自閉スペクトラム症のお子さんとの接し方と、落ち着ける空間づくりのヒント

自閉症の子供にいい加減イライラしました。よく自宅にお邪魔させてもらってる上司の息子さんです。家に行くと、部屋の中はその子が投げた物が散らかっていて、色々と相談したいことがあって行ってるのですが、その子がずっとおもちゃのマイクを持って(音は大きくなりません)、わー、がー、うー、って唸るように歌っています。顔では笑ってますが正直言うと、「いい加減にしてくれ…」と思ってしまいました。真剣な話をしてるのに、私の眼鏡を取ってくるし。母親いないし、目を話せないから、真剣な話をする場所でも近くにいさせる以外にないし、仕方ないんですが、こちらとすれば困ります。まあ、知的障害者だから仕方ないですが、上司はずっとその子を面倒見なきゃいけない。かわいそうです。知的障害は治せないんですか?そもそも、なぜ知的障害者が生まれるのか…。治せないにしても、改善はできないんですか?しつけで、騒いだり、お客さんに絡んだりしないぐらいにしつけできないのか?補足上司の子供だから、みんな笑ってます。髪をつかまれても、ずっと奇声を発していても。そこで誰かが怒ればいいんでしょうか?やはり、甘やかしすぎだし、誰も怒らないから、その子は気づかないのかなあ。前々回から度々すみません。何度もありがとうございます。

自閉スペクトラム症(ASD)への理解を深める

まず、重要なのは「知的障害」という言葉ではなく、より正確な表現である「自閉スペクトラム症(ASD)」という言葉を使うことです。ASDは、コミュニケーションや社会的な相互作用に困難を抱える発達障害の一種です。知的な能力は人それぞれで、高い知能を持つ人もいれば、そうでない人もいます。質問者様のお気持ちはよく分かります。お子さんの行動に戸惑い、イライラしてしまうのは当然のことです。しかし、その前に、ASDの特徴を理解することが、状況を改善する第一歩となります。

ASDのお子さんにとって、周囲の環境は大きな影響を与えます。騒音、視覚的な刺激、触覚的な刺激など、私たちにとっては些細なことでも、彼らにとっては大きなストレスとなる可能性があります。そのため、落ち着いていられない、予想外の行動をとってしまうといったことが起こりえます。

ASDの行動の特徴と原因

ASDのお子さんに見られる行動には、以下のようなものがあります。

  • コミュニケーションの困難:言葉の理解や表現が難しい、会話のキャッチボールが苦手、相手の気持ちを読み取ることが難しいなど。
  • 社会性の困難:友達と遊ぶのが苦手、集団行動が難しい、他者の気持ちを理解することが難しいなど。
  • こだわりや反復行動:特定のおもちゃや行動に固執する、同じ行動を繰り返す、ルーティンを崩されるとパニックになるなど。
  • 感覚過敏や感覚鈍麻:特定の音や光、触感などに過敏に反応する、または鈍感であるなど。

ASDの原因は、遺伝的要因や環境的要因などが複雑に絡み合っていると考えられていますが、未だ解明されていない部分も多くあります。「治せない病気」という認識は正しいですが、「改善できない」という意味ではありません。適切な支援と環境調整によって、お子さんの行動を改善し、生活の質を向上させることは可能です。

具体的な対応策:環境とコミュニケーション

上司のお子さんの行動に困っているとのことですが、まず、ご自身の感情をコントロールすることが重要です。イライラを感じたら、一度深呼吸をして冷静になりましょう。そして、お子さんへの対応を工夫してみましょう。

1. 環境の工夫:落ち着ける空間づくり

お子さんが落ち着いていられる環境を作ることは非常に重要です。

  • 視覚的な刺激を減らす:ごちゃごちゃした部屋は、お子さんにとって大きなストレスとなります。片付けられた、シンプルで落ち着いた空間を作るようにしましょう。壁の色は、などの落ち着く色を選ぶのも効果的です。家具の配置も、お子さんが落ち着いて過ごせるように工夫しましょう。
  • 騒音を軽減する:騒音は、お子さんにとって大きなストレスとなります。カーペットを敷いたり、カーテンを厚手のものに変えたりすることで、騒音を軽減することができます。必要であれば、イヤーマフなどの防音グッズも検討しましょう。
  • 快適な温度と湿度を保つ:温度や湿度が極端に高い、または低い状態も、お子さんにとってストレスとなります。快適な温度と湿度を保つように心がけましょう。
  • 安全な空間を確保する:お子さんが安全に過ごせるように、危険なものを片付けたり、家具の角にカバーを付けたりするなどの工夫をしましょう。

2. コミュニケーションの工夫:お子さんの気持ちを理解する

お子さんの行動には、必ず理由があります。その理由を理解しようと努めることが大切です。

  • お子さんの言葉にならないサインに注目する:お子さんは、言葉で自分の気持ちを伝えるのが苦手かもしれません。表情、仕草、行動などから、お子さんの気持ちを察しようと努めましょう。
  • シンプルな言葉で話す:複雑な言葉や指示は、お子さんにとって理解しにくい場合があります。シンプルな言葉で、ゆっくりと、はっきり話すようにしましょう。
  • 視覚的な支援を使う:絵カードやスケジュール表など、視覚的な支援を使うことで、お子さんが状況を理解しやすくなります。
  • 褒めて伸ばす:お子さんが良い行動をとったときは、具体的に褒めてあげましょう。褒められることで、お子さんは自信を持ち、良い行動を繰り返すようになります。
  • 専門家のサポートを受ける:必要であれば、発達支援センターや専門医に相談し、適切な支援を受けましょう。

3. 周囲への働きかけ

上司や周囲の人々にも、ASDへの理解を深めてもらう必要があります。

  • ASDについて説明する:上司や周囲の人々に、ASDの特徴やお子さんの困りごとを丁寧に説明しましょう。
  • 具体的な対応策を共有する:お子さんへの効果的な対応策を共有し、周囲の協力を得ましょう。
  • 理解と協力を求める:周囲の理解と協力を得ることで、お子さんにとってより良い環境を作ることができます。

専門家の視点:落ち着ける空間づくりの重要性

インテリアコーディネーターの視点から見ても、落ち着ける空間づくりはASDのお子さんにとって非常に重要です。色使い、素材、照明など、様々な要素が、お子さんの感情や行動に影響を与えます。例えば、壁の色は、青や緑などの落ち着いた色を選ぶことで、リラックス効果が期待できます。また、自然素材を取り入れることで、温かみのある空間を作り出すことができます。照明は、明るすぎず暗すぎず、適度な明るさを保つことが大切です。

まとめ

ASDのお子さんへの対応は、簡単ではありません。しかし、適切な理解と対応によって、お子さんの行動を改善し、より良い生活を送ることができるようになります。焦らず、少しずつ、お子さんとのコミュニケーションを深め、落ち着ける環境を整えていきましょう。そして、必要に応じて専門家のサポートを受けることをためらわないでください。

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