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マンションの避難経路と防災設備に関する疑問
高層マンションではないものの、5階建てマンション最上階にお住まいの方から、避難経路と防災設備に関するご心配の声をいただきました。具体的には、二方向避難が確保されていないこと、避難ハッチや避難はしごがないこと、そして火災報知器の設置状況についても疑問を持たれています。不動産会社からの回答も不十分と感じられており、不安な気持ちはごもっともです。以下、ご質問にお答えしていきます。
① 火災感知設備と避難時間について
ご質問にある「他の階で火事が発生したことを把握できない設備のマンションがあっても、「法的には問題はない」と理解しなければならないのでしょうか?」という点について。結論から言うと、必ずしも「法的には問題ない」とは限りません。日本の消防法では、一定規模以上の建物には、火災報知器や避難誘導灯などの設置が義務付けられています。 マンションの規模や構造、築年数などによって、具体的な基準は異なりますが、現状の設備が消防法令に適合しているかどうかは、専門家(消防署など)による判断が必要です。
また、「逃げる時間は与えられないのでしょうか?」というご質問ですが、火災発生時の避難時間は、火災の規模や場所、煙の充満状況などによって大きく変動します。数分という短い時間内に避難を完了しなければならないケースも十分に考えられます。そのため、迅速な避難経路の確保と、早期の火災感知は非常に重要です。現状の設備では、火災の早期発見や避難誘導に不安が残るのも当然と言えるでしょう。
② 二方向避難と特例措置について
「二方向避難が成り立っていませんが、5階建ての低いマンションでは何か特例処置の法があり、自ら設置する以外に手はないのでしょうか?」というご質問については、5階建てだからといって、二方向避難の義務が免除される特例措置はありません。消防法では、建物の構造や規模に応じて、避難経路の確保が求められており、二方向避難が理想的な避難方法とされています。
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しかし、既存の建物で二方向避難が物理的に困難な場合、消防署と協議の上、代替措置を講じる場合があります。例えば、避難はしごの設置や、非常口の増設などが考えられます。 ただし、これらの措置は、家主側の責任と費用負担で行われるのが一般的です。
③ 相談窓口と具体的な行動
「このような相談事は、何処へするのがよいのでしょうか?消防署で相談可能な件でしょうか?」というご質問には、消防署への相談が適切です。消防署では、建物の防火管理状況の検査や指導を行っており、避難経路や防災設備に関する専門的な知識を持っています。
まずは、お住まいの地域の消防署に連絡を取り、現状を説明し、相談してみてください。消防署は、建物の状況を調査し、消防法令に適合しているかどうかを判断します。もし、法令違反が認められれば、家主に対して改善を指示するでしょう。
具体的な行動ステップ
1. **お住まいの地域の消防署に電話連絡:** 現状を詳しく説明し、相談の予約を取りましょう。
2. **消防署による現地調査:** 消防署員がマンションを訪問し、避難経路や防災設備の状況を調査します。
3. **消防署からの指導・指示:** 調査結果に基づき、必要な改善策や対応について指示を受けます。
4. **家主への改善要求:** 消防署の指示に基づき、家主に対して避難設備の改善を強く要求しましょう。必要であれば、弁護士などの専門家に相談することも検討してください。
5. **記録の保管:** 消防署とのやり取りや家主との交渉内容を記録として残しておきましょう。
家主への設置要望の正当性
家主への避難設備設置要望は、消防法令に基づいて正当なものです。不動産会社からの「消防法上問題なく避難具の設置も不要」という回答は、必ずしも正しいとは限りません。消防署の判断を仰ぐことが重要です。
専門家の意見
弁護士や建築士などの専門家に相談することで、より的確なアドバイスを得ることが可能です。特に、家主との交渉が難航する場合は、専門家の力を借りることを検討しましょう。
まとめ
安全な住環境を確保することは、居住者の権利です。二方向避難が確保されていないこと、避難設備が不足していることへの不安は、正当なものです。消防署に相談し、専門家の意見を聞きながら、家主と積極的に交渉を進めていきましょう。