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築古マンションの退去時における現状回復義務と費用
10年以上居住されている築30年以上のマンションからの退去に伴う現状回復について、ご心配されているご様子ですね。知人からの依頼で保証金なしで賃貸されているとのこと、ご不安もごもっともです。まず、現状回復義務の範囲と、それに伴う費用について整理していきましょう。
現状回復義務の範囲
現状回復とは、借主が賃貸物件を借りた時の状態に戻すことです。ただし、「通常の使用による損耗」は借主の負担ではありません。これは、時間の経過や通常の使用によって生じる劣化・損耗のことです。例えば、経年劣化による壁紙の黄ばみ、木の床の傷み、多少のカビなどは、借主の責任ではありません。
一方、借主の故意または過失による損傷は、借主が負担する必要があります。タバコによる壁紙のヤニ汚れ、便座の破損、換気扇の故障などは、借主の責任範囲に該当する可能性が高いです。
お風呂のカビについて
お風呂の扉のカビは、築年数の経過によるものと、使用状況によるものがあります。入居時からの状態を写真などで記録していれば、その証拠として提示できます。しかし、記録がない場合、入居時の状態を証明することが難しいです。専門家に見てもらうことで、経年劣化によるものか、借主の責任によるものかの判断を仰ぐことも可能です。
費用見積もりの方法
現状回復費用は、損傷の程度や工事内容によって大きく異なります。正確な費用を知るには、複数の業者に見積もりを依頼することが重要です。インターネットで検索したり、知人に紹介してもらったり、地域の工務店に問い合わせるのも良いでしょう。
- 複数の業者に見積もり依頼:相見積もりを取ることで、適正価格を把握できます。
- 写真撮影:損傷箇所の状態を写真に記録しておきましょう。見積もり依頼時にも提示すると、より正確な見積もりを得られます。
- 契約内容の確認:賃貸借契約書を確認し、現状回復に関する特約条項がないか確認しましょう。特約条項があれば、それに従う必要があります。
費用負担の目安
築30年以上のマンションの場合、リフォームが必要なレベルの老朽化が進んでいる可能性があります。クロス張替え、便座交換、換気扇交換、インターホン交換、お風呂の扉交換など、複数の箇所の修繕が必要となる場合、10万円~50万円以上かかる可能性があります。具体的な費用は、見積もりによって大きく変わるため、複数の業者に依頼することが重要です。
マイホーム購入と現状回復費用
マイホーム購入を検討されているとのこと、おめでとうございます!現状回復費用は、マイホーム購入資金とは別に準備する必要があります。
資金計画の見直し
現状回復費用に加え、引っ越し費用、新しい住まいの初期費用(仲介手数料、登記費用、リフォーム費用など)なども考慮して、資金計画を見直しましょう。
知人との話し合い
知人との間で、現状回復の範囲や費用負担について、事前にしっかりと話し合っておくことが大切です。お互いの認識にズレがあると、トラブルにつながる可能性があります。話し合いの中で、写真や見積もりを提示し、客観的な根拠に基づいて説明しましょう。
専門家の活用
現状回復費用に関する不安や、費用負担の範囲について判断に迷う場合は、不動産会社や弁護士などに相談することをお勧めします。専門家のアドバイスを受けることで、適切な対応を取ることができます。
まとめ:安心できる退去に向けて
築30年マンションからの退去は、現状回復費用やリフォーム費用など、多くの課題を抱えています。しかし、適切な手順を踏むことで、安心して退去を進めることができます。複数の業者に見積もりを依頼し、知人との話し合いを丁寧に進め、必要に応じて専門家の力を借りることで、スムーズな退去を実現しましょう。