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高断熱住宅なのに寒い原因:可能性を探る
築8年、高断熱・高気密を謳う住宅で、近年になって寒さを感じるようになったとのこと。当初は快適だったのに、3年前から吹き抜けから冷気が降りてくるようになり、コタツが必要になった状況は深刻です。 メーカーは「1階と2階の温度差」を原因としていますが、それでは説明できない点もあります。 まずは、考えられる原因をいくつか検証してみましょう。
1. 吹き付け断熱材の劣化・施工不良
吹き付け断熱材は経年劣化によって断熱性能が低下することがあります。 特に、施工不良が疑われるケースでは、劣化が早まる可能性があります。 8年前の施工で、当初は効果を発揮していた断熱材が、経年劣化や施工不良により隙間が生じ、冷気を侵入させている可能性は十分考えられます。 また、質問者様も指摘されているように、結露の発生も断熱性能の低下を示唆しています。
2. 気密性の低下
高気密住宅でも、経年変化や建材の収縮、強風による揺れなどによって、目に見えない小さな隙間が生じる可能性があります。 特に、強風地域にお住まいとのことですので、建物の揺れによる隙間発生は無視できません。 これらの隙間から外気が侵入し、冷気が吹き抜けを通じてリビングに流れ込んでいる可能性があります。
3. 換気システムの不具合
24時間換気システムは、室内の空気を常に換気するシステムですが、換気口の閉鎖不良やフィルターの目詰まりなどが原因で、適切な換気が行われず、冷気の侵入を招いている可能性があります。
4. 吹き抜けの設計問題
吹き抜けは開放感がありますが、熱の逃げ道になりやすいというデメリットもあります。 当初は問題なかったものの、経年劣化や気密性の低下によって、吹き抜けからの冷気の影響が顕著になった可能性があります。
具体的な調査と対策
原因を特定するために、以下のステップで調査を進めることをお勧めします。
1. 専門家による調査依頼
まずは、建築士や住宅診断士などの専門家に調査を依頼しましょう。 彼らは、目視検査や熱カメラによる調査などを行い、断熱材の状態、気密性の問題点、換気システムの動作などを詳細に調べることができます。 業者に相談しても解決しなかったとのことですが、別の専門業者に依頼することが重要です。 複数の専門家の意見を聞くことで、より正確な原因特定につながります。
2. 熱カメラ調査
熱カメラは、目に見えない温度差を可視化できるため、断熱材の劣化箇所や気密性の低い場所を特定するのに非常に有効です。 専門家に依頼する際に、熱カメラ調査を必ず含めるようにしましょう。
3. 換気システムの点検
換気システムのフィルターが詰まっていないか、換気口が適切に機能しているかを確認しましょう。 必要であれば、フィルター交換や清掃、システムの点検・修理を行いましょう。
4. 窓の気密性チェック
窓からの冷気侵入も考えられます。 窓枠の隙間やサッシの劣化がないか、専門家に見てもらいましょう。 窓の断熱フィルムの貼付も効果的です。
5. 断熱対策
専門家による調査の結果に基づき、断熱対策を実施します。 例えば、追加断熱が必要な場合は、吹き付け断熱材の補修や、窓への断熱フィルムの施工などを検討しましょう。 吹き抜け部分にカーテンやブラインドを設置するのも効果的です。
具体的な対策例
* 窓への断熱フィルムの施工:窓からの熱損失を軽減します。様々な種類があり、デザイン性も考慮できます。
* カーテンやブラインドの設置:吹き抜けからの冷気や直射日光を遮断します。厚手のカーテンや遮光性が高いブラインドを選びましょう。
* 空気層の確保:吹き抜け部分に、空気層を設けることで断熱効果を高めることができます。
* 断熱材の追加:専門家と相談の上、断熱材を追加施工することで、住宅全体の断熱性能を向上させます。
* 換気システムのメンテナンス:定期的なフィルター交換や清掃で、換気システムの効率を高めましょう。
市役所への相談
市役所には、住宅に関する相談窓口がある場合があります。 専門家による調査の結果を基に、住宅の不具合に関する相談をすることができます。 ただし、市役所が直接的な解決策を提供するとは限らないため、あくまで相談の一環として捉えましょう。
まとめ
高断熱住宅であっても、経年劣化や施工不良、気密性の低下などによって、寒さを感じるようになることはあります。 原因を特定し、適切な対策を行うことが重要です。 専門家による調査を依頼し、具体的な対策を実施することで、快適な住環境を取り戻せるはずです。 諦めずに、一歩ずつ問題解決に取り組んでいきましょう。