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2重煙突の設置場所とメリット・デメリット
薪ストーブの煙突を2重にするかどうか、そしてどの部分を2重にするかについては、熱効率、安全性、施工の容易さなど、複数の要素を考慮する必要があります。質問者様のご計画では、1階と2階を暖めることを目的としています。
2重煙突のメリット
* 熱効率の向上: 2重煙突は、内筒と外筒の間に空気層を作ることで、煙突内の熱が外に逃げるのを抑制します。これにより、煙突の温度が上がり、排気効率が向上し、より多くの熱を室内に供給できます。結果として、薪の消費量を減らし、経済的にもメリットがあります。
* 火災リスクの軽減: 煙突が高温になることで、周囲の可燃物に引火するリスクがあります。2重煙突は、このリスクを軽減する効果があります。特に、天井や壁を貫通する部分は、可燃物に近いため、2重煙突にすることが推奨されます。
* 結露の抑制: 煙突内外の温度差によって結露が発生することがあります。2重煙突は、この結露を抑制する効果があります。結露は、煙突の腐食や、煤の付着の原因となります。
2重煙突のデメリット
* コスト増加: 2重煙突は、1重煙突に比べて材料費が高くなります。また、施工も複雑になるため、工賃も高くなる傾向があります。
* 重量増加: 2重煙突は、1重煙突に比べて重量が増加します。そのため、煙突の支持構造を強化する必要がある場合があります。
* 掃除の難易度: 2重煙突は、1重煙突に比べて掃除が難しくなります。専用のブラシなどが必要になる場合があります。
最適な2重煙突の設置箇所
ご質問の状況を踏まえ、最適な2重煙突の設置箇所を提案します。
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屋内部分
* 天井貫通部: ここは最も重要な部分です。天井材は可燃物であることが多いため、必ず2重煙突にして、耐熱性の高い材料を使用し、適切な断熱処理を行う必要があります。
* 床貫通部: 2階床を貫通する部分も、同様に2重煙突にして、耐熱対策を施す必要があります。
* ストーブ直近: ストーブ直近1m程度は、熱が最も高いため、2重煙突にすることで、熱効率の向上と火災リスクの軽減を図ることができます。
屋外部分
* 壁貫通部または屋根貫通部: 外壁や屋根を貫通する部分も、2重煙突にすることで、雨水や雪の侵入を防ぎ、煙突の腐食を防ぎます。
具体的な提案
ストーブ本体から1mは1重煙突、その後は天井貫通部から2階床貫通部までを2重煙突、その後は1重煙突に戻し、屋外貫通部前後50cmを再び2重煙突にするという案は、妥当です。ただし、屋外部分は、風雨にさらされるため、全体を2重煙突にすることを強くお勧めします。
煙突と壁の距離と耐熱対策
煙突と壁の距離は、煙突の種類(1重・2重)と温度によって異なります。建築基準法や消防法で定められた安全距離を必ず守る必要があります。具体的な距離は、使用する煙突のメーカーの指示に従ってください。 一般的には、1重煙突よりも2重煙突の方が安全距離は短くできます。しかし、30cm以下の距離の場合は、耐熱性の高いタイルや断熱材で壁を保護する必要があります。
天井と床の間の処理
1階天井と2階床の間を煙突径より15cm大きく穴を開けて中空にする案は、2階への熱伝達を促進する効果が期待できます。しかし、過剰な熱は、2階の木材などにダメージを与える可能性があるため、注意が必要です。 2階が十分に暖まるようであれば、耐熱モルタルで作成しためがね石で煙突を遮断する方が安全です。
専門家への相談
薪ストーブの設置は、専門知識と技術が必要な作業です。安全に、そして効率的に薪ストーブを設置するためには、専門業者に相談することを強くお勧めします。 専門業者は、適切な煙突の種類やサイズ、設置場所、耐熱対策などをアドバイスしてくれます。
まとめ
薪ストーブの煙突設置は、安全性を最優先事項として計画・施工する必要があります。2重煙突の設置箇所、煙突と壁の距離、耐熱対策など、専門家のアドバイスを得ながら、安全で効率的なシステムを構築しましょう。