ヘルパーと利用者と事業所 訪問介護で、利用者さん宅に伺うと何をするにも拒否されてしまいます。 ご夫婦二人とも、介護2です。 娘さんはフルタイムで働いており、老人ホームを希望していますが、ご夫婦とも拒否 されているので、ヘルパーの利用をしています。 ですが、ヘルパーが家に入るのもとても嫌がります。 ご夫婦二人ともそれぞれ部屋がありますが、両部屋ともゴミ屋敷です。 サービス内容は掃除、食事、買い物、清拭などですが、何をしようとしても拒否されます。 会話は楽しく出来ています。でも、何かを触ろうものなら顔色が変わり、言葉づかいまで 変わってしまいます。 ケアマネー、サ責など何度も相談しましたが、「また、おいおい考えて行きましょう」と言うばかり。。 そして、つい先日、ケアマネーから「娘さんよりクレームの電話があったよ。家に帰ってもほとんど 変わっていないと」 仕事は私なりに、買い物に行ったり、ぞうきんがけ、布団干し、掃除、洗濯、清拭など出来る事は やっていました。 ケアマネーは「なんでも相談してくれればいいのに、もっとコミュニケーションをとるとか、、」と怒ったように言います。 利用者との関係はヘルパーが全て持たなければいけないものなんでしょうか？補足娘さんは同居しています。他のヘルパーもとお願いしても利用者さんが何人も入るのは嫌だと 拒否されています。他のヘルパーも入れば私も連携しながら、そして心強く出来るのですが、 娘さんは仕事を理由に何もしてくれません。台所もゴミだらけです。
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現状の分析と課題
このケースは、高齢者夫婦の生活空間（ゴミ屋敷）と、それに伴う拒否反応、そして家族（娘）の関与不足が複雑に絡み合った状況です。 ヘルパーの方の努力にも関わらず、改善が見られないのは、表面的なコミュニケーションだけでは解決できない、より深い問題が存在していることを示唆しています。 課題は大きく分けて以下の3点です。
- 利用者夫婦の拒否反応の根本原因の特定：ゴミ屋敷という環境と、それに伴うプライバシー侵害への抵抗、変化への恐怖、過去のトラウマなどが考えられます。
- 家族（娘）の協力体制の構築：娘さんのフルタイム勤務を考慮しつつ、介護への協力を得るための具体的な方策が必要です。
- ケアマネージャーとの連携強化：現状の「おいおい考えましょう」という対応では不十分です。具体的な介入策を協議する必要があります。
拒否反応への対応策：段階的なアプローチ
利用者の方々の拒否反応は、一朝一夕に解決できるものではありません。段階的に、そして丁寧にアプローチしていく必要があります。
1. 関係性の構築と信頼醸成
- 会話の深化：表面的な会話だけでなく、過去の思い出話や趣味の話など、より深いコミュニケーションを図ることで、信頼関係を築きましょう。 ただし、無理強いは禁物です。彼らのペースに合わせて、ゆっくりと時間をかけて関係性を築いていくことが重要です。
- 非言語コミュニケーションへの配慮：表情や身振り手振り、声のトーンにも注意を払い、安心感を与えられるよう心がけましょう。 例えば、作業に入る前に必ず声かけを行い、何をするのかを丁寧に説明することが重要です。
- 小さな成功体験の積み重ね：最初は小さなことから始め、成功体験を積み重ねることで、自信と安心感を育んでいきましょう。 例えば、ゴミ出しを手伝うことから始め、少しずつ作業範囲を広げていくなどです。
2. 環境改善へのアプローチ：段階的・協調的な取り組み
ゴミ屋敷の状況は、心理的な抵抗だけでなく、衛生面や安全面からも問題です。しかし、いきなり大掛かりな清掃を行うと、利用者の方々は強い抵抗を示す可能性が高いです。
- 小さな範囲からの清掃：まずは、利用者の方々が許容できる範囲（例えば、テーブルの上だけなど）から清掃を始め、徐々に範囲を広げていきます。 清掃中は、常に利用者の方々とコミュニケーションを取り、進捗状況を共有することが重要です。
- 専門機関への相談：必要に応じて、整理収納アドバイザーや、精神科医、または地域包括支援センターなどに相談し、専門家のアドバイスを得ましょう。 彼らは、高齢者の心理や環境改善に関する専門的な知識を持っています。
- 娘さんとの連携：娘さんには、現状を丁寧に説明し、協力をお願いします。 具体的な役割分担を決め、定期的な連絡を取り合う体制を構築しましょう。 例えば、週末に娘さんが手伝いに来る、などです。
3. ケアマネージャーとの連携強化：具体的な支援策の協議
ケアマネージャーには、現状の課題と、具体的な対応策を明確に伝えましょう。
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- 具体的な事例を提示：これまでの対応と、その結果を具体的に説明することで、ケアマネージャーの理解を深めることができます。
- 専門家への紹介依頼：整理収納アドバイザーや精神科医など、専門家への紹介を依頼しましょう。
- サービスの見直し：現状のサービス内容では不十分な場合、サービス内容の見直しを検討しましょう。 例えば、訪問頻度を増やす、または他のサービス（デイサービスなど）の利用を検討するなどです。
インテリアの視点：居心地の良い空間づくり
ゴミ屋敷の状態では、居心地の良い空間とは言えません。環境改善を進める中で、インテリアの要素も取り入れることで、利用者の方々の心理的な負担を軽減し、生活の質を高めることができます。
- 明るさ・清潔感：窓を開けて換気をし、日差しを充分に取り入れることで、部屋を明るく清潔な印象にしましょう。 カーテンや照明器具なども、明るめの色を選ぶと効果的です。
- 整理整頓：整理収納アドバイザーのアドバイスを受けながら、物を整理し、収納スペースを確保することで、部屋を広く、清潔に保ちましょう。 収納ボックスや棚などを活用し、見た目にも美しい収納を目指しましょう。
- 色使い：グレーのような落ち着いた色をベースに、アクセントカラーとして、黄色やオレンジなどの暖色系の色を取り入れることで、安心感と温かみを演出できます。 ただし、利用者の方々の好みを尊重することが重要です。
まとめ
高齢者の介護は、専門的な知識と、深い人間関係の構築が求められる複雑な課題です。 ケアマネージャーや家族との連携を密にし、専門家の力を借りながら、段階的に、そして丁寧にアプローチすることで、必ず解決の糸口が見つかるはずです。 焦らず、諦めずに、継続的な努力を続けることが重要です。
