向けインテリアの工夫

訪問看護について教えて下さい。Aさん、52才女性。60才で定年を迎えた夫と二人暮らし。4年前、脊髄小脳変性症と診断され、月1回夫の運転で病院に通っている。先日、夫から「部屋の中をなんとか伝い歩きをしているが、最近手が震えて箸が持てず、飲食しにくくなり時間がかかるようになった」と、訪問看護の依頼があった。Q1. Aさんはどうすれば訪問看護が受けられるのだろうか。Q2. どのようなサービス(分類やサービス内容)が必要か。

訪問看護の利用方法

Aさんが訪問看護を受けるには、まずかかりつけ医に相談することが重要です。かかりつけ医が訪問看護の必要性を判断し、訪問看護ステーションを紹介してくれます。紹介状を受け取ったら、希望する訪問看護ステーションに連絡を取り、サービス内容や利用料金、スケジュールなどを相談しましょう。いくつかのステーションに問い合わせ、比較検討することも可能です。

また、地域包括支援センター市町村の介護保険課などに相談することもできます。これらの機関は、訪問看護ステーションの紹介だけでなく、介護サービス全般に関する相談にも乗ってくれます。特に、介護保険サービスの利用を検討する際には、これらの機関のサポートが役立ちます。

直接訪問看護ステーションに問い合わせることもできますが、かかりつけ医からの紹介があるとスムーズに手続きを進められることが多いです。 事前に、Aさんの病状や生活状況、希望するサービス内容などをまとめておくと、相談がスムーズに進みます。

必要な訪問看護サービス

Aさんの状況から、以下の訪問看護サービスが必要と考えられます。

1. 医療的ケア

  • 薬の管理と服薬支援:脊髄小脳変性症の症状管理に必要な薬の管理、服薬時間や方法の確認、服薬状況の記録など。
  • 健康状態の観察:血圧、脈拍、体温などのバイタルサインの測定、症状の変化の観察、記録など。異常を発見した場合、速やかに医師や担当者へ報告します。
  • 褥瘡(床ずれ)予防:体位変換、皮膚の清拭、適切な体圧分散マットレスの使用指導など。脊髄小脳変性症は、寝たきりになるリスクも高いため、早期からの予防が重要です。

2. リハビリテーション

  • 機能訓練:日常生活動作(ADL)の改善を目的とした訓練。箸の持ち方や食事動作の改善、歩行訓練、転倒予防のための訓練など。Aさんの状態に合わせて、無理のない範囲で行われます。
  • 精神的なケア:病気への不安やストレスへの対応、家族への相談支援など。精神的なケアは、身体的なケアと同様に重要です。

3. 生活支援

  • 食事介助:手が震えるため食事に時間がかかっているとのことなので、必要な介助を提供します。安全な食事摂取のための工夫(食器、食事形態の工夫など)の指導も行います。
  • 排泄介助:必要に応じて排泄介助を行います。排泄に関する困りごとがあれば、相談しましょう。
  • 入浴介助:入浴が困難な場合は、訪問入浴サービスとの連携も検討します。

高齢者向けインテリアの工夫

Aさんの自宅環境を高齢者向けに工夫することで、生活の質を向上させることができます。訪問看護師も、安全で快適な生活空間の確保についてアドバイスしてくれるでしょう。

1. バリアフリー化

  • 段差の解消:玄関や廊下、トイレなどに段差があれば、スロープを設置したり、段差解消マットを使用したりするなど工夫が必要です。転倒リスクを軽減するため、非常に重要です。
  • 手すりの設置:廊下やトイレ、浴室などに手すりを設置することで、移動時の安全性を高めます。特に、伝い歩きをしているAさんにとって、手すりは必須です。
  • 床材の変更:滑りやすい床材は、転倒リスクを高めます。滑りにくい素材の床材に変更したり、滑り止めマットを使用したりするなどの対策が必要です。

2. 家具の配置

  • 家具の配置を見直す:通路を広く確保し、スムーズに移動できるように家具を配置しましょう。必要のない家具は処分したり、別の場所に移動したりするのも有効です。
  • 低い家具を選ぶ:高齢者は、高い家具から物を取る際に転倒するリスクがあります。低い家具を選ぶことで、安全性を高めることができます。
  • 収納スペースの確保:必要なものをすぐに取り出せるように、収納スペースを確保しましょう。整理整頓された空間は、生活の質を高めるだけでなく、転倒リスクの軽減にも繋がります。

3. 照明

  • 明るさを確保する:高齢者は、視力の低下により、暗い場所での転倒リスクが高まります。十分な明るさを確保するために、照明器具を増やす、明るさを調整できる照明器具を使用するなどの工夫が必要です。特に、廊下や階段は明るく照らすことが重要です。
  • 間接照明を取り入れる:間接照明は、柔らかな光でリラックス効果を高めます。落ち着いた雰囲気を作り出し、精神的な負担を軽減する効果も期待できます。

4. 色使い

  • 視認性の高い色を選ぶ:高齢者は色の識別能力が低下することがあります。そのため、階段の手すりやドアノブなどは、視認性の高い色(例えば、濃い青や黄色など)を選ぶことが重要です。ベージュは落ち着いた雰囲気で、高齢者にも優しい色です。

5. その他

  • 緊急連絡手段の確保:緊急時にすぐに連絡できるように、簡単に操作できる緊急連絡ボタンを設置したり、携帯電話を常に手の届くところに置いておくなどの対策が必要です。

これらの工夫は、Aさんの生活の質を向上させるだけでなく、介護する夫の負担軽減にも繋がります。訪問看護師と連携しながら、安全で快適な住環境を整えましょう。 インテリアの改善は、単なる見た目の問題ではなく、生活の質、そして安全に直結する重要な要素です。 専門家であるインテリアコーディネーターや介護福祉士のアドバイスを受けることも有効です。

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