Contents
老朽化した賃貸物件における引戸の修理費用負担について
築10年以上経過した賃貸物件で、引戸の滑りが悪くなり、滑車が破損しているというご相談ですね。これは、借主と家主(管理会社)どちらが修理費用を負担すべきかという、賃貸トラブルでよくある問題です。結論から言うと、状況によっては家主が修理費用を負担する可能性が高いです。ただし、いくつかの要素によって判断が変わってきます。
通常使用による損耗か、借主の過失か
まず重要なのは、引戸の故障が「通常使用による損耗」なのか、「借主の過失」なのかを見極めることです。
- 通常使用による損耗の場合:築年数から考えて、経年劣化による滑車の破損であれば、家主(管理会社)が修理費用を負担するのが一般的です。長年の使用で部品が摩耗するのは避けられないことであり、借主の責任ではありません。
- 借主の過失の場合:例えば、引戸を無理やり動かしたり、重い物をぶつけたりして滑車を破損させた場合は、借主の責任となります。この場合、修理費用は借主が負担することになります。
今回のケースでは、6年間の通常使用で滑車が破損したとのことですので、通常使用による損耗の可能性が高いと考えられます。
賃貸借契約書を確認しましょう
賃貸借契約書には、修繕に関する条項が記載されている場合があります。契約書をよく確認し、修繕責任の範囲を確認しましょう。「修繕義務」に関する記述を探し、該当する箇所があれば、家主(管理会社)に提示することで、スムーズに交渉を進めることができます。
家主(管理会社)への連絡方法と交渉
まずは、家主(管理会社)に状況を説明し、修理の依頼を行いましょう。写真や動画で現状を記録しておくと、交渉がスムーズに進みます。連絡方法は、電話やメール、書面など、契約書に記載されている連絡方法に従いましょう。
交渉の際には、以下の点を伝えましょう。
- 引戸の故障状況(滑りが悪い、引っかかる、滑車が破損しているなど)
- 故障の原因(経年劣化によるものと推測されること)
- 修理費用負担に関する要望(家主負担を希望すること)
- 修理時期の要望
専門家への相談
家主との交渉が難航する場合、弁護士や不動産会社などの専門家に相談することをお勧めします。専門家は、法律に基づいた適切なアドバイスをしてくれます。
具体的な修理方法と費用
引戸の修理は、専門業者に依頼するのが一般的です。費用は、滑車の交換だけで済む場合と、レールや戸車全体の交換が必要な場合とで大きく異なります。
- 滑車の交換:比較的安価で済むことが多いです。数千円から1万円程度でしょう。
- レールや戸車全体の交換:状態によっては、レールや戸車全体を交換する必要がある場合があります。この場合は、数万円かかる可能性もあります。
修理費用は、業者によって異なるため、複数の業者に見積もりを取ることが重要です。
予防策と今後の対策
引戸の故障を防ぐためには、日頃から以下の点に注意しましょう。
- 定期的な清掃:レールにゴミやホコリが溜まると、滑りが悪くなります。定期的に掃除機やブラシで清掃しましょう。
- 潤滑剤の使用:レールにシリコンスプレーなどの潤滑剤を少量吹き付けると、滑りが良くなります。ただし、スプレーしすぎると逆に汚れの原因となるため、少量を丁寧に吹き付けましょう。
- 無理な開閉を避ける:引戸を無理やり開け閉めすると、滑車が破損する原因となります。優しく開け閉めする習慣を心がけましょう。
まとめ
築年数の古い賃貸物件において、引戸の滑車破損は、通常使用による経年劣化と判断される可能性が高く、家主(管理会社)が修理費用を負担する可能性が高いです。しかし、賃貸借契約書の内容や、借主の過失の有無によって判断が変わるため、まずは家主(管理会社)に状況を説明し、交渉することが重要です。交渉が難航する場合は、専門家への相談も検討しましょう。日頃から適切なメンテナンスを行うことで、故障を予防し、快適な生活を送ることが大切です。