視覚障碍者の方のための安心安全な住空間づくり:祖母のための具体的な改善策

祖母が全く目が見えません。昔は方向感覚があり目が見えなくても部屋の出口がわかったんですが、最近は方向感覚もなくなり、出口がわからなりトイレにも行けないようです。何か良い方法はありませんか?

高齢で視覚障碍を持つ方が安全に生活を送るためには、住環境の工夫が非常に重要です。方向感覚の喪失は、加齢による認知機能の低下や、視覚情報に頼っていた生活からの変化による可能性があります。今回は、ご祖母様の状況を改善するための具体的な方法を、インテリアの観点からご提案します。

1. 空間把握を容易にするためのインテリア配置

家具の配置と動線の確保

まず重要なのは、家具の配置と動線です。視覚障碍者にとって、予測可能な動線は安全性の確保に直結します。家具は壁際に配置し、通路を広く確保しましょう。通路の幅は、車椅子を使用する場合を想定して、最低でも80cm以上確保することをお勧めします。通路に障害物がないか、定期的に確認することも大切です。

  • 家具の配置:壁に沿って配置し、通路を広く確保する。
  • 通路の幅:最低80cm以上を確保する。
  • 障害物の除去:定期的に通路に障害物がないか確認する。

視覚以外の感覚に訴える工夫

視覚情報に頼れない分、触覚や聴覚を活用した工夫が必要です。例えば、壁やドアに異なる質感の素材を使用することで、場所の識別を容易にします。ドアノブには、形状の異なるものを選び、触るだけでドアの位置を認識できるようにしましょう。また、トイレや浴室への入り口には、明確な音のサイン(ベルなど)を設置するのも有効です。床材も滑りにくい素材を選び、転倒防止に配慮しましょう。

  • 異なる質感の素材:壁やドアに異なる質感の素材を使用する。
  • 形状の異なるドアノブ:触るだけでドアの位置を認識できるようにする。
  • 音のサイン:トイレや浴室への入り口にベルなどの音のサインを設置する。
  • 滑りにくい床材:転倒防止に配慮する。

2. 色と照明による空間の区切り

視覚障碍者にとって、色のコントラストは空間認識に役立ちます。例えば、床と壁の色を大きく変えることで、空間の区切りを明確にできます。壁の色は、ベージュやアイボリーなどの明るい色を選ぶと、空間が広く感じられ、圧迫感を軽減できます。照明は、全体を明るく照らすだけでなく、通路や階段などにスポットライトを当てることで、安全性を高めます。また、夜間は、足元を照らすナイトライトなどを活用しましょう。

  • 床と壁のコントラスト:床と壁の色を大きく変える。
  • 明るい色の壁:ベージュやアイボリーなどを使用する。
  • 適切な照明:通路や階段などにスポットライトを当てる。
  • ナイトライト:夜間の足元を照らす。

3. 安全性の確保

手すりや補助具の設置

トイレや浴室など、転倒リスクの高い場所には、手すりや補助具を設置しましょう。手すりは、しっかりとした固定式を選び、滑りにくい素材を使用することが重要です。また、トイレには、便座の高さ調整ができるものや、手すり付きの便器を選ぶのも良いでしょう。浴室には、滑りにくいマットや、シャワーチェアなどを設置することで、安全性を高めることができます。専門業者に相談し、適切な補助具を選定してもらうことをお勧めします。

  • 固定式の手すり:しっかりとした固定式の手すりを選ぶ。
  • 滑りにくい素材:手すりや補助具は滑りにくい素材を使用する。
  • 便座の高さ調整:必要に応じて便座の高さを調整する。
  • 浴室の安全対策:滑りにくいマット、シャワーチェアなどを設置する。

4. 専門家への相談

視覚障碍者の方の生活を支援する専門家(福祉用具専門相談員、ケアマネージャーなど)に相談することも重要です。専門家は、ご祖母様の状況や生活スタイルに合わせた最適なアドバイスや、補助具の選定、住宅改修の提案をしてくれます。一人で悩まず、専門家の力を借りることをお勧めします。

5. 具体的な事例

例えば、ある視覚障碍者のご家庭では、各部屋の入り口に異なる質感のタイルを貼ることで、部屋の識別を容易にしました。また、廊下には、壁際に沿って手すりを設置し、安全な移動を確保しています。さらに、トイレには、手すり付きの便器と、床に滑り止めマットを設置することで、転倒リスクを軽減しています。これらの工夫により、ご本人は安心して生活を送ることができています。

まとめ

視覚障碍者の方にとって、安全で快適な生活空間を確保することは、非常に重要です。今回ご紹介した方法以外にも、様々な工夫が考えられます。ご祖母様の状況に合わせて、一つずつ改善を進めていくことで、より安心して暮らせる環境を作ることができるでしょう。専門家への相談を積極的に行い、ご祖母様にとって最適な住環境づくりを進めてください。

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