糠床の匂いが消えた!原因と対処法|ぬか漬けのトラブルシューティング

糠床の匂いが突然消えた!糠を始めて1ヵ月過ぎ、味も匂いもバツグンに最高な状態になって毎日糠漬を楽しんでいたのですが、昨日糠容器の蓋を開けたら、一切匂いが消え失せていました…前日までは蓋を開ければあの美味しそうで強烈な臭いが部屋に充満していたのに…突然のことでビックリです。試しに糠を食べてみたら、やはり酸味もうま味も一切消えていました。こういう事はよくある事ですか?糠ではどういう事態が起こっているのでしょうか?環境としては、ずっと常温保管です。(日中30℃超えますが、たくさん発酵して体に良い強い糠になって欲しいのと、冷蔵庫に入れる場所がない事もあり。)糠漬け用のタッパーを使っています、蓋が完全に密封にならない仕組みの物です。30℃を超える季節になってからは毎日半日ペースで産膜酵母が張ります。ちょっと水分が多くゆるい糠でした。とりあえず酸味が消えた=カビる危険が高いと思い、塩と糠を足してよくかきまぜておきましたが、この対処で合っていますか?よろしくお願いしますm(_ _)m

糠床の匂いが消えた原因を探る

糠床の匂いが消え、酸味や旨味も感じられなくなったとのこと、大変驚かれたことと思います。これは、糠床の環境が大きく変化したことを示唆しています。 30℃を超える高温環境下で、水分量の多い糠床を常温で管理されていたとのことですが、いくつかの可能性が考えられます。

1. 酵母や乳酸菌の活動低下

糠床の発酵は、酵母や乳酸菌などの微生物の活動によって生み出されます。これらの微生物は、温度や水分、塩分濃度などの環境変化に非常に敏感です。30℃を超える高温は、一部の乳酸菌にとっては生育に適さない環境となり、活動が低下してしまう可能性があります。また、水分が多すぎると、好気性菌(酸素を必要とする菌)の活動が活発になり、嫌気性菌(酸素を嫌う菌)である乳酸菌の生育を阻害する可能性も考えられます。 匂いの元となるのは、主に乳酸菌や酵母が作り出す様々な揮発性物質です。これらの微生物の活動が低下すれば、当然匂いも弱まります。

2. 雑菌の繁殖

高温多湿の環境は、乳酸菌だけでなく、有害な雑菌の繁殖にも適しています。雑菌が増殖すると、乳酸菌の活動を抑制し、糠床のpHバランスを崩してしまいます。 雑菌が増えると、本来の糠床の香りや風味は失われ、不快な臭いが発生したり、場合によってはカビが生えることもあります。今回のケースでは、匂いが消えたと同時に酸味や旨味も消えていることから、雑菌の繁殖が疑われます。

3. 塩分濃度の低下

塩分は、糠床における防腐剤の役割を果たし、雑菌の増殖を抑える働きがあります。水分が多い糠床では、塩分が薄まりやすいため、塩分濃度の低下によって雑菌が増殖しやすくなっている可能性があります。

糠床の匂いが消えた時の対処法

塩と糠を追加してかき混ぜたとのことですが、これは適切な対処法の一つです。しかし、状況によっては、より積極的な処置が必要となる場合があります。

1. 糠床の状態の確認

まず、糠床全体の状態を丁寧に確認しましょう。カビが生えていないか、異臭がないか、などをチェックします。もしカビを発見したら、残念ながらその糠床は廃棄する必要があります。カビ毒のリスクを考慮すると、再利用は避けるべきです。

2. 塩分濃度の調整

塩分濃度を測定し、必要であれば塩を追加して調整しましょう。塩分濃度は、糠床全体の約8%程度が目安です。正確な塩分濃度を測るには、塩分計を使用するのがおすすめです。

3. 水分の調整

水分が多い糠床は、雑菌の繁殖を招きやすいです。糠床を軽く握って、水が滴り落ちない程度に水分を調整しましょう。余分な水分は、キッチンペーパーなどで吸い取るか、新しい糠を追加することで調整できます。

4. 高温対策

30℃を超える高温は、糠床にとって負担となります。可能であれば、涼しい場所に移動するか、冷蔵庫で保管することを検討しましょう。冷蔵庫にスペースがない場合は、保冷剤などを活用して温度上昇を抑える工夫も有効です。

5. 適切な容器の選択

蓋が完全に密封されない容器を使用されているとのことですが、密閉性が高い容器を使用することで、雑菌の混入を防ぎ、より安定した発酵を促すことができます。ただし、完全に密閉してしまうと、酸素が不足して発酵がうまくいかなくなる可能性もありますので、通気性を考慮した容器選びが重要です。

専門家のアドバイス

発酵食品の専門家によると、糠床の匂いが消える原因は、上記の他にも、使用する水質や糠の質、保管場所の環境など、様々な要因が複雑に絡み合っている可能性があるとのことです。 そのため、原因を特定し、適切な対策を行うためには、糠床の状態を詳細に観察し、記録することが重要です。 例えば、毎日糠床の状態(匂い、色、水分量など)を記録し、温度や湿度なども記録することで、問題発生の原因を特定しやすくなります。

糠床を復活させるための具体的なステップ

1. 糠床の状態を確認する: カビや異臭がないか、丁寧に確認します。カビが生えていれば廃棄します。
2. 塩分濃度を測定する: 塩分計で正確な塩分濃度を測定します。8%に調整します。
3. 水分を調整する: 軽く握って水が滴らない程度に水分量を調整します。
4. 新しい糠を追加する: 新しい糠を追加して、糠床の量を増やし、塩分濃度と水分量を調整します。
5. 温度管理を行う: 涼しい場所に移動するか、保冷剤などで温度上昇を抑えます。
6. 定期的なかき混ぜ: 毎日、もしくは数日に一度、糠床をかき混ぜて空気を供給します。
7. 様子を観察する: 数日後、匂いや酸味、旨味が戻ってきたか確認します。

まとめ

糠床の匂いが消えるというトラブルは、必ずしも糠床がダメになったことを意味するわけではありません。適切な対処法を行うことで、多くの場合、復活させることが可能です。 しかし、カビが発生している場合は、残念ながら廃棄するしかありません。 日々の観察と適切な管理が、美味しい糠漬け作りには不可欠です。 今回の経験を活かし、より良い糠床管理を目指しましょう。

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