2階床の傾斜:原因の究明と今後の対策
築2年半の2×4住宅で、2階床の傾斜に悩まれているとのこと、ご心配ですね。施工会社と住宅瑕疵保険会社の回答を踏まえつつ、原因と今後の悪化の可能性について詳しく見ていきましょう。13mm/900mm、5/1000以上の傾斜は、日常生活に支障をきたす可能性があり、放置すべきではありません。
考えられる原因
現状の状況から考えられる原因をいくつか挙げ、それぞれについて詳しく解説します。
- 床パネルの施工不良:施工会社が指摘するように、床パネルの施工不良が原因の一つとして考えられます。しかし、継ぎ目部分の盛り上がりだけで13mmもの傾斜が生じるのは、他の要因も絡んでいる可能性が高いです。施工精度が低いと、パネル間の隙間が大きくなり、経年変化で沈み込みやすくなります。特に、15mm厚の合板は28mm厚に比べて強度が低いため、施工精度が重要になります。
- 下地材の不足または不適切な施工:2階床下地の厚さが1階と異なる(15mm vs 28mm)という点は、重要なポイントです。薄い合板はたわみやすく、荷重に弱いため、傾斜の原因となっている可能性があります。適切な間隔で根太を配置し、十分な強度を確保する必要があります。根太の腐朽や、適切な固定がされていない場合も考えられます。
- 基礎の沈下:基礎の不均一な沈下も考えられます。特に、家の真下が軟弱地盤の場合、時間の経過とともに沈下し、床の傾斜を引き起こす可能性があります。1階に影響が少ないのは、基礎の沈下量が小さく、あるいは1階の床下地が厚いため、たわみが目立たないためかもしれません。
- 木材の乾燥収縮:木材は乾燥によって収縮します。特に、新築直後から数年は収縮が大きく、床材や構造材の収縮によって傾斜が発生する可能性があります。しかし、築2年半経過していることを考えると、この要因は比較的少ないと考えられます。
- 荷重によるたわみ:家具などの重量物が長期間同じ場所に置かれていた場合、床材がたわんで傾斜が生じる可能性があります。しかし、今回のケースでは、傾斜が発見された後に家具を移動したため、この要因だけでは説明が難しいです。
- その他の要因:地震や地盤の動き、シロアリ被害なども考えられますが、可能性は低いでしょう。
今後の悪化の可能性
現状の補修方法(フローリングの削り直しと重ね貼り)は、一時的な対応に過ぎず、根本的な原因を解決していない可能性があります。そのため、今後、傾斜が再発または悪化する可能性は十分にあります。特に、基礎の沈下や下地材の不足が原因であれば、時間の経過とともに傾斜は悪化していくでしょう。
専門家の意見を仰ぐ
施工会社と住宅瑕疵保険会社の回答だけでは、不安が残ると思います。構造設計士や建築士などの専門家に、現場調査と原因究明を依頼することを強くお勧めします。専門家は、床下調査や非破壊検査などを行い、傾斜の原因を特定し、適切な対策を提案してくれます。
具体的なアドバイス
* 専門家への依頼:複数の専門家に相談し、見積もりを比較検討しましょう。
* 証拠の確保:傾斜状況の写真や動画を記録しておきましょう。
* 記録の保管:施工図書、住宅瑕疵保険関連書類などを大切に保管しましょう。
* 交渉:専門家の意見を元に、施工会社や住宅瑕疵保険会社と交渉を行い、適切な補修・改修を求めましょう。
まとめ
2階床の傾斜は、放置すると生活に支障をきたすだけでなく、建物の構造にも影響を与える可能性があります。施工会社による補修だけでは安心できない場合は、専門家の意見を聞き、根本的な原因究明と適切な対策を行うことが重要です。早めの対応が、将来的なトラブルを防ぐことに繋がります。