ご高齢者の自宅入浴介助における事故とその後:ご質問への回答
ご高齢のご家族の急変、そしてその後の一連の出来事について、ご心配されていることと思います。ご質問いただいた内容について、順に回答いたします。専門家ではないため、法的・医学的な専門家の意見を仰ぐ必要性も併せてご説明します。
①警察の調書は、希望すれば閲覧できるのか?
警察の調書は、原則として閲覧できません。ただし、ご自身が事件の関係者である場合、または弁護士を通じて請求することで閲覧できる可能性があります。ご自身で判断するのではなく、弁護士に相談することをお勧めします。弁護士は、調書の内容を検討し、今後の対応について適切なアドバイスをしてくれます。
②救急隊の電話のやり取りは、詳しく聞けるか?瀕死の人を置いて案内に出てきてほしいと言う事があるのか?
救急隊との通話記録については、消防署に情報開示請求を行うことで入手できる可能性があります。ただし、個人情報保護の観点から、全ての内容が公開されるとは限りません。また、救急隊員が現場を離れたことについては、状況把握が重要です。現場の状況、救急隊員の判断、そして通話記録を総合的に判断する必要があります。消防署への情報開示請求と弁護士への相談を検討してください。瀕死の状況で救急隊員が現場を離れることは、通常あり得ない行為です。しかし、詳細な状況が不明なため、判断は保留です。
③老人介護で希望があれば湯量は増やすのか?連絡ノートに以前希望したと記載はあったが当日は、室室温30度以上です。
高齢者の入浴介助において、湯量や水温は個々の状態に合わせて調整する必要があるため、一概に「希望があれば増やす」とは言えません。室温30度以上の状況下では、通常よりも低い温度で入浴させるのが適切です。連絡ノートに以前の希望が記載されていたとしても、当日の体調や室温を考慮した判断が重要です。ヘルパーの判断に問題があったかどうかは、専門家(介護士、医師など)による検証が必要です。
④訪問介護で、救急搬送などあった後部屋をきれいに掃除していくことは当然の行為なのか?
救急搬送後、部屋を掃除することは、必ずしも当然の行為とは言えません。緊急事態対応の後、現場の状況を維持しておくことが重要となる場合もあります。警察の捜査に支障をきたす可能性も考慮する必要があります。ただし、後片付けを行うことで、ご家族の負担を軽減する効果もあるため、状況判断が重要です。この点についても、介護サービス事業所や弁護士に相談し、適切な対応を検討することをお勧めします。
⑤警察が事件性無しとし検死後、死亡診断書が出されたが死因がくも膜下出血であり、過失があったかもしれない・・程度では何もすることはできないのか?
警察が事件性なしと判断し、死亡診断書が出されたとしても、過失の有無については、民事上の責任追及の可能性が残されています。くも膜下出血が原因であっても、入浴介助における不適切な対応が死亡に影響を与えた可能性があれば、医療過誤や介護過失として損害賠償請求ができる可能性があります。この点については、弁護士に相談し、専門家の意見を聞くことが不可欠です。
まとめ:専門家への相談が重要
今回の事例は、高齢者の入浴介助における事故と、その後の対応に関する複雑な問題を含んでいます。ご自身で判断するのではなく、弁護士、医療関係者、介護関係者など、それぞれの専門家に相談し、適切なアドバイスを受けることが非常に重要です。
特に、警察の調書閲覧、救急隊との通話記録の入手、そして過失の有無に関する法的判断は、専門家の知識と経験が不可欠です。冷静に状況を整理し、専門家の力を借りながら、今後の対応を進めていきましょう。