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カビだらけの賃貸マンション、契約して良いのか?専門家の視点から解説
築10年の賃貸マンションで、前居住者の生活習慣によってカビが発生している状態での契約は、確かに悩ましい問題です。写真を見る限り、相当なカビの発生が確認できます。しかし、安易に「やめるべき」と断言することはできません。状況を丁寧に分析し、リスクとメリットを比較検討する必要があります。
カビ発生の原因究明が重要
まず、カビ発生の根本原因を特定することが重要です。前居住者の生活習慣の問題だけとは限りません。
- 建物の構造上の問題: 築10年という年齢を考慮すると、建物の老朽化や、換気システムの不具合、断熱性の低さなどが原因で結露が発生しやすく、カビの発生を助長している可能性があります。特に、隣接ビルが近いことから、日照不足や通風の悪さが懸念されます。東向きの部屋とはいえ、3方が隣接ビルに囲まれている状況は、湿気がこもりやすい環境と言えます。
- 前居住者の生活習慣: 野菜くずが放置されていたことからも、前居住者の生活習慣に問題があった可能性は高いです。しかし、これは改善可能な要素です。あなたが清潔な生活を心がければ、カビの再発を抑制できます。
- 施工不良: 壁紙の下地のベニヤ板にカビが残っているという点も懸念材料です。消毒だけで済ませるという対応は、根本的な解決策とは言えません。将来、カビが再発する可能性も考慮しなければなりません。
クリーニング後の状態を慎重に確認
不動産会社は壁紙の交換や床の一部交換、カビの消毒を行うとのことですが、その施工内容を十分に確認する必要があります。
- 施工業者を確認する: どのような業者に依頼するのか、その業者の実績や評判を調べましょう。信頼できる業者であれば、より適切な施工が行われる可能性が高まります。
- 施工範囲を確認する: 壁紙の交換は、カビの発生箇所だけでなく、周辺部も交換する必要があるかもしれません。床についても同様です。消毒だけでは不十分な場合もあります。
- 施工後の確認: クリーニング後、必ず再度内見を行い、カビの除去が適切に行われたか、湿気対策が施されているかなどを確認しましょう。専門家(例えば、住宅診断士)に同行してもらうのも有効です。
カビ対策を徹底する
仮に契約した場合、徹底したカビ対策が不可欠です。
- 定期的な換気: 特に、北側の部屋は日当たりが悪いため、こまめな換気が重要です。窓を開けて自然換気を心がけ、必要に応じて換気扇を使用しましょう。除湿機も効果的です。
- 除湿対策: 除湿機を使用したり、湿気を吸着するグッズを置くなど、湿度管理を徹底しましょう。浴室乾燥機があれば、積極的に活用しましょう。
- 清掃: こまめな清掃はカビの発生を防ぐ上で非常に重要です。特に、水回りや窓際は注意深く清掃しましょう。カビ取り剤を使用する際は、換気を十分に行い、使用方法をよく確認してから使用してください。
- 湿度計の設置: 部屋の湿度を常に把握するために、湿度計を設置しましょう。湿度が高い状態が続かないように注意しましょう。
家賃相場との比較
家賃が相場より若干安いという点も考慮すべきです。カビのリスクを考慮しても、家賃の安さが魅力的な場合は、契約を検討する価値はあるかもしれません。しかし、安さだけで判断せず、リスクとメリットを総合的に判断することが大切です。
専門家への相談も検討を
どうしても判断に迷う場合は、専門家(不動産会社以外の第三者、例えば住宅診断士など)に相談することをお勧めします。専門家の意見を聞くことで、より客観的な判断ができるでしょう。
まとめ:リスクとメリットを天秤にかけて
カビの発生は深刻な問題ですが、必ずしも契約を諦めるべきとは限りません。クリーニング後の状態を慎重に確認し、徹底したカビ対策を講じることで、安心して暮らせる可能性があります。家賃の安さやその他の条件も考慮し、リスクとメリットを慎重に天秤にかけて、最終的な判断を下してください。