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蓄熱式暖房とは?その仕組みとメリット・デメリット
蓄熱式暖房は、夜間の安い電力を利用して、煉瓦やセラミックなどの蓄熱材に熱を蓄え、日中にその熱を放出して部屋を暖めるシステムです。電気ストーブやエアコンと違い、直接空気を温めるのではなく、蓄熱材から輻射熱(ふくしゃねつ)で部屋全体をゆっくりと暖めます。
仕組みを詳しく解説
1. **夜間充電**: 夜間、電力料金が安い時間帯に、電気ヒーターで蓄熱材を加熱し、熱を蓄えます。この時の蓄熱量は、設定したメモリによって調整できます。
2. **日中放熱**: 日中に、蓄熱材から放出される輻射熱によって部屋が暖まります。蓄熱材の温度が下がるにつれて、放熱量は徐々に減少します。
3. **メモリ設定**: メモリは蓄熱量を設定するもので、メモリの数値が高いほど多くの熱を蓄えます。しかし、メモリを最大にしても、蓄熱材の容量には限界があるため、部屋の広さや断熱性能によっては、十分な暖かさを感じられない場合があります。
メリット
* **電気料金が安い時間帯に充電**: 夜間の電力料金が安い時間帯に充電することで、電気料金を抑えることができます。
* **輻射熱による暖かさ**: 直接空気を温めるのではなく、輻射熱で部屋全体を暖めるため、暖房効率が高く、体に優しい暖かさを感じられます。
* **安定した室温**: 蓄熱材が熱を蓄えているため、室温の変化が少なく、安定した暖かさを持続します。
* **空気が乾燥しにくい**: 空気を直接温めないため、空気が乾燥しにくく、喉や肌の乾燥が気になる方にもおすすめです。
デメリット
* **初期費用が高い**: 蓄熱式暖房システムの導入には、初期費用がかかります。
* **部屋の広さや断熱性能の影響を受けやすい**: 部屋が広く、断熱性能が低い場合は、蓄熱量だけでは十分な暖かさを得られない可能性があります。
* **温度調整が難しい**: 蓄熱式暖房は、一度蓄熱した熱をすぐに調整することができません。そのため、室温を細かく調整したい場合は、他の暖房器具と併用する必要があります。
* **故障時の対応**: 蓄熱式暖房は、システム全体が複雑なため、故障時の修理費用が高額になる可能性があります。
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蓄熱式暖房の効率的な使い方
蓄熱式暖房を効果的に活用し、快適で省エネな暖房を実現するための具体的な方法をご紹介します。
メモリ設定の最適化
メモリを常に最大にする必要はありません。外気温や日射量、部屋の広さ、断熱性能などを考慮して、適切なメモリ設定を行うことが重要です。 例えば、日当たりの良い部屋であれば、メモリを低く設定しても十分な暖かさを感じられるかもしれません。逆に、日陰の部屋や断熱性の低い部屋では、メモリを高く設定する必要があるでしょう。
まずは、いくつかのメモリ設定を試してみて、最適な設定を見つけることをおすすめします。 数日間、異なるメモリ設定で過ごしてみて、室温の変化や自分の体感温度を記録してみましょう。
窓やドアの断熱対策
窓やドアからの熱の逃げを防ぐことで、蓄熱式暖房の効率を大幅に向上させることができます。
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- 窓に断熱シートやカーテンを付ける
- ドアの隙間を塞ぐ
- 窓の結露対策を行う
これらの対策を行うことで、室温を維持するために必要な蓄熱量が減り、省エネにつながります。
その他の省エネ対策
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- 室温設定を適切にする: 20℃程度に設定することで、省エネ効果を高めることができます。
- 暖房を使用しない時間帯は、窓やカーテンを閉めておく: 外気との温度差を少なくすることで、熱の損失を防ぎます。
- こまめな換気: 換気によって室温が低下する可能性がありますが、新鮮な空気を取り入れることで、快適性を高めることができます。換気は短時間で済ませ、その後は窓を閉めて保温に努めましょう。
- 家具の配置を見直す: 家具の配置によっては、熱が滞留しにくくなる場合があります。家具の配置を見直すことで、効率的な暖房を実現できます。
専門家の意見
建築士やエネルギーコンサルタントなどの専門家に相談することで、より具体的なアドバイスを得ることができます。特に、断熱性能の改善や暖房システムの見直しなど、大規模な改修を検討する場合は、専門家の意見を聞くことが重要です。
まとめ
蓄熱式暖房は、適切に利用することで、快適で省エネな暖房を実現できます。メモリ設定の最適化、窓やドアの断熱対策、その他の省エネ対策を組み合わせることで、より効果的に暖房を活用することができます。 最初は戸惑うかもしれませんが、試行錯誤を繰り返すことで、あなたに最適な使い方を見つけることができるはずです。